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人間の三大睡眠欲

 窓から入る光に照らされ、俺は目を覚ました。

 外でまず日本にはいないであろう鳴き声の鳥がさえずっている。

 俺は欠伸をしながら身体を伸ばす。


「ふぁ〜……ん? んん?」


 朝にしては空が明るすぎる。

 俺は窓から体を乗り出し、太陽を探す。


 正面、左右、探したが見つからず。


「えーっと……あ? あ!」


 そして、上。

 太陽は、今まさに沈み始めるタイミングだった。

 つまり、十二時ジャスト、てっぺん登っちゃった。


「寝すぎて眠いな」


 眠いから寝たのに寝すぎて眠くなることってあるよね、クソどうでもいいな。


 なんてこと言ってる場合じゃない。

 昨日酒を飲みすぎたか。俺が少し飲みすぎたと感じるほどだ。他の者達はこうはいかないだろう。

 寝室を出て隣のミントの部屋に入る。

 飲みすぎで倒れていたら大変だ。


「ミント!」

「すぅ……すぅ……」


 案の定寝てやがる。

 お前は俺を起こす役だろうよ、立場が逆になっちまったな、起こしてやるか。


「起きろー」

「んふふー、ユウト……」


 どんな夢見てんだこいつ、なんで俺が登場すんだよ。

 実は起きてるんじゃねぇの?


 今度は体を揺すりながら声をかける。

 やましい気持ちはございません、あっ、柔らかい。


「ミント、朝だぞ。昼だけど」

「みゅ……? ぁ……ユウト?」


 みゅって、未確認生物かよ。

 そんな鳴き声の動物いそうだよね。


「おう、水を顔にかけなかった優しさに惚れろ」


 さすがの俺でも寝ている女の子の顔に水をかけたりしないさ、嫌いな奴ならするかもだけど。


「ユウトだぁ、さわれるー」

「まだ夢見てんのか!?」


 ミントがベッドから出て俺の体を這い登ってくる。

 抱きつくな抱きつくな。


「ユウト……夢だし、いいよね?」

「よくねぇよ」


 俺はミントの顔に水をかけた。

 手から出た水は容赦なくミントの顔を濡らす。


「うわっぷ」

「馬鹿なことしてねぇで他の奴らも起こすぞ」


 ミントは目が覚めたのか辺りをキョロキョロ見回し、よだれを垂らす。

 汚い汚い、俺の服で拭くな、ダジャレじゃないぞ。


「あ、あれ? 私何やってたの? なんでユウトが目の前にいるの?」

「寝てたんだ、俺が起こした、以上」

「そうだっけ……なんか夢も見てた気が……」


 思い出さなくていい。


 そしてソウル、アイアス、ムーンを起こした俺たちは宴の間(という名前らしい)に向かう。


「あの起こし方はないでしょうよ」

「そうでもしねぇと起きなさそうだったんだ、許せ」

「だからって海の真ん中に転移魔法はないでしょ!?」


 ソウルの首根っこを掴み、俺は海の真ん中に転移したのだ。

 朝起きたら宙に浮いていて、周りに何もない、恐怖以外の何物でもないな。


「二日分の疲れが出ちゃったね」

「いっぱい寝た」

「アイアスが一番酔ってたよな」

「え!? あたし!?」


 そりゃそうだろ、髪の色と顔の色が同じに見えたくらいには酔ってたぞ。

 ソウルは兵士に気に入られていじり倒されてたし、ムーンはピース王と国の話してるし、みんな色々な理由で疲れが溜まっていた、寝坊も仕方ないさ。

 牧場ゲームでも疲労が溜まった状態で寝ると寝坊するしな。


 宴の間に行くと、既にピース王や兵士さんたちが椅子に座っていた。


「おお、起きたか」

「すみません、寝てました」

「気にするな、私たちも来たところだ」


 お前らも寝てたんじゃねぇか。

 みんな酒が入ってたからな、俺が起きてソウルとかを起こしているあいだに起きたのだろう。


「それで、今日も騒ぐんですか?」

「いや、雨も上がったし、今日は温泉ツアーだ」

「温泉ツアー?」

「温泉ツアー!!!!」


 うっせ、なんだミントか。

 よかったな、温泉は入れるぞ。


「夜桜という旅館があってな、そこにみんなで入りに行こうということになっているんだ。あそこはいいぞぉ、色んな種類の温泉がある」

「色んな種類の!?」

「ほぉ」


 さんざん待たされたんだ、全部の温泉制覇してやる。

 ミントも同じ気持ちだろう。


「皆の者! 今日は温泉巡りだ!」

「うおおおおおおおおおおお!!!」


 こいつらはいつ疲れるんだ。


「なあユウト、一緒に入ろうぜ」

「温泉が目的だしな」


 温泉入るためにここに来てるんだし、楽しまなきゃ損だ。

 終わったら帰ろうな、すぐ帰ろうな。そんで魔大陸行こうな。


「今日は向こうの宿に泊まる、それで宴は終了だ」


 よかった、三日で終わった。


「遂に温泉だ! やったー!」

「上機嫌だな」

「そりゃそうだって! 温泉だよ!?」


 お風呂大好きか、俺も好きだけど。

 旅の途中にわざわざ俺に浴槽作らせてお風呂に入るくらいだもんな、そりゃ好きか。

 あの頃が懐かしく感じるな、少し前なのに。


 さあ、温泉巡りの始まりだ。

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