表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/125

未来への布石

 三番勝負も終わり、皆木陰で休憩している。

 俺は成長した三人について考えていた。


 まずブルー、凄まじい才能だ。

 その中でも連射の才能がずば抜けている。

 だが得意な魔法に威力が偏っているのが考えものだ。

 得意な魔法は水、氷だ。

 氷の弾の連射は強力な武器になるだろう。


 次にグリーン、こいつも才能はあるが、体が自分の魔法についていけていない。

 ソウルの話によると、最初の加速と最後の加速の差が大きかったらしい。

 追い込まれるほど強くなるタイプ、か。

 ただ、その追い込まれた時が体力の限界に近い時というのは考えものだ。


 そしてレッド、成長はしているが、決定的な何かが足りない。

 大器晩成型なのは確かだが、二人に比べて能力が劣っているように感じる。

 何より大きいのは、その勇気だ。

 どんなに強大な敵が相手でも立ち向かえる勇気。

 勇者、というのが正しいだろう。

 ブルーとグリーンの成長速度に心が折れなければ、きっと才能が芽吹くはずだ。


「グリーン、動けるか?」

「な、なんとか……」


 グリーンはふらふらと立ち上がりながらそう答えた。

 無理は……してなさそうだな。


「ねえねえユウトさん」

「なんだいアイアスくん」


 変なテンションで絡んできたから同じテンションで答えてやった。


「あたしね、今日何もしてない気がするの」

「そうだね、でも何もしてない方が楽だろ?」

「暇すぎるのも嫌なのよ!!」

「めんどくさい奴だな」


 立ち上がろうとした俺にアイアスがしがみついてくる。

 胸が当たってますよ。


「むぅ……」


 なんでミントはムスッとしてんだ。

 あれか、大きい胸に嫉妬してるのか。

 心配するな、お前も小さくはない。ムーンと比べたら巨乳だ。


「アイアス、離れろ」

「なんで!? せっかく当ててたのに!」


 わざとかよ。

 当ててんのよ、ってやつか?


「俺に色仕掛けが効かないのは知ってるだろ。俺はしつこい女は嫌いだぞ」

「変態なユウトさんは貧乳が好きなんですよねー?」

「貧乳……」


 巨乳に反応しないやつが貧乳好きと決めつけるのはいけないと思うよ。

 まあ俺はおっぱい星人じゃないから、どっちも興味はないんですけども?

 何考えてんだ俺。


「胸で人の好き嫌い分かれるやつなんかろくな奴いないだろ」

「ユウトさんかっこいいっす!」

「レッドには剣渡さねぇから」

「ええええええええ!?」


 いやマジで、俺の気が変わらないように媚び売っといた方がいいぞ。

 渡す剣のランクも変わるからな。

 まあ、もう既に渡す剣は決めてるけど。


「ユウトって……僕達と同じくらいの歳だよね?」

「880歳だ」

「マジかよ!? でも考えてみれば850年前の英雄なんだからその歳なのもありえるわけで……」


 ソウルは無い頭でひたすら考えている。

 知恵熱出るぞ。


「一旦村に戻るぞ、疲れたし」

「あんた疲れるようなことしてないでしょ!?」


 何言ってんだ、俺だって結構働いたんだからな。

 例えば……石投げたり、石投げたり……石投げたりしたぞ!


* * *


 グリーンがゆっくり歩くことしかできないので、少し時間がかかってしまった。

 でもまあ、帰ってきた、小麦村に。


「おおユウト、元気してたかの」

「ようじぃさん、髪切った?」

「変わっとらんな」


 どこで判断してんだ。


「あーそうだ。じいさん、このあと話あるから時間空けといてくれ」

「む? まあええわい。それにしても遅かったの、お主ら何をしてたんじゃ?」

「レッドたちが英雄の子孫と戦ってた」

「パワーワード過ぎるでしょ」


 ミントがツッコミを入れる。

 懐かしいこの感覚、お前となら漫才師になれる気がする。

 ちょっと何言ってるか分かんない。


「要するに馬鹿なことしてたんじゃろ」

「そゆこと」


 なんてわかりやすい翻訳だ。

 俺の言葉外国語なのかよ。

 正確には解釈な。


「お前ら先にミントの家で休んでていいぞ、キウィさんの事だからきっと入れてくれるだろ」

「大丈夫だと思うけど、ユウトは?」

「村長とちょっと話をするだけだ、すぐ行く」

「……わかった、みんな行こー!」


 ミントは他のみんなを連れて道具屋に入っていった。

 大事な話をするってわかったんだな。


「……行ったか」

「して、なんの話しじゃ?」

「実はさ、レッドとブルーとグリーンに渡す武器を預かってほしいんだよ」

「武器、とな?」


 武器、俺がために貯めた質のいい鉱石や木材を加工して作った剣と杖。

 俺は魔袋から剣二本と杖一本を取り出し、村長に見せる。


 それぞれ少し改造してある。

 レッド用に力の入れやすい重さにした紅い宝石の剣。

 グリーン用に軽さと斬れ味重視の翠の宝石の剣。

 ブルー用に魔力消費を抑えた蒼い宝石の杖。

 全ての武器が薄く、光を通している。

 半透明の武器は陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。


「名前は決めてないけど、俺が作った武器だ。質はこの世界のどんな武器にも負けねぇ」

「ほほう、ではこの武器をあの子らに渡せばいいのじゃな?」

「いや、渡すのはまだ先だ。そうだな……この石を持ち上げられるようになったら渡してくれ」


 そういいながら武器を地面に置き、魔袋から真っ黒い石に金属の枠が取り付けられ、さらに取っ手がついた道具を取り出した。


「この石はなんじゃ?」

「魔重石だ。持った本人の魔力によって重さが変わる」


 魔力が多いほど軽くなり、少なければ重くなる。

 俺からしてみればただの石だがな。


「ふむ、了解したぞ。わしの家の倉庫に置こう」

「魔重石は広場にでも置くか、毎回倉庫に行ってたら武器がバレちまう」


 俺は錬成魔法で石の台座を作り、魔重石を置く。

 なんかシンボルっぽいな。


「さて、さっさと置いてみんなのところに戻りますかー」


 村長の家の倉庫に武器を置き、俺は緑の道具屋に向かったのだった。

サブタイトルの形式がまた変わりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ