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初拉致につき。

何がなんだかわからないまま、狐のお面の振り袖女の子に片手をとられ、神社の境内に逆戻りさせられた。拉致である。


「えっ? あの? ちょっと?」


履きなれない草履のせいと、歩き慣れない砂利道で踏ん張れず、あれよあれよと言う間に神社の奥の脇道に連れて行かれてしまった。


周囲の他の参拝客から全く注目も集めないまま、本堂の脇道を通り抜けると小さな社の前でやっと止まった。


狐面の女の子が、瑠那の手を掴んだままびっくりしている様子を楽しげに眺めてくる。


「良い娘じゃ。若く健康で真っ白じゃ。そなたならやり遂げられよう。──頼む。妾たちを助けてくれぬか」


瑠那の顔を見つめながら、真剣な口調で言われる。あまりにも困った様子でいきなりすぎたが、事情も聞かずには無下に断りづらかった。


なのでつい、聞いてしまった。


「それって、私にできること?」


狐面の女の子は、強くうなずき返す。


「そなたにしかできぬ! ある所で大変困っていてな、ちょっと行ってきて欲しいのじゃ! きちんと礼はするぞ」


ある所とは近場ではないのだろうか。あまり祖父の家から離れると親に心配をかけてしまう。


「ある所? えっと、いまおじいちゃん家に来てるから、親に──」


「行くぞ!」


有無を言わさずぐいっと引っ張られたのは、小さな社の中へだった。


「えっ? ちょっと待っ……!」


問答無用で、瑠那は拉致られたのだった。




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