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はじめての飛行魔法、パンツ

 道具屋を出た俺たちは、レッドたちの家まで行き、挨拶をしていくことにした。

 三人を広場まで呼び出す。

 武器についても教えなくてはならない。


「ユウトさん、もう行っちゃうんですか?」

「そんなに長居する予定はなかったからな」

「そうですか……」


 全員がしょんぼりした顔をする。

 どうせ数日経ったらまたここに遊びに来るんだから残念がることないだろ。


「でだな、お前らに渡す武器についてだが……」

「くれるんですか!?」

「お前らじゃまだ使いこなせねぇよ。そこに石があるだろ?」


 先程作った台座を指さす。


「気になってました、なんですかあれ?」

「魔重石っていう魔力が強ければ軽くなる石なんだが……まあなんだ、あれを1分間持てたら武器を渡してもいい。正直お前らの才能はずば抜けてるからな、持てる頃には渡すに値する力がついてんだろ」


 今持っても1ミリも動かないけどな。


「やってみていいですか?」

「おう、やってみろ」


 レッドが台座の前に立ち、取っ手を掴む。


「う、うおおおおおおおおお……うん」


 何かを察したようだ。

 その後もグリーンやブルーも石を持ち上げようとするが、ピクリとも動かない。


「イアもやってみていいですかぁ?」

「お前なら持ち上がるかもな」


 イアも台座の前に立ち、取っ手を掴む。

 そして力を込めて持ち上げる。


「そぉい!」

「おお……」


 持ち上がった。

 さすがはイアだ、世界最強の魔法使いというだけある。


「も、もう無理……」


 イアは石を台座に勢いよく叩きつける。

 ゆっくり置きなさい、貴重な石なんですよ。


「イアさんでもギリギリじゃないですか!」

「落ち着けブルー。大丈夫だ、お前らならいつか持ち上げられる」


 あの武器を使いこなせるようになるには最低でもイアくらいの実力は必要だ。

 だからこのくらいで丁度いい、数年後こいつらがこの武器を持ってこの大陸を守ると信じてる。


「さて、俺たちはもう行きますかね」

「ふぐううううううう!! はぁ……あれ? もう行くの?」

「今のお前じゃ絶対持ち上がらないからな」


 覚醒してないソウルが石を持ち上げられるとか大問題だ。

 この世界の魔力がインフレしてしまう。


「おお、もう行くのか」


 背後から声が聞こえてきた。


「じぃさんか。あ、そうだ、ミント連れていくことになったからそこんとこよろしく」

「駆け落ちかの?」

「ちげーよ」


 じじいの発想どうなってんだ。


「西大陸に行くことになってな、いや行くことにはなってないんだが……行く予定なんだ。それでミントが行きたいって騒ぎ出してな」

「騒いでないよ!」

「なら仕方ないの」

「仕方ないんだ!?」


 ミントがソウルみたいになってる……やめて、ああはならないで。


 じぃさんとの会話も終わり、他の村人たちにも挨拶を済ませてきた。

 あとは帰るだけだ。


「じゃあなみんな! またそのうちくるから!」

「帰ってきた時が楽しみですな」


 キウィさんがなにやら意味深なことを言っていたが無視。

 まだ昼なんだよな、帰ってもすることないし……

 あ、そうだ。

 飛ぶ練習をしよう、確か海沿いに進めば南の港があったはずだ。


「あのさ、俺港行ってみたいんだけど、いい?」

「港……なんで?」

「ミントとソウルの飛行練習、ついでに転移先を増やしたい」

「僕もかよ!?」


 お前酔っちゃうじゃん。


「お前らは?」

「行きます」

「行くぜ」

「あたし眠いから盾になってていい?」


 みんな大丈夫みたいだな。

 アイアスは仕方ないか、昨日までだらけた生活送ってたわけだし。


* * *


 村を離れ、川にかかっている橋まで歩いてきた。

 アイアスは既に俺の背中でお昼寝タイムだ。


 さっそく飛ぼう。

 全員に飛行魔法を付与して宙に浮く。


「ほらミント、飛んでみろ」

「と、飛べるの……?」

「飛べる飛べる」


 ザンとソウルは飛び方を知っているので、既にくるくる回りながら遊んでいる。

 イアも初めてにしては上手く飛べてるな、バランス感覚がいいんだろうな。


「私なんかが飛べるのかな……」

「ソウルでも飛べるんだぞ、だから大丈夫だ」

「そっか……よし! やってみるよ!」

「待って、なんで僕が馬鹿にされてるの?」


 よしその意気だ、やってみれば案外簡単に飛べるもんなんだから。

 例えるなら自転車の補助輪を外す時みたいな感じ。


「よいしょー! わぁっ!」


 掛け声とともにバンっと身体を浮かせたミントはそのまま逆さになり、頭が下を向いた状態でホバリングしていた。


「みっ、見ないで!」


 逆さまになったミントは顔を赤らめながら必死にスカートを抑えていた。

 白か、それも双葉の刺繍が付いた白。


 案ずるな娘よ、パンツごときで俺が動揺するわけがなかろう。

 いや、ちょっと動揺したけども。


「焦らず、細かく身体を浮かせれば安定するぞ」

「僕の時にそれ言ってよ!?」


 お前は勝手に飛んだんだろ、ガタガタになりながらも飛べてたから言わなかっただけだ。


「や、やった! できたよユウト!」

「おめでと、じゃあそのまま南に飛ぶぞ」


 俺はすいーっと飛びながら港を目指す。

 港といえばなんだろうか。

 やはり魚介系だろう、貝とか取れるのかな。

 珍しい魚とかいたら買いたいな、なんて思いながらミントに合わせてスピードを徐々に上げていく。

 1日は長いぞ。

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