ダンジョンボス、召喚!⑤
「え~、僕なんか戦闘もあんまりしないから、どうでもいいのに」
ブツブツ言いながらも、ゼロがステータスを出してくれる。
名前:ゼロ(ダンジョンマスター)
LV:8
種族:人間
性別:♂
◆能力値
HP:517/517
MP:693/693
STR(筋力):121
VIT(耐久):128
INT(知力):297
MIN(精神):297
DEX(器用):165
AGI(敏捷):121
LUK(幸運):285
スキル:
・迷宮の運営、
・大勝負、
・下級水魔術、
・絶対服従Lv.1、
・《NEW》下級風魔術、
・《NEW》下級木魔術、
・《NEW》ナイフ、
・《NEW》投具、
・《NEW》剣、
・《NEW》慈愛、
称号:
・迷宮の支配者
・敏腕ギャンブラー、
・ご主人様、
・大金星、
・《NEW》スキルコレクター、
・《NEW》慈愛の実践者、
・《NEW》生命の探求者、
▽スキル詳細。
『NEWスキルのみ表示』
《下級風魔術》。下級の風魔術を扱う事が出来る。
《下級木魔術》。下級の木魔術を扱う事が出来る。
《ナイフ》。ナイフを武器として、攻撃を行う事ができる。
《投具》。ナイフ、クナイ、石などを投げ、攻撃を行う事ができる。
《剣》。片手剣を武器として、攻撃を行う事ができる。
《慈愛》。対象者に安心を与え、落ち着かせる事ができる。
▽称号詳細。
『NEW称号のみ表示』
《スキルコレクター》。スキルを10種類以上獲得した者に与えられる称号。スキルを習得し易くなる。
《慈愛の実践者》。敵を50体以上撃退した場合に与えられる称号。撃退時に得られる経験値、DPが10%上昇する。
《生命の探求者》。何らかの手段で生命ある者に進化、種の壁の超越を与えた者に贈られる称号。種の変異確率が上昇する。
「うは~……やっぱすげぇな…」
予想はしてたが、スキルがハンパない。
っていうか、ゼロはホントに自分のステータスには興味ないんだな。結構前に習得した筈のスキルが、まだNEWで表示されてる…。
「あっ、撃退時に得られるダンジョンポイントと経験値が増えるって!良かったね、ハク」
「ん?ああ…」
「言っとくけど50000ポイントが貯まり易くなるんだよ?」
「あっ、なるほど!それはありがたいな。もしかして、撃退数が上がると、効果も増えるかも知れねぇな」
そうだね、とゼロは嬉しそうだ。「カエンが、兵士達が明日から毎日練兵場に来るって言ってたし、ダンジョンの挑戦者もいるから、4日で100人こえるよね」
「………」
そうだった。
できれば思い出したくなかった。
明日から、ムサ兵士達の特訓するんだったな…。ああ、テンション下がる。
「何人くらい来るんだろうな、兵士達」
「20人だよ。言ってなかったっけ?」
20人か…。
レベルは確か…前にユリウスが、皆15以上あるって、言ってたような…
「ゼロ、明日さ、兵士達だけで撃退ポイントどれ位あったか教えてくれ」
きっとゴールがあれば耐えられる。
そしてその最短で、兵士達にスキルをつけてやる。
固い決意を胸に、各々の仕事に戻る。ゼロはモンスター配置、俺は通信機器選び。俺の方はさほど時間がかかるものでもない。小型で目立たない、小さなマイクとイヤホンがついたものを人数分用意して貰った。30分ほどでカタをつけ、ひとまず晩メシ。
引き続き別行動で明日に備える。
ゼロはモンスター配置の続きで、俺はカエンを巻きこんでの、ムサ兵士達のトレーニングメニュー作りだ。はっきり言って、俺はいきなり組み手スタートで、実践から盗みとる方式だった。
20人もの兵士を一斉に教えるには向かないやり方だ。
兵士に教えるにあたって、俺自身、型とか基礎の部分を改めて習いたいのと、教室方針については、ちょっと相談にものって欲しかった、ってのもある。
兵士達のスキルアップがかかっているからか、カエンも珍しく真剣に相談にのってくれた。ある程度トレーニングメニューが決まったところで、早速基礎の型を教わる。
講師が一夜づけで型の訓練とか…ホント、生徒達には見せられないよな…。
いかにムサそうでイヤだろうが、明日俺から教わる兵士達に罪はない。むしろ今頃基礎の型を特訓してる俺から習うと思うと可哀想だ。
明日少しでもマシな授業ができるよう、俺は体力の限界まで頑張った。




