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エセ賢者と魔導書ゴーストライター  作者: 結城 からく


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第25話 殺人少女の正体

 エイダは懸命に逃げ回るも、間もなく瓦礫の山に突き当たった。

 よじ登るには高すぎる上、少女に無防備な背中を晒すことになる。

 ちょうど袋小路のような形となっており、迂回しようにも既に少女が立ちはだかっていた。

 エイダを追い詰めた少女は嬉しそうに舌なめずりをする。


「ふふーん、行き止まりだよー。どうする? 殺し合っちゃう?」


「すまないが私は頭脳派でね。肉体労働は好まないのだよ」


「へぇ。じゃあもう殺そっか」


 少女が短剣を振りかざして踏み込む。

 その刃がエイダに触れる直前、付近に散らばった羊皮紙を集結させて巨大な右手の形に編成した。

 さらに視点を落として定着させると、少女を鷲掴みにしようと動かす。


 紙一重で察知した少女は、五本の指を残らず切断して飛び退いた。

 奇襲は失敗したがエイダを救えたので十分だろう。

 巨大な右手から人型に変形させて、臆することなく少女と対峙する。


 少女は意外そうに瞬きをした。


「およ、生き返ったの?」


「死から逸脱しているだけだ」


 両腕を一気に伸ばして少女を捕えようとするも、短剣で切り刻まれて届かない。

 それでも距離を取らせることには成功した。

 間一髪で助かったエイダが後ろから縋り付いてくる。


「ヴィブル! なぜ勿体ぶって復活したんだ。君なら瞬時に身体を復元できるだろう!?」


「すまない、少し対策を考えていた」


「その口ぶりだと何か思い付いたんだね?」


「おそらく問題ない」


「頼んだよ。私はもう限界だ」


 エイダは脱力して尻餅をつく。

 さすがに気を抜きすぎだと思うが、それだけ信頼されているのか。

 或いは本当に限界なのだろう。

 エイダのことは一旦放っておくことにして、視線を少女に戻して尋ねる。


「お前は何者だ」


「そっちが名乗ってくれたら教えてあげるよー」


 少女が軽い調子で応じる。

 すぐさま攻撃してくる兆しが見えないのは、少なからずこちらに興味を抱いたからだろうか。

 都合が良いのでここは話に乗ることにした。


「蔵書狂ヴィブル。現在は賢者エイダの助手をしている」


「ぞうしゅきょう……聞いたことあるよーな? 賢者は知ってるよ。魔導書で有名な人だよね。こんなに弱いと思わなかったけど」


 少女はエイダを一瞥してため息を吐く。

 それから短剣を下ろした彼女は、自身を指差して名乗った。


「あたしはルナ。勇者の末裔だよ。よろしくね」


 短剣の聖なる光が発せられる。

 後ろでエイダが何やら喚いているが、生憎とそれどころではなかった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! >殺人少女の正体 昔のドラクエ4コマで、勇者が「キチガイに刃物」状態になってるネタが有ったのを連想しました。w [一言] 続きも楽しみにしています!
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