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街灯のない真っ暗な夜道をガタガタと夜行バスに揺られながらーーーーとか、
インディーズからメジャーになった有名な誰かが歌にのせて語っていて、
それを耳にした只の聴衆者の中でその”誰か”に憧れ抱く者はどれ程いるのだろうか。
ましてやその立場から演者になり、世の人々に感動や勇気を届けられる者など、ほんの一握りだ。
そう言われ続けてた
ーーそう言い聞かせていた。
いつからだろうか、
純粋な支持者ではいられなくなってしまったのは。
円盤から流れる音に、イヤホンから聞こえる声に、
感動を覚えるより先に嫉妬を表すようになってしまったのは。
烏のような色の黒髪を束ね、先程より少しどんよりとした雲空に焦りを感じる。
私にも夢があった。