3 タイプなのであります!
深夜テンションですお気をつけを。
教室に戻るとすぐに授業が始まった。
え?もちろん怒られましたとも。
何してたんだ!ってね。
図書室行ってました誰かのせいで。って答えたけどね!
春海?うーん、絶句してたかな!!
笑顔で見てやったぜ!
「比井野ー、あいさつー」
「えー……」
「えーじゃないでしょ?!ほら、はやく!」
「…仕方ない。きょうつけー」
ガタンと立ち上がる皆様。
やっと終わるぜ!!
「終わりやす」
最後は語尾をあげてね!!
皆様渋々「お、終わりやす……?」で終わった。
「比井野……」
「はいなんでしょう」
笑顔で見てやったぜ。
皆はクスクスわらいながら教室から出ていくものと留まる人。
ちなみに私は留まる人です!こっそり本を取り出して読み出す。
【シェーラ姫の夢】。
2分ぐらいたってから教室のドアが思いっきりあく。
ガダンッ!!という音と共に誰かが飛び込んできた。
「あずぎー!!!」
「あぁ…お前か春海」
「ひどっ!?あ、あのねぇ!望夢会長が
黒髪黒目のメガネをした身長151センチの数学3体育5のチビな女子生徒を知らないか?ちなみに制服は改造してないし体型は細身の比井野あずきというのだが…。しらないか?!
って!!!すごい剣幕でみんなに聞いて回ってたから行ってあげて!
比井野なんかしたの!?」
……のぞむ?
「誰だ、私は何もしてないよ!?」
「……知らないの?唯世望夢…生徒会長様。」
「……えーっと…」
あ、入学式の時に「いいですかみなさん。この学校では弱いもの、小さいものは叩き落とされます。いえ、叩き落とします。成績優秀な者にはご褒美がありますが、馬鹿には……お仕置きです。嫌ですよね?嫌なら死ぬ気で頑張れクソ野郎共。……以上です」
ニコッて笑ってそんな言葉を吐き出したあいつだあああああああああ!!!!
「あいつか!!!あの黒髪の!!!いかにも生徒会長ですキリッみたいな人だ!!!メガネクイッみたいな!」
「そう!そのひとっていうかあずき話したことあるじゃん!おぼえてな…い…のって望夢会長うううう!!!きたんですか!?」
クルッとふりかえ…れなかった。
後ろから首に片腕を回され頭に銃の形を作った手があてがわれる。私の後頭部と誰かさんの胴体が密着していて頭のてっぺんには誰かさんの顎。
多分あれですよね、あれあれ。
「ばーん。誰でしょーか」
ふふふと笑ったその声はエロくて低くて。
正直言ってタイプですその声。
「……」
無言で後ろ向きに頭突きをして逃げた。外れたけど。
そして今度こそクルッと振り返るとそこには噂の唯世望夢。
黒髪でおされヘアーの黒目の銀縁眼鏡。パッと見身長180cmぐらいかな???………………でかすぎかよ。
人差し指は顎の横にあって手は腰にある。
フフンと笑うその感じ。
タイプです。
「ばあー。正解はいかにも生徒会長ですキリッみたいな人でしたー」
意外と茶目っ気あるねこの人!?
「まったくもう!好きでいかにも生徒会長ですキリッみたいになったわけじゃないんだよ!お仕置きするよ?」
「お仕置きじゃないですごめんなさいいいいい」
私はこの人が苦手かもしれない。
ふふーんと上機嫌に笑ってクルッと春海の方を向いた。
「かっすみーお菓子ちょーだい」
「ないですよ…生徒会長が何言ってるんですか…」
「え……」
絶望した顔で春海を見るいかにも生徒会長ですキリッみたいな人。…入学式とキャラが…あの……
「そ、それより、比井野になんか用があったんですよね?」
「あっ、そうだった!あの、比井野さん!比井野さんって番長じゃん!?ちょっとやっつけて欲しい人がいるんだよね!」
…え?
「待って!?望夢会長って生徒会長だよね!?やっつけちゃだめだよですよね!?」
春海がツッコミをぶちまけてるあいだにも生徒会長様はキラキラした目で私を見てくる。
まって…子犬に見える…いかにも生徒会長ですキリッが…子犬に…
「? 生徒会長だけど暴力で解決しちゃいけないなんて規則ないし大丈夫じゃないかな?
それよりも!比井野さんおっけーもらえるかな!?」
いいともーのノリで返せと?
未だにフリーズして現実逃避してる私に?
ほう?
「…ごめんなさい、それはちょっと…」
断っておいた。
私は元から正当防衛で攻撃していただけだし、比井野さんって番長じゃん!?の言葉でゼリーのハートがぐちゃぐちゃになっちゃったから…断る…
「え!?なんで!?」
つかつかつかと詰め寄って私の顔面5センチに詰め寄ってくる。
ちょ、イケメンフェイスが目の前に…ちかい…
「先輩、比井野の顔真っ赤だし、近いです」
ぐいっと生徒会長様のイケメンフェイスが遠のいた。
むぅーと不服そうな生徒会長様とちょっと怒ってる春海。
なんで怒ってんだ?
「と、とにかくなんで?」
「私は好きで番長になったわけじゃないので」
その一言だけで生徒会長様は理由を察したらしい。
少し曇った顔をした。
でも次の瞬間また顔が輝く。
「でもそんな理由僕には関係ないからね!ね?おねがい」
う、上目遣いで見られてもおっけーなんてしませんからね!?
「ねぇ、いいですよね」
いきなり低い声が耳元で聞こえた。
会長の顔が耳のすぐ横にあったのだ。
ついでと言う感じに耳にも息がフッとかけられた。
「ひゃあっ!?」
「あれ…?耳、弱いんですか?」
クス、と笑った会長の口調が…
「会長、無理強いはよくありませんよ」
「いいじゃないですか、別に」
春海と会長が睨み合う。
「嫌がってますよ」
「顔は真っ赤ですけどね?」
ふふ、とこっちを見てなんかフェロモンでろでろな目で見てくる会長。
敬語キャラにしてフェロモンでろでろ…だと!?
あれ、でもさっきはくだけてたよね…?
「スイッチはいると人格変わるのやめたらどうです?」
「それはちょっとできませんねぇ」
人格変わるのこの会長…
「あずきは渡しませんよ」
「それはどうかな?」
意味深な目線を向けてきた会長に何故か私は目が逸らせなかった。
会長の、心の中が見えた気がした。
俺が、消えても知りませんよ?
4は明日投稿です!
ちなみにシェーラ姫の夢は夢の部分を冒険に変えると実在する本になります。
おもしろいですよあれ!!