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-1度絶望した星は再び輝く-

楓汰に明かされる意外な事実。


「悲しい空の星々に」1章完結。

 

 みんなは今までどんな裏切りにあってきただろう。

 俺はつい最近あったばかりだ。

 それも、今までで最大の裏切りだったのかもしれない・・・。




「おはよ。」


「お、楓汰!おっはよーん!」


「あぁ、渡辺か。おはよ。」


 あぁ、いつもの教室だ。

 ふと昨日の出来事が頭の中を横切り、何か変わってしまうのではないか、と考えていたのでとてもほっとした。

 今日からも平穏な日々を過ごすことができる。

 そー思っていた。




 帰りのHRを終え、俺は久しぶりにことりを教室まで迎えに行った。

 いつもはことりのクラスの方が終わるのがはやいのだ。


「あいつ、渡辺じゃない?あの暴力魔の。」


「え、まじで?うわ、ほんとじゃん。こわー。」


 ことりの教室に向かう途中、通りすがる人たちに陰口のようなものを言われた。

 だけど、こんなことで挫けてなんかいられない。

 なんとかこらえながら教室の前に到着した。

 教室内には先生の声が聞こえる。

 まだHR中なのだろう。

 俺は少し心配だったことを確認することにした。

 ことりのクラスは1年4組。

 そー。田中と同じクラスなのだ。

 だから俺は、教室内で2人がどんな雰囲気なのかが気になって仕方なかったのだ。

 教室の後ろの扉のガラス窓、そこだけが唯一磨りガラスでなく、教室内を覗くことができる。

 そこからこっそりと教室を見てみる。


「なっ・・・!」


 俺は見てしまった。

 ことりと田中の席が隣同士なこと。

 2人が、まるで恋人の様に仲良く話しているところを。

 田中と目が合う。

 怪しい笑顔で俺を見ている。

 一方のことりは、はっとした表情で俺を見ていた。


「っ・・・!」


 俺はその場の空気が嫌になって、そのまま走って逃げた。


「楓汰!誤解だよ!」


 ことりの悲しそうな声は、俺には届かなかった・・・。




「な、なんで・・・っ!」


 家に帰った俺は、ただいまも言わずに自分の部屋に閉じこもった。

 ことりが田中と話している時の笑顔が頭の中を掻き乱す。

 もしかしたら俺と一緒にいる時よりも楽しいんじゃないかと思わせるほど、満面の笑みだった。

 俺は・・・俺はどーしたらいいんだ・・・。

 両目から自然と溢れ出る涙が頬を濡らし続けた。




「なーなー楓汰〜。スリランカの首都ってどこー?」


 いつの間にかすっかり寒くなっていた。

 ことりと過ごした時間があまりにも楽しくて、日付のことなんてすっかり忘れていたみたいだ。

 もー3学期も後半。

 あと少しで2年生になるのだ。

 だけど、今はそんなことはどーでもいい。

 ことりと田中の関係がどーなっているか知りたい。


「スリジャヤワルダナプラコッテだよ。テストにはでないぞ。」


 俺はそー言って教室から出た。




 今俺がいるのは1年4組の教室の前。

 昨日の事があったから、警戒してあまり話していないと思っていたが、今日もとても楽しそうに話していた。

 まだ2人は俺に気づいていない。

 ことりにはメールで、「先に帰ってる。」と伝えてある。

 さぁ、どんな関係だ・・・!

 俺は、絶対に突き止めてやる!と探偵の様に決心した。




 カフェ、カラオケ、ショッピングなど平日の放課後にも関わらず、ことりと田中は辺りが暗くなるまで遊んでいた。

 これはもしかしたらあり得るかもしれない。

 そー思わせるほど仲が良くみえた。

 だけど、これだけじゃ終わらなかった。

 今日はもー暗いから解散かと思ったが、田中はことりを自分の家に連れて行ったのだ。

 ことりは両親が忙しく、ほとんど家に帰らないと知っているが、田中も同じようだ。

 心の中で何かが壊れるような音がした。




「ねぇ、ことり。昨日何してた?」


 翌日、俺はことりを校舎裏に誘って質問をぶつけた。


「え?昨日はずっと本を読んでたよ!」


 なぜ嘘をつくのだろうか。

 答えは単純だ。

 きっと田中とそのような関係なのだろう。


「嘘だよね。田中と一緒に遊んでたでしょ?」


「・・・!?な、なんで知ってるの・・・?」


 明らかに動揺している。

 あぁ、これ以上は言いたくないな・・・。

 でも、言わなきゃ苦しいままだ。


「ことりには悪いけど、昨日の放課後、尾行してたんだ。」


「なっ・・・!」


「ねぇ、ことりの本音を教えてよ。」


 あぁ、終わってしまう。

 俺の初めての恋は、こんな形で終わってしまうのか・・・。

 ことりは顔を俯けたままだ。

 相変わらずかわいいな。でも、俺はそれに騙されていたのかもしれないな。


「楓汰のことを好きだって言うのは、嘘じゃないよ。でも、田中くんの方が好きかもしれないって思い始めて、それでも楓汰のことを裏切りたくなくて・・・黙っていたらバレないと思ってた・・・。」


「でも、バレちゃったね。田中くんが挑発なんてするから・・・。あ、黒板にあの文を書いたのは私だよ。意外でしょ。でも、私は自分が1番幸せでいたいの。だから、私は田中くんを選ぶよ。田中くんの方が私の事をわかってくれる。色々してくれるんだ。ごめんね、こんな形で別れることになって。」


「それじゃあね。バイバイ。」


 俺は何も言えないままその場に取り残された。

 ことりの背中はだんだんと小さくなっていく。

 やっぱり思っていたとおりだった。

 ことりと田中はもーできていた。

 俺はもーなにも言う気が起きなかった。




 その日の夜、俺は泣きじゃくった。

 目を瞑ると「私は田中くんを選ぶよ。」という言葉が頭の中をごちゃごちゃにした。


「うぅっ・・・うぐっ・・・あああああ!なんで!なんでこーなるんだ!」


 俺の叫びは夜の空に響いて消えていった。

 メールが1通きていた。送り主は山本。


「フラれたからってそんなに病むなよ。

 俺だってフラれたけどこのとーり元気だろ?

 ほら、下を向かずにさ、上を向けよ。

 俺もお前がこれから上手くいくよーに願ってやるよ。

 友達だろ?これくらい当然だよ。

 お前なら立ち直れるさ。そんなこと、親友の俺がよーく知ってる。

 がんばれ!がんばれ楓汰!」


 どこの熱血教師だ。

 俺は止まらない涙をふいて、ベランダに出た。


 俺のこれからの人生、きっといい事だけじゃないだろう。

 でも、少しでもいい事が増えて欲しい。

 そー思って願った。


 悲しい空の星々に・・・


第4話です。

これで1章は完結になります。


楓汰くんかわいそう・・・(自分で書いた物語だけど)


2章はまだ考えてません。

考え次第書いていくと思います。


今後ともよろしくお願いします。

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