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エセ賢者と魔導書ゴーストライター  作者: 結城 からく


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35/115

第35話 災難は続く

 エイダは呆然とする。

 彼女は暫し言葉を失っていたが、無残な状態となった別荘に慌てて駆け寄る。


「なっ……誰がこれをやったんだ?」


「魔爪の導示の仕業と考えるのが妥当だが、他の勢力の可能性もあるな。心当たりはないか」


「ううむ。私を恨む者は多いね。いちいち挙げていたら日が暮れてしまう」


 エイダは神妙な顔つきでうなる。

 彼女は腕利きの商人であり、現在は賢者としても活動している。

 その関係で人脈が広く、同時に恨まれる要因を持っていた。

 エイダの活動が不利益となる勢力は少なくないのだ。

 彼女が意識している範囲はもちろん、把握していない存在もいることだろう。


 敷地内を漁るエイダをよそに、焼け落ちた別荘を観察する。

 まずは視覚的な手がかりを集めることにした。


(別荘には結界が張られていた痕跡がある。野生動物や魔物には破れない強度だ)


 よほど強い力がなければ結界は壊せなかったはずだ。

 今のところ目的は不明だが、付近ではエイダの別荘だけが破壊されている。

 彼女の所有地であることを知った上で狙ったのは間違いない。


(高品質な魔道具を盗むだけなら、建物を燃やす必要がない。怨恨……或いは破壊工作と考えるのが妥当か)


 考察を進めながら別荘に羊皮紙を這わせる。

 そうして残された記録を採取し、何が起こったのかを調査した。

 雪崩れ込む情報の中から必要なものだけを拾い上げて真実を組み立てていく。


 その時、少し離れた地点で微かに物音がした。

 ほぼ同時にナイフが飛来する。

 軌道上にはエイダがいた。


 切っ先が彼女の顔面に刺さる寸前、割り込んだルナがナイフを弾き飛ばす。

 ナイフに気付かなかったエイダは甲高い音で遅れて身をすくめさせた。


「うお、何だ!?」


「待ち伏せだね。あたし達が来るのを予想してたみたい」


 ルナは平然と短剣を回して構える。

 その視線は、寂れた家屋の陰に注がれていた。


 間もなくそこから三人の男達が現れる。

 別荘から読み取った記録によると、いずれも魔爪の導示の構成員らしい。

 彼らはエイダの行き先を予測し、計画的に破壊工作を行っていたのである。

 そして、エイダの暗殺まで企んでいた。


 近付いてくる三人には、身体的な特徴があった。

 それぞれ角や爪や尻尾を持っている。

 ただし形が不揃いで不自然だ。

 先天的なものではなく、無理やり繋ぎ合わせたのだろう。


(魔族の部位を移植した人間か)


 そういった者は昔から存在する。

 大いなる力を手にして、人間の限界を超越するためだ。

 彼らは魔人と呼ばれる種族として認知されていた。

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