-時間の星は不思議に輝く-
見渡す限りの暗闇に数字がいくつも並んでいる。
その数字は変化し続けている。
時計だろうか。
「どこだ・・・ここは・・・?」
そー言って、俺は変化し続ける数字に触れてみる。
すると、数字の変化が止み、増加から減少へ変わりまた変化しはじめた。
「さぁ、もう1度。君ならできるよ。」
どこからか聞き覚えのある声。
あぁ・・・誰の声だっけ・・・?
ピピッピピッと聞き覚えのあるアラームの音で目を覚ました。
そーいえば、今日から2年生になるのだ。
俺は制服に着替え、浮かない気分のまま学校へ向かった。
「おっはよー!リア充君!」
え・・・?
背中を叩いてきた山本の言った言葉は、俺には意味不明だった。
「何言ってるんだよ?俺はフラれたばっかりなんだ。
そーゆー冗談はやめてくれよ。」
「え?もーフラれたの?お前付き合ったばっかじゃんか!
なーに言ってんのさ!」
お前の方が何言ってるんだ・・・
山本はそのまま1年生の教室の方へ歩いて行く。
「おい、待てよ。俺たちは2年生だろ!お前ほんとに大丈夫か?」
「は?何言ってんのさ。お前こそ大丈夫か?周りを見てみろよー。」
周りを見渡すと知っている顔触れたちが1年生の教室に向かっていく。
な、なんだ・・・何が起きてる・・・?
俺はおかしそうな顔をした山本にひっぱられて、1年2組の教室に連れていかれるのだった。
「じゃあ、HR始めるよー。みんな席について〜。」
教室にはいつものメンバー。
俺へのドッキリなのか・・・?
そー考えながら、カレンダーを見てみる。
9月10日。
え・・・?
俺とことりが付き合ったのは9月7日だ。
もしかして・・・
「時間が戻ってる!?」
「こら!渡辺くん!静かにしなさい!」
「あ、はい。」
一体どーゆー事なんだ。
少し気が引けるがことりに聞いてみよう。
そー思って俺は教室を出た。
「ことり、いる?」
俺は1年4組の教室でそー言った。
「ことりちゃんなら今日は風邪で来てないよ?」
「そーなのか。ありがとう。」
ことりが風邪をひいているとなれば直接家に行くのも躊躇われた。
よし、風邪が治ってから聞こう。
それまでにこれが悪巧みかどうか暴いてやる。
そー思って、自分の教室に戻った。
結局、ドッキリであると言うような違和感は一切なかった。
だけど、ことりが風邪をひくなんてことなかったはずだ。
もし、俺が時間を戻したとして、ことりが風邪をひいたとなると、未来が変わってしまうのだろうか。
そーすると、俺とことりが別れるという道も無くなるのではないか?
いや、それでも無理がある。
俺は以前のようにことりと接する勇気がない。
人に裏切られるというのはこーも心に来るものなのか。
「あー!もーわけわかんねぇー!」
俺は自室のベッドでそー叫ぶのだった。
しばらくたったある日、ことりからメールが届いた。
「風邪、治ったよ!もしよかったら遊びに来ない?」
そんな、内容。
まだ今の日付だと、ことりと田中はそこまで深い関係ではないだろう。
そー思い、「わかった。いくよ。」と返した。
「心配かけちゃったね。ごめん。でも、もー大丈夫だよ!」
「そーなのか。それはよかったよ。ちゃんと気をつけるんだよ。」
「うん!」
ことりの部屋でそんな会話をしていた俺は、まだなんの違和感も掴めていなかった。
本当に時間が戻ったのか・・・?
こーいうときは聞いてみるに限る。
「ことり、俺に隠してること、ない?」
「え・・・?」
明らかに動揺している。
予想外だった。
まさかこれほど初めから裏切られていたなんて。
「やっぱり、君は田中くんの方がいいんだ?」
「!?な、なんでそれを?」
「ごめん、それは言えない。でも、これでわかった。もー君とは一緒にいられない。」
「そ、そっか。そりゃそうだよね。こんな裏切り者、嫌いだよね。」
「あぁ。」
表情が暗くなる。
裏切った相手を好きになるなんて無理な話だ。
それなのに、俺の頭の中にはことりの笑顔がなんども写っていた。
「じゃあね。」
俺はそー言って家に帰った。
「今日も散々だったな。あー全部やり直してぇ。」
自分の部屋でポツリと呟いた。
今日は寝るとするか。
そー思って、ベッドに寝転がり、布団をかけて目を瞑った。
瞼の裏に星が寂しそうに、悲しそうに輝いているのが見えた。
前回投稿からだいぶ日が経ってしまいました。
申し訳ないです。
第5話です。
ネタが尽きかけていて、次話も遅くなるかもです。
ゆっくり待っていただけると幸いです。