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出発日決定

 長く考察して、なんとなく分かったことがある。

 忘れてしまった夢は予知夢だ。

 今から一週間以内に、王様の言っていた嫌な予感というものが起こるのだろう。


 ザンとイアが危ない。と、思ったが、ここから魔大陸までは五日というところだろう。

 なら移動中に事件が起こると考えていい。

 つーわけで、俺達が東大陸に行って帰ってくるまでの時間はあるわけだ。

 どうせ東大陸の次は魔大陸に行く予定だったし、事件が起こってから行けばいいよね。

 じゃあ予定通り東大陸に行こう。


 さて、問題はここからだ。

 俺は今、大きなクッションの上で美少女に挟まれながら寝ている。

 傍から見たら爆発しろやコノヤローって思うだろう、頼む、誰か変わってくれ。

 動けば痴漢になるし、なんか柔らかいものが当たってるし。

 いくら880歳とはいえ男の子、見た目が17歳に戻るついでに性欲も戻されるのだ。

 性欲が戻らなければあんなことにはならなかったのにな……


「ふぁぁ……んん〜? ありゃりゃ、ユウトさんさすがですな」


 アイアスが起きてくれた。

 やっと解放されるのか、助けてくれ。


「うるせぇ、助けろ」

「いいねぇ、美少女二人に抱きつかれながら寝る、全男子の憧れだ」


 こんなのが憧れだった昔の俺をぶん殴ってやりたい。

 なんだよこれ、手を出す気にもなれずにモヤモヤするだけだぞ。


「感想は?」

「最悪」


 嘘です、最高です。

 今回わかったことといえばミントが着痩せするタイプだということくらいだ。

 意外とあるのね。

 イアは色気で攻めるタイプだが、俺には色気なんか効かない、kawaiiで勝負しないと俺を落とすことは出来ない。


「もうちょっと見てたいけど、可哀想だし助けてやるよォ!」

「おう、そのテンションはわからんが。恩に着る」

「後でなんかサービスしてね」


 サービスって……そうだな、料理でも作るか。


「おーい、起きろ」


 アイアスがソウルの顔をベチベチとはたく。

 往復ビンタみたいだ、めざましビンタだな。


「いって! な、なに?」

「おはようございます」

「う、うん。おはよ……ってユウト! おまっ、なんてうらやまけしからんことを!」

「俺からやったことじゃない」


 みんなが起きたからミントたちも離れるだろう。


「おい、もう結構経っただろ。そろそろ離れてくれ」

「んー、しょうがないにゃー」

「仕方ないですねぇ」


 ミントが壊れたんだが。

 猫か、猫なのか。

 お、ようやく離れたか、これで立てる。


「んんーーー! だぁ」


 背伸びすると変な声出るよね。

 みんな起きたな、ムーンはまだ寝てるか。

 ムーン以外は起きて……あれ? ザンは?


「ザンは?」

「私が起きた時にはいなかったよ?」


 そういや俺が起こされた時にも居なかったな。

 一体どこほっつき歩いてんだ。

 探すのもめんどくさいので、ムーンを起こす。


「ムーン、起きろー」

「すぴー……」


 声をかけても起きないので、軽く揺すってみたが、一向に起きる気配はない。


「お、ユウトくんやっと起きたね」


 ガチャっとドアが開き、出てきたのは白髪の男、王様だ。


「ムーンが起きないんですが」

「ムーンはこうなるとしばらく起きないからね。それよりユウトくん、みんなを集めて出発日を決めようと思うんだけど……」


 出発日か、俺的には明日でいい。

 さっさと終わらせてゆっくりしたい。


「わかりました、移動します?」

「ああ、会議室があるからそこに行こう」


 俺たちは王様に連れられて会議室に移動するのだった。

 ちなみに、ザンは部屋を出た先の廊下で筋トレしていた。


* * *


 会議室、大きな白い机に白い椅子が沢山置かれている部屋だ。

 そんな部屋で、俺たちは今から日程を決める。

 ザンとイアは魔大陸合宿の説明を聞くことになる。


「それじゃあ、ザンとイアには魔大陸でやってもらうことを詳しく説明するね」

「何をするんだぜ?」

「向こうの大陸には魔族がいるのは知ってるね?」

「悪魔だったり、スライムだったりですよね? 魔族はみんな人間より強いんです。本で見ました」


 スライムは二種類いて、魔族の人形スライムと魔物の液体スライムの二つが存在する。

 魔族のスライムは割と交友的だから心配しなくても大丈夫。


「南魔大陸。ボヘームはね、いろんな種族の魔族と人間が一緒に過ごしている街なんだ」

「戦争反対の魔族がそこに集まったりする、と」

「ああ、だからボヘームの魔族は交友的な人が多いんだ」


 人ではないかな。


「そこで、その魔族の元で修行をしてほしいんだよ」

「例えばどんなことをするんだぜ?」

「向こうにも剣士や魔法使いはいるからね、強い魔族を見つけて弟子入りするとかはどうだろう」


 いいなそれ、マールボロ最強の剣士と魔法使いが魔族に弟子入りとか、魔族の株バク上がりだぞ。


「面白いですね、イアはそれでいいですよ」

「俺もいいぜ」


 あっさり決まったな。


「よしよし、それで、出発日だね。ユウトくんが東大陸に行く日と同じ日にしたいんだけど……どう?」

「お前らはいつがいい?」

「うーん、どうしようかなぁ」


 ミントは迷っているようだ、その振り子を片方に倒してやろう。


「俺的には早く温泉に行ってみたいなーって」

「明日!」

「よし、お前ら明日でいい?」


 今出せる最高の笑顔で言ってやった。

 ソウルは顎に手を当てて考えている。


「えー、もうちょっと休もうよ」

「温泉に入れば疲れも取れるよ!!!」

「そうだそうだ、温泉は凄いんだぞ。で、アイアスは?」


 眠そうにしていたアイアスにふる。


「んあ? あたしはいつでもいいよ」

「……まあ僕も温泉入りたいし、いいよ、明日で」


 決まりだな。

 あとは魔大陸組だ。


「ザンくんとイアちゃんは明日で平気かな?」

「どうせ俺らはスピードホースで移動なんだからそれでいいぜ」

「イアも明日で平気ですよ。移動長くなりそうだなぁ」


 ピンクと青は移動の長さにため息をついた。


「決まりだね、じゃあ各自明日の出発に向けて準備をするように。ムーンには後で伝えておくよ」

「明日の朝に城まで迎えに行きますね」

「うん、お願いね」


 明日、明日俺たちは東大陸に行くのか。

 とても楽しみである、特に温泉と料理。

 明日のスケジュールを考えながら、俺たちは酒場まで帰ったのだった。

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