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ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

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レジェンド達①

一気に脱力してその場にへたりと座り込む。


……疲れた。


今のやり取り、尋常じゃなく疲れた。


伝説の剣に取り返しのつかない事をしてしまったかと思ったら、腰も抜けるってもんだ。



「いやぁ、悪い悪い。あまりに面白かったもんだから、つい」


悪びれもせず笑うMr.ダンディ。

もうちょっと反省して欲しい、いやマジで。


「防具の素材かスキルかと思って見ていたんだが、どうやら転写系スキルだね。珍しいものを見せて貰って満足だよ」


にっこり笑って、Mr.ダンディは俺に手を差し伸べる。不本意ながらその手を借りて何とか立ち上がった俺の腕を、Mr.ダンディは高々と振り上げた。



「彼が勝者だ!!」



ウオオォォォオォォォォ!!!


沸き返るような歓声が武闘会場全体を包む。さっきまでめちゃめちゃブーイングしてた癖に何故だ…?


「第四闘技場、決着です!!なんと英雄アラレア・ディジーさんを下し、無名の戦士クロさんが勝ち上がりました!!」


さらに大きな歓声が巻き起こる。

気がつけば、会場全体がこの第四闘技場に注目していた。その中をMr.ダンディは悠々と退場していく。…大剣をヒラヒラとはためかせながら。


「ま…待ってくれ!剣は…!」


Mr.ダンディはゆっくりと振り返り、慌てる俺にあくまでもダンディに微笑んだ。





「『このままでいい。今日の記念に大切に持って帰るよ』だってさ~!シブいよな~!」


「さすがに器が違うと言うか…」


「英雄に認められるなんて、お前凄いじゃないか!」


試合を終えて戻ってみれば、あっちでもこっちでも俺とMr.ダンディの話題で持ちきりだった。


当たり前か。

会場中が注目してたもんな。


当然ながらチャラたれ目と犬耳紳士、バトルマスターのトリオは、俺に根掘り葉掘り聞いてくる。半分以上はMr.ダンディへの憧憬の念を吐き出してる感じだからまだマシだが、あまり突っ込んでスキルの事や俺の事を聞かれるとボロがでそうで怖い。苦しい回答で躱していたら、急に周りがざわつきだした。


「やあ、クロくん」


振り返ると、話題の人が超笑顔で立っていた。


「あ…さっきはどうも…」


Mr.ダンディ…と、血の気が多そうなお師匠さん?


「さっきの闘いを見て、お師さん達がぜひ君と話したいときかなくてね」


フレンドリーに話してくれるMr.ダンディとは対象的に、お師さんと呼ばれるレジェンドは俺を値踏みするように見ている。


「ちょっと込み入った話もあるから、どこか静かな所で話したいんだが…。彼を借りてもいいかね?」


一緒に居た犬耳紳士達に了解をとっているが、もとより仲間でもなんでもない。さっさと別れを告げてMr.ダンディの後に続く。


案内された席には、10人程の爺さん達がいた。


「おお、来たのぅ」


俺達に気付いた爺さん達の間に、一瞬だけピリッとした空気がよぎる。見た目は穏やかなのに、俺は…とても警戒されているようだ。


「おい、小僧!」


一際大柄な爺さんに鋭い目で呼びかけられる。…小僧呼ばわりか…。そりゃ爺さん達から見たら小僧だろうが。


「もう少しゆっくり話せる場所探してこい!レジェンドだのなんだの周りが煩くて敵わん。…聞かれたくねぇ話がある」


この爺さん達が皆レジェンドなんだろうか。スラっちの宿敵である戦士爺さんも黙って俺をガン見してるし。


意味ありげな目で見られ、急に不安になってくる。レジェンドが揃って俺に話って…どう考えても嫌な感じだ。受付に行くふりをして、インカムでゼロに状況を報告する。


ゼロは驚きつつも、応接室を提供してくれた。確かにあそこなら、誰にも邪魔されずにゆっくり話ができそうだ。



応接室に入るなり、戦士爺さんが俺をじっと見る。次に出た言葉は俺を戦慄させた。


「お主あれじゃろ。ジョーカーズ・ダンジョンとやらのボスじゃろ」


はあ!?なぜ!!?なぜ分かる!!


「ははは、素直な子だねぇ。そんな顔しちゃ肯定したも同然だよ?」


Mr.ダンディは楽しそうに笑っているが…

いや、だって…そりゃ驚くだろう。


「闘気が同じじゃからな。目ぇつぶってでも分かるわ。」


戦士爺さんとは戦ってねぇし、会ってもねぇぞ!?


「ふん、あのダンジョンでデカイ闘気はお主とあの生意気なスライムじゃったしな、そんなもん分かるに決まっとる」


マジでか…!


「何の目的で武闘大会に出た」


Mr.ダンディのお師さんが、厳しい目で俺を見る。そんなの理由は一つだけだ。


「…そこの戦士爺さんが、うちのスラっちに圧勝してて…こんな奴がゴロゴロ出る大会なら出てみたいと思って」


戦士爺さんは満更でもない顔をしているが、お師さんは疑いの目を崩さない。


「本当にそれだけか?」


何を疑ってんのか知らないが、それだけなんだが。睨み合っていたら、急に応接室のドアが勢い良く開いた。


「失礼します!!」


「ゼロ!!?」


なんで出てきちまったんだ!!

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