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ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

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レジェンド達の反応は

今日と明日はダンジョンも定休日で、俺たちも気兼ねなく新しいダンジョン造りに没頭できる。


造っては改善して、昼飯食ってまた造り足して……やいのやいの言いながら試行錯誤を繰り返している内に、結構な時間が経っていたんだろう。マスタールームに籠もっていると、時間の概念がおかしくなるのが珠にキズだ。



「よう」


「うわっ」



突然現れたカエンに、素でびっくりしてしまった。



「王宮に行ったんじゃなかったのかよ」


「もちろん行ったけどな。そんなのはもう朝の話だろう、今何時だと思ってるんだ。もう日が暮れるぞ」



そんなに時間が経っていたのか。



「もうそんな時間? 時間経つのって早いのね」


「確かになんか体が固まってきた気がする」



ルリがノビをしながら言うと、ゼロも急に屈伸運動を始めた。よく見たらユキとブラウなんてお菓子も昼飯も食って満足したのか、二人仲良く身を寄せ合って爆睡している。


平和だなぁ。



「もしかしてお前ら、あれからずっとダンジョン造りしてたのか?」


「うん、なんか楽しくなっちゃって。おかげで地下五階くらいまではあらかた出来たよ」


「はー、物好きなこった」


「で、カエンはどうしたんだよ。晩メシでも食いに来たのか?」



カエンがわかりやすく呆れた顔をしているから、俺も適当にからかうような言葉を投げた。すかさずカエンからデコピンされる。レベルが死ぬほど違うんだから、軽率にデコピンとかしないで欲しい。軽く吹っ飛ぶから。



「ばーか、レジェンド達と連絡取れたから状況を伝えに来てやったんだろ」


「えっ! ほんと!!!?」



俺が吹っ飛ばされてベッドに転がっている間に、ゼロはカエンの話に食いついていた。俺のマスター、結構冷たいんじゃないかな。



「喜べ、当時一番高レベルまで到達したパーティーが、全員快諾してくれた。ダンジョンにも挑んでくれるってよ、良かったな」


「うわ、嬉しい! いつ来るのかな、それまでにしっかりダンジョン造っておくよ!」


「いつでもいいって言ってたけどな。ていうか、さっき地下五階までは造ったって言ってただろ、それくらいのレベルで一回見て貰っといてもいいと思うけどな」


「ええ? でもまだ全っ然タタキな状態だよ? とりあえず話聞いて造り直してからの方が精度は高いと思うけど」


「あー、それな。話はダンジョン攻略しながらでいいって言ってたぞ」


「えっ……」



ゼロが絶句する。その気持ちも分かる。俺たちがつくってきたダンジョンって、キーツのアナウンスはあったとしても、基本的に黙って冒険者達の行動を見守るパターンだったもんな。



「なんでそんなにびっくりしてるんだ? さっきユキとブラウに入って貰って、こっちと交信しながら改良してただろう? あれとなんら変わらんと思うが」


「あ……うん、そうか。……そうか」


「老い先短けえし、ダンジョンは黙って歩くと退屈だから、そっちの方がいいって爺さん達は言ってたが……なんか問題あるのか?」



カエンの質問に、ゼロはうーん……と考えこんだ。



「よく考えたら、別に問題ないかも。驚いたけど」



ゼロがそう小さく呟くから、俺も速攻で賛同した。



「そうだな、むしろ何を考えてトラップをどう回避したかとか、その場で言って貰えたら、むしろその方が勉強になるのかも知れねえしな」


「そうかも。それにレジェンドのお爺さんたちと顔を突き合わせて話を聞き取るより、そっちの方が僕も緊張しなくてすむかも知れないよね」



めっちゃ消極的な理由が出てきて笑った。いや、ゼロにとっては結構大事なことなのかも知れないけどさ。



「なんなら明日でもいいって言ってたが、明日来て貰うか?」


「えっ」


「その方がよけりゃ、俺様がもうひとっ走り、集合時間とか伝達に行ってやってもいい」



まさか過ぎる急展開に、全員の顔がゼロに向いた。



「え、いや、でもモンスターは全然配置してないんだけど」



さすがに想定外すぎたらしくて、ゼロの目がめっちゃあちこち泳いでる。可哀想になって助け船を出すことにした。



「ま、別にそんなに急ぐこともないんじゃねえか?」


「でも、明後日からはまたしばらく今あるダンジョンにはお客様が入るわけじゃない? じっくり探索して貰えるタイミングで言ったら明日の方がいいんじゃない?」


「そうですなぁ。それにモンスターは中に入った御仁達の強さに応じて調整が必要でしょう。まずは一階だけ配置して、攻略して貰いながら地下二階以後は配置してもいいと思いますがね」



確かにルリとグレイの意見も正しい。明日問題点が色々と把握できれば毎日のダンジョン運営はこなしながらその間に修正して、次の定休日にまたレジェンド達に確認してもらうみたいなローテが組めるわけだし。効率で言ったらその方が断然いい。



「うーん……」



悩むゼロ。でもこれ以上は俺もルリ達もあまり口を挟まない。どうしてもなにか事情があるならば強く言うこともあるけど、このダンジョンのマスターはあくまでもゼロだ。決断するのはゼロだからな。


それはゼロも意識しているみたいで、しばし考えた後、ゼロは力強く言った。



「よし、決めた。明日レジェンドのお爺さんたちに来て貰おう」

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