表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/125

能力調査

 先生に使った隠蔽魔法を解き、自分の隠蔽魔法も解いた。

 これで全員に見えるようになったはずだ。

 アイアスは魔袋に入ってる。武器の世界に色々報告するらしい。

 魔袋は畳んでポケットの中に入れてるからバレないバレない。傍から見たらハンカチだからな。


「あのっ遅れてすみませーん!」


 演技ガンガンだ。

 昔の自分を演じているのだ、我ながら気持ち悪い。


「あれ、神裂、出席停止じゃ無かったのか? というか何処に居たんだよ」


 あ、俺に反応した。

 こいつの名前はなんだったっけ。笹、笹がついていた気がする。

 笹なんとかだ。適当に呼ぼう。


「ごめん笹野くん、勝手にどっか行っちゃって。えっと、インフルエンザが治ったから登校したんだ、そしたら急にここに飛ばされちゃってさ、扉開けてすぐにここに来たからびっくりして逃げちゃったんだよね」

「笹谷だ。それで見つかってここに来るように言われたのか、おーいみんなー、神裂がいたぞー!」


 おお、わざわざ集める必要がなくなったな、いい仕事をしたな笹野。笹野じゃなくて笹谷だ。名前聞いて思い出したわ。

 笹谷は委員長だからみんな集まってくれるだろう、信頼されてる人間は違うねぇ。


「久しぶりー」

「となると、ピッタリ40人か。ペアとか作るのが楽になったな」


 意外と冷静だなこいつら、まあ俺なんかに興味は無いか。

 地味な自分ってどんな感じだったっけか、昔の自分昔の自分……ああ、なんとなく気持ち悪い愛想笑いを浮かべてたな、それでいこう。


「一応兵士さんに話は聞いたから説明は大丈夫だよ、確か能力を調べるからここで待機してるんだよね?」

「おう、多分もうすぐ来ると思う」


 これで全員に同じ境遇だと思われてることになる。

 今更こいつらを騙したところで悪と思う気持ちは一ミリも湧いてこないので騙しに騙し抜いてやる。


 カツンカツンと何かを地面につく音。

 階段を降りてきたのは赤黒い髪の毛の長身のいけ好かないクソイケメン。あれがリビアルか?


「お待たせしました。おや、見ない顔が居ますが」

「神裂雄人です、突然の召喚に驚いてしまい隠れていました、お許しください」


 ああああああああ!! 敬語使いたくない! こいつに敬語を使う度に全身に鳥肌が立つ。トリユウトだ。マジチキン。


「ふっ、まあいい、大目に見てやろう。では君たちの能力を調べさせてもらう。適当に並べ」


 兵士が何かを覆っていた布を取り外す。すると、青いクリスタルが沢山つけられた装置が現れた。

 見たことない道具だな、あれで能力がわかるのか?

 俺の時はクソ神様(仮)に教えてもらったからちょっとよくわからない。


「順番に手で触れろ」

「俺から行くぜ」

「あ、次私〜」


 ピアス付けてるチャラいやつが先陣を切った。

 あいつ誰だ、ダメだわからん、チャラ男くんって呼ぼう。

 チャラ男くんがクリスタルに触れるとそのクリスタルが青く光る。その光は別のクリスタルに伸び、さらに別のクリスタルへ、次々に光っていくクリスタル。

 そして奥にある本を照らした。


 本はペラペラとめくれながら空中に青い半透明な文字を浮かび上がらせた。なにあれすごい。

 なになに……ファイアマスター、炎を操れる能力か。どんな能力なのかは知らないがどうせチートだろ。

 クラスの連中はライ文字が読めないので意味もわからず頭上にハテナを浮かべてる。


「ファイアマスターだ」

「おおお! かっけぇんじゃない!?」


 男の子はそういうの好きよね。でもパラメーターとかこの世界にないから強さわかんねぇな。

 いや、パラメーターあったら俺が大変なことになるんだけども。


 っと、その次の女も調べてるな。

 ブリザードマスター、あーはいはい、氷魔法ね。

 とまあこんな風に次々に能力がわかっていくのだが、ハズレっぽい能力もあるようだ。

 ハイスピードムーブメント、高速移動だな、そこまで強くない。てか俺の風魔法の方が早い。

 あ、俺の番だ。


「神裂、早くしろよ」

「は、はい」


 催促してくるやつを心の中で睨みつつクリスタルに手を当てる。

 本がペラペラとめくれ、文字が浮かび……浮かび上が……なんか文字が暴走してない? 関係なさそうな文字まで飛び交ってない?

 あ、わかったぞ。これ別の世界で手に入れた能力が邪魔してるんだ。一瞬止まった文字とかあれ絶対念動力だろ。


「む、不調か?」

「多分そうかと」


 不調じゃないんだよなぁ……っと、やっと浮かび上がった。

 『ハイグロウス』

 えー意味、早い成長。


 はいクソ、クソスキルですわ。何が早い成長だよ魔王倒すのに何年かかったと思ってんだよ。

 今から成長スキルで成長しても大魔王との戦いなんて無理だと思われてるよこれ。


「ふむ、ハイグロウスだ。意味は成長、まあまあだな」

「はあ、ありがとうございます」

「お、成長か! 地味だけどいい感じだな!」


 ハズレスキルとはいえまだ使える方らしい。

 問題は能力じゃなくて魔法の才能だ、初めから魔力が高ければ即戦力だが、低ければゴミだ。


「では今すぐ能力を使える人は壁に向かって使ってみてください、使えない人は魔力弾を出してください」

「はい!」

「よーし!」


 俺の場合は魔力弾か。

 誰が最初にやる? 誰か最初にやれよ、召喚者の魔力の強さなんてわかんねぇよ。


「そこの君、能力は成長だったね? 魔力弾を出してみなさい」

「どうやればいいんですか?」

「こう、身体の中にある魔力を丸い球体に変換して撃ち出すんだ」


 説明下手くそか、まあ俺も下手くそだが。

 どのくらいの弾がいいのだろうか、ブルーくらいの? でも天才だと思われるのもなぁ、普通くらいがいい。

 普通に、普通に……。


「はぁっ!」


 ドシュッと手から魔力弾が飛び出る。

 これはなかなか普通くらいなんじゃないか?


「次」


 え、感想ないの!? 驚かれてないってことは普通くらいか、うん、普通くらいだ。


「いきまーす!」


 頭にカチューシャを付けた女の子が前に出てくる。

 こいつの能力は、確か……『ブラッドエクスペリエンス』意味は血の成長。

 中二病心を刺激する能力だ。なんかスタンドみたいな名前だな。

 俺だって今も中二病だ、中二病でも戦闘がしたい。


 俺と同じように手に魔力をためて……発射!


 ズガガガガガガガッっと強く速い弾が発射される。え、強くね? もっかい言わせてもらうけど強くね?

 普通にイアレベルだろこれ、なんで連射してんだよ、なんで連射してこんだけ強いんだよ。

 あれ見たあとだと俺ゴミじゃん。


「おお! 素晴らしい!」


 だよね、この子が天才なだけだよね。


「次は俺だ!」


 お、名前忘れたけどキョロ充くんじゃん。

 こいつはそこまで才能無さそうだな、能力もパッとしなかったし。


 ズガガガガガガガッ……。


 泣きそう。その次の人も次の人も同じように連射と超スピードの超攻撃力の暴力。

 弱い人もいたが、俺みたいな弾の人は誰一人としていなかった。あれくらいが普通らしい。

 クラス転移ってこんなにチート多いのかよ。俺が落ちこぼれみたいじゃん、みんなが冷めた目で俺を見てくるよ。


「それでは班に分かれてもらう、今ので冒険者ランクはある程度決めさせてもらった」


 ああ、班決めか。名前を聞くだけで寒気がする。

 吐き気を催す邪悪とはこのことか。

 最弱扱いで班決め、俺はこの先どのようなことをされるのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ