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ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

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獣人の遊園地事情

「俺達の国は特に王族も超庶民的だからなぁ、リゾートなんかあいつらに聞いてもぼんやりした事しか返って来ねえぞ、多分」



豪快に笑っているが、それでいいのかカエン。まぁ孤児院も建てられないくせに豪遊されてても腹立つけどな。



「もう、ショボい国ね!エルフの里はリゾート万歳だったわよ?」



え!?



「あ、なによその目は!」



いや、だって……エルフと言えば自然と共に生きてるイメージじゃないか。リゾートとか一番縁遠いと思ってたんだが。



「本当よ?他の里は知らないけど、私達のところは少なくともスパ系はとっっっても充実してたわ」


「だからルリさん、そんなに綺麗なんですねぇ」



ラビちゃんは何の疑いもなく信じたらしく、ルリの顔や肌をしげしげと見ている。



「エルフなんてすっごい長命なのよ?その間この美貌を保つんだから、スパやエステくらいないとやってられないわ。庶民でもちょっと頑張れば普通にリゾート堪能出来たわよ」



当然でしょ、と言いたげなルリをゼロがやんわりと止める。



「ルリ、エルフの里はそれくらいでいいよ。なんか夢が壊れる……」



同感だ。

このままルリの話を聞いてたら、自然と戯れる美形エルフがエステとスパにあけくれる美容オタクに見えてしまうかも知れない。



「獣人はどうだ?リゾートらしきものはあったのか?」


「はい、もちろん!人間やエルフほどじゃないかも知れないですけど、ありましたよ!」



苦笑気味のカエンの問いに、ラビちゃんが元気よく答える。



「温泉とか、砂風呂とか、泥風呂とか。お風呂系は色々ありましたね。体動かすのが好きな人が多いんで、だいたいスポーツセンターとか遊園地が併設されてましたぁ」


「へぇ、遊園地か」


「はい」と言った後、何故か気まずそうにライオウを見るラビちゃん。


チラチラと忙しなく視線が来るのに耐えかねて、ライオウがついに「どうかしたのか?」と尋ねると、ラビちゃんは目に見えてあたふたして目を逸らす。


明らかに挙動不審だ。



「さすがにそこまで怪しい動きをされると気になるな。どうしたんだ、ラビ」



距離をとったまま、あくまで優しく声をかけるライオウ。気の使い方が揺るぎない。



「え、あの……その、遊園地なんですけどっ……気を悪くしないでくださいね?」


「しない。気になるからさっさと言ってくれ」


「『エスケープ』っていう、スリルを楽しむものが人気だったんです。あの…猛獣から逃げ切れるか!?っていう……」



マジで!?



「わざわざ怖い思いするの!?」



さすがのルリも驚愕だ。



「スリルと言うか、逃げ切る達成感と言うか」



言いつつも、なおもチラチラとライオウを盗み見るラビちゃん。



「追いかけてくるのは、俺みたいなライオンとか、豹とか、狼、狐みたいな獣人なんだな?」


「はい……」



気まずそうに頷くラビちゃんは、耳もすっかり垂れてしまった。


ライオウは、しょんぼりしているラビちゃんを励ますように明るく笑いかける。



「そんなしけた顔すんなって!お互い様だ」



ん?お互い様?



「俺達の所では『ハンティング』が人気だったぜ?……意味、分かるだろ?」



意味ありげにニヤリと笑う。

ライオウのからかうような顔、初めて見たな。


キョトンとしていたラビちゃんの目が、考えを整理するように動く。


あ、顔色が青くなってきたな。



「それって……それって……!!人でなし~~~!!!」



涙目の兎パンチが炸裂した。



「いてっ!……って痛くはないか」



ラビちゃんによる兎パンチに、反射的に痛いと口にしたものの、ぶっちゃけ痛くはなかったらしい。


まぁ、擬音「ぽこぽこ」だしな。痛くはないだろう。



「そんな怒るなって。発想は一緒だろ?立場が逆なだけで」



そうだけど。なぜだろうな、ライオウの言う「ハンティング」は、なんだが物騒な気がしてしまうのは。



「ま、俺達の街は色んな獣人が混ぜこぜで居たから、ストレス発散のためにそんなコーナーがあったんだろうな」



犯罪防止策…だったりすると嫌だが。



「そう言えばお化け屋敷ってあったよ。この世界で言うとレイスとか、ゾンビとか出てくるんだけど」



偽物だけどね、とゼロが思い出したように口にしたが……それ、ゼロは完全アウトだな。


ただ、スリルだったり気持ちの高揚だったり、簡単に言うとドキドキ感がある施設が必要だってのは分かった気がする。

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