-仲間の星は力を合わせて輝く-
「もし俺が時間を行き来してるって言ったら信じる?」
山本はそー言って少し笑って見せた。
5時間目の国語の時間、先生の説明を聞かずに俺はずっと考えていた。
山本も俺と同じように時間を行き来できるとしたら、どーなってしまうのだろうか、と。
山本が時間を操ってでも変えたい事は何なのだろうか。
気になって仕方がない。
山本が過去を変えたとしたら、俺たちの関係を壊す事もできるだろう。
俺か山本が少しでも間違えると、そんな事が起こりうるのだ。
問題はそれだけではない。
俺は時間を戻すためのトリガーがいまいちわかっていない。
真っ暗な世界にある数字に触れればいい、ということはわかっているのだが、なぜその世界に飛んでしまうのかがわからないのだ。
俺はあの世界で死んでしまったはずの未来に会った。
未来はあの世界の事を知っているような口振りだったし・・・
そこで俺は閃いた。
簡単な事だ。
次にあの世界に行った時に未来に聞けばいいのだ。
教えてくれるか曖昧だが、きっと教えてくれるはずだ。
対して山本は同じ世界を見ているのか。
あの世界で死んでしまった大切な人と会ったのか。
これも本人に聞けばわかる話だが、あまり聞かない方がいいのかもしれない。
俺と山本の持つ『時間を行き来する力』は未だに謎が多い。
宇宙人などを信じない俺にとっては実感すら湧いていない。
山本はどこまで力の事を知っているのだろうか。
そんな事を考えている内に5時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
放課後、俺は山本に話を聞きに行った。
「山本。お前はどこまで力の事を・・・?」
「その言い方からすると、楓太も同じ事ができるみたいだね。」
「あぁ。」
「まぁ、俺は詳しいよ。」
「なっ・・・!」
「もー思い出したみたいだけど、楓太から未来ちゃんの記憶消したの俺だしね?」
「お前が・・・?」
「そーだよ。あの子厄介だったから。楓太に力を与えたのもあの子だしねー。」
「さ、さっきから何を・・・」
「だーかーらー、俺は力を調べてる研究者なの。力の事はほとんどわかる。ただ、みんな異なった力を持ってるから、めんどくさいんだよねー。」
「お前の力は過去を行き来する力じゃないのか・・・?」
「俺の力は未来を見る力だよ。条件は色々あるし、中々使えないけどね。」
「何が目的なんだよ・・・。」
「そーだねぇ。力を回収することかなー?危ないんだよ、色々と。特に君の力みたいなものはね。」
山本はそー言って鞄から針のない注射器を取り出した。
「これでちょーっと吸うだけで、平凡に戻れるからさ、我慢してくれる?」
状況がよくわからない。
力?未来を見る?
山本が迫って来る。
「待ってくれ!俺の力があればお前の研究の役に立てるかもしれない!」
とっさにそー言ってみる。
「んー。確かにね。いいよ?手伝ってくれる?友達だもんね?」
山本は満面の笑みでそー言った。
「あぁ。役に立ってみせるさ。」
この研究に関与する事で、なにかわかるかもしれない。
「じゃっ、ついてきてよ。研究室に案内してあげる。」
俺は山本について行った・・・
そこは現代と思えない様な空間だった。
真っ白な壁、天井、床。机の上に散らかる実験具のようなもの。
何から何まで、俺の平穏をぶち壊す物ばかりだった。
「実は結構前から楓太が力を持ってるって知ってたんだー。だから、メールで変な事言ったでしょ?」
確かに俺がことりと別れた時、祈れだのなんだのと書かれたメールが送られてきた。
「実はあれが覚醒のトリガーだったりするんだよねー。」
山本は椅子に座ってコーヒーを飲みながら言った。
力を使える様になった時期も丁度その時だ。
山本の研究成果は正しいと言えるだろう。
「あ、それとね、楓太と同じような協力者が2人いるんだー。女の子だよ、よかったね!」
ぶっ飛ばしてやろうか。
だが、同じ境遇の人がいるのは少し安心できる。
すると突然研究室のドアが開かれ、2人の女の子が姿を現した。
「ただいまやまっち。お?新入りさんかな?」
「ただいまなのです。この子も同い年くらいなのですね。」
1人目の女の子は短めの髪でジャージを着ており、ボーイッシュなイメージ。
2人目の女の子はロングでワンピースを着ている。
2人とも中々美人だ。
「えっと、俺は渡辺楓太。山本の友達です。」
自己紹介をしてみる。
女の子は楽しそうに笑ってから、
「私は遠野真結。中学2年生だよ!」
「わ、私は椎名明日葉です。同じく2年生なのです!」
真結と明日葉はそー言って自己紹介を返してくれた。
「んじゃ俺も・・・!」
「お前はいいよ。みんなわかるだろ。」
「えー」
山本の自己紹介を飛ばしたところで、次にみんなの力の話になった。
「俺はみんな知っての通り!
『未来を見る力』だよ!」
「俺は『過去を行き来する力』だね。」
「私は『未来を変える力』だよー。大層な名前だけど、ランダムに変わるからよくわかんないんだよね。」
「私は『過去と未来の人達の声を聞く力』なのです。私がいれば本当の歴史の事も・・・!」
山本は聞いていた通りだが、真結と明日葉の力も中々すごそうだ。
「メンバーも増えた事だし、4人で『力』の研究を成功させるぞ!」
「「「おー!」」」
俺たちはこーしていろいろな事を始めていくのだった。
だけど、俺はこの時、自分の事しか考えていなかったのかもしれない。
山本と俺の会話をことりに聞かれているなんて知らなかったのだから・・・。
第7話です!
女の子が2人も増えました!
初めは恋愛系を書いていたつもりが、いつの間にか変な要素が混ざってしまいました。
作者がイタイ証です(´nωn`)
投稿ペースは相変わらず遅めですが、
これからも応援よろしくお願いします!