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-失われた星は悲しく輝く-

《登場人物》


渡辺わたなべ 楓太ふうた

主人公。現在中学2年生で『過去を行き来する力』を持っている。


山本やまもと 翔馬しょうま

中学2年生。『力』について研究している。

『未来を見る力』を持っている。


高崎たかざき ことり

中学2年生。楓太の元カノで田中の彼女。


遠野とおの 真結まゆ

中学2年生。山本の研究の手助けをするボーイッシュな女の子。

『未来を変える力』を持っている。


椎名しいな 明日葉あすは

中学2年生。山本の研究の手助けをする敬語が特徴の真面目そうな女の子。

『過去と未来の人たちの声を聞く力』を持っている。


田中たなか 健太けんた

中学2年生。ことりの彼氏で何らかの『力』を持っていると思われる。


澤野さわの 未来みく

楓太の幼馴染み。小学3年生の時にトラックに撥ねられて死んだはずが、楓太の夢の中に現れる。

 

「ねぇ、さっきの話どーゆーこと?『力』って何?」


 ことりの問いただすような言葉。


「ことりには関係ない。」


 俺は冷たく返す。


「そっか・・・そ〜だよね・・・」


 ことりは俯いたままどこかへ歩いて行ってしまった。




 山本の真実、真結と明日葉と出会った次の日の放課後、俺はいきなりことりに呼び出された。

 俺は言われるがままに近くの公園を集合場所にして、予定より早くその場所で待っていた。

 辺りはだんだんと暗くなって、カラスが帰れと言わんばかりに鳴いていた。


「ごめん、待たせた・・・?」


 そこからは突然ことりが真剣な表情になり、俺を質問攻めにした。

 けれど、俺は黙秘を続けた。

 しばらくするとことりは無理だと悟ったらしく、帰っていった。

 俺は一体何がしたかったのだろうか。

 自分に問うてみるが、もちろん答えなんて返ってこなかった。




「うーむ・・・」


 土曜日の朝、俺たちは早くから研究室に集まっていた。

 山本は何かを考えながらレポートを見ている。

 真結と明日葉は・・・研究室でゲームをしている。

 一体何をしたいんだこいつら・・・

 そんな事を考える俺もゲームをしているのだが・・・


「ねぇ、真結と山本の『力』を合わせたら、自分の好きなように未来を変えれるんじゃない?」


 俺は突然にそー思った。


「あー。それね。俺もそー思ったんだけど無理だったわ。」


「どーして?」


「『力』が使える日が合わないんだよ。」


「は?」


「だからー、『力』を使えるのは1日に1人だけなんだよ。」


「なるほど。合わせるのは無理って事か。」


「ま、そーなるよね〜。」


「俺たちの学校に『力』を持ってる人は何人いそう?」


「それなんだけどね、たぶん楓太が目の敵に思ってる田中とか言うやつも持ってると思うよ。」


「え・・・!?」


「だっておかしいじゃんか。あんなに楓太を溺愛してたことりちゃんがあんなにころんといくなんて。」


「確かにそーかもしれないけど・・・」


「てことは中々面白い『力』を持ってそーだね。」


「ねぇねぇ、ことりちゃんって誰よー?」


「ですです。気になるのです。」


 ゲームをしていたはずの2人がいきなり出てきた。


「楓太の元カノだよー。かわいいぞー。」


「っ!うっせーこれ以上言うなバカ野郎!」


「うっへへーい。」


 相変わらず頭の中まで楽しそうなやつだ。


「へー。また隠れて見てみよーっと。」


「真結さん、私も行くのです。」


「おい、お前らもやめろよ。」


「「うっへへーい」」


 どーやら山本のアホさは移るみたいだ。気をつけよう。




 翌日の日曜日は特に活動は無かったが、メールで明日葉から呼び出された。

 買い物に付き合って欲しいそーなのだが、なぜ俺なのだろうか。

 待ち合わせ場所の公園でそんなことを考えていると、


「お待たせしました、楓太さん。それでは行きましょうか!」


 白色のワンピースを着た明日葉は満面の笑みでそー言った。




「それにしても、どーして真結じゃなくて俺を誘ったんだ?」


「それは・・・」


「それは・・・?」


 少し期待してしまう。

 だけど、世の中そんなに上手くいくものではない。


「見ての通り、真結さんのセンスが絶望的だからです。」


 やっぱりねー。

 確かに真結はいつもぶかぶかの服を着ている。

 男っぽいしなぁ。


「ということで、今回は楓太さんのお手並み拝見と言ったところですかね。」


「俺もセンスは絶望的だと思うんだけど・・・」


 なんといったって俺も真結と同じような服装の時が多い。

 デートでも無い限り服はてきとうに決めている。

 3時間ほどデパートを歩いて、ようやく買い物が終わった。

 久しぶりに長く買い物をしたので足が疲れてしまった。

 明日葉は病弱そうな見た目に反して、まだピンピンしている。


「楓太さん、もー疲れたのですか?今日はまだこれからですよ!」


「まじか・・・まぁ、頑張るさ。」


 その後、なぜか遊園地に連れて行かれた俺は、明日葉によってジェットコースターやコーヒーカップに乗せられ、クタクタになってしまった。


「は、吐きそう・・・」


「楓太さんもまだまだですね!」


「逆にあれに耐えれる方がおかしいよ・・・」


「では、辺りも暗くなってきた事ですし、最後に観覧車なんてどーですか?」


「あ、あぁ。酔わない乗り物なら大丈夫だ・・・うっぷ」


「あわわ!は、吐くならトイレに行ってくださーい!」


 トイレでスッキリした俺は、そのまま明日葉と観覧車に乗った。


「綺麗ですね。」


「あぁ、綺麗だね。」


「実はですね。」


「ん?」


「私は両親がいないのです。」


「え・・・」


「両親は私が3年生の頃に事故で亡くなりました。『力』に目覚めたのもその頃だと思います。」


「そーだったんだ。」


「あ、なんだか暗い話をしてごめんなさい!」


「大丈夫だよ。俺も小さい頃に幼馴染みを亡くしたんだ。」


「そーなのですか。なんだか、似てますね、私たち。」


「あぁ、かもしれないな。」


「少し目を瞑ってください。」


「ん、あ、わかった。」


 いきなりの明日葉からのお願いに俺は素直に目を閉じた。


「!?」


 目を開くと、恥ずかしそうに俯く明日葉がいた。


「いきなりキスなんておかしいですよね・・・。」


 そー。いきなりキスをされたのだ。


「ど、どーしたんだ・・・?」


「な、なんにもありませんっ!」


「そ、そーか。」


「いつかちゃんと伝えますから・・・」


「ん?何か言った?」


「なんにもありませんってばー!」


 女の子はやっぱり不思議な生き物だと改めて思った。




「今日は中々しんどかったな。」


 俺は自室のベッドに寝転がりながら呟いた。

 散々歩き回った足はもー動きそうにない。

 頭の中もジェットコースターとコーヒーカップにかき回された気分だった。

 それに明日葉の事も・・・。

 彼女にも彼女の世界があるのだろう。

 きっとみんな寂しいのだ。

 俺だって例外じゃない。

 ことりにフラれて以来、心のどこかにぽっかりと穴が空いたような感じがする。

 明日葉にもそんなものがあるから、あんな行動に出たのだろう。

 ただ、俯いている顔はとてもかわいく、庇護感をそそられた。

 俺は一体何を考えているんだ、と思って目を閉じる。


 今日も星は輝いていた。


第8話です!


人物紹介をつけてみました!

山本くんも名前があるのです。


この先楓太に襲いかかる試練はどーなるのか!


次話もできるだけ早めに投稿したいです!


これからもよろしくお願いします!

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