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ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

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199/320

武闘大会の朝②

ゼロがささっと描き足したのは首にチョーカー、腰にベルト、両太ももに2個ずつの輪っか、そしてデカい布。これで全部だ。


皆で武器を検討してから数日、実際に武器を作っては試し、カエンやグレイにも特訓に付き合ってもらって戦闘での役立て方を検証してきた。その中で一番使い勝手が良かったのが布で、しかもリボン状にクルクル回して螺旋を描くよりも、やっぱり幅が広い布の方が戦闘ではより使い道が広がる事が分かった。南方の舞踏民族の皆さんも、それが分かってたから幅が広い布を使ってたんだろう。


もちろん踊る時にも華やかなんだろうが、広げて使えば目くらましにもなるし、俺なら素材や重さを変えられるから、盾にも鎧にも出来る上、鈍器にも刺突武器にも変えられる。


結果、布は本当に薄くてでかいただの布を採用だ。南方の舞踏民族御用達のものよりも結構長い、1m×2.5mくらい…ぶっちゃけシーツを軽くしたものを使用している。ルリの見たてで派手なシーツなんだが、ジョーカーズ・ダンジョンのボスキャラとして見た目は大事だと力説され、断れなかった…。


ただこの布、首のチョーカーについたクリップを使う事で、防御の時に意外と使い勝手がいいんだよな。


使わない時に首からかけておくだけじゃなく、背中から羽織ればマントになるし、腕だけ出して体に巻く事で機動力を高めつつ防御力をあげる事もできる。俺のスキル込みで考えると相当使える印象だ。


両太ももに2個ずつ、計4個の輪っかは今回は保険の意味合いが強い。全部手の内を見せる事もないと思うからできればあまり使いたくないが、装備だけはしておく事にした。所謂隠し球だ。


そして最後がベルト。

実はこれが一番の力作で、ドワーフ爺さんと俺の渾身の作だったりする。


ベルトと一体化した腰部を守るチェインスカートには、左腰に転写素材がひしめき合う素材プレート、右腰に鞭の柄を装着するホルダーがついている。俺のスキルを最大限活用するための機能を精一杯盛り込んでみた。


しかもチェインスカートの部分は布レベルに軽量化して、俺が回転すれば舞い上がり、攻撃にも一役かえるようになっている。


ああ楽しみだ!

早く本番で戦ってみたい!



「ハク、そろそろ準備した方がいいんじゃない?多分もうアライン王子とか来る時間だよ」


「もうそんな時間か!」


ゼロの言葉にハッとする。確かに開会までもうあまり時間がないみたいだ。俺は慌ただしく着替えつつ、ちょっと気になっていた事を聞いてみた。


「そういやカエンがいねぇな。確かダンジョンの代表って事になってたよな。武闘大会の開会挨拶とかあるんじゃねぇのか」


「うん、最初はその予定だったんだけど…急用ができたって慌てて出て行っちゃったんだよ。開会挨拶は王様とアライン王子になんとかしてもらうしかないよね」


ゼロは微妙な顔で答えた。まぁ主催は王室なわけだし、ダンジョンはプロジェクトに関わってるスタンスだから、まぁいいのか。


それにしても王室初の武闘大会より優先するような急用ってなんなんだ一体。気にはなるものの、俺がここで考えたところで真実が分かるわけでもない。気持ちを切り替えて武闘大会の準備に専念しよう。


俺は基本の戦い方が格闘だから、装備は動きやすさが命だ。この日のために用意した服に着替え、姿も浅黒い男に変化した。


「出たっ!クロさん素敵!!」


ルリにキラキラの瞳で見つめられる。変化した姿を褒められても嬉しくないんだが。


ちなみに「クロ」は俺の武闘大会でのエントリー名だ。


名前に困ってゼロに相談したら「全身黒いからクロでどう?」と言われ、そばにいたカエンが爆笑しながらエントリーシートに書いてしまった。


まぁ、これまでのゼロの名前の付け方から考えれば当然の結果だが…いざ呼ばれると結構ペットっぽいな…。


「ああ、私の見たて通り!やっぱりちょっと派手な方が似合う!」


ルリが何度も満足げに頷いている。体が全体黒めだから、確かにちょっと派手めな衣装の方が見た目のバランスはいい。


俺にとっては動きやすけりゃ見た目はどうでもいいから、ここはルリにお任せだ。嬉々としてやってくれてるし、出来上がりも悪くない。適材適所ってやつだな。


「ハク、絶対に勝てよ!!」


「ぼく、一生懸命応援するね!」


ブラウとユキのチビっ子コンビが一生懸命言ってくれるのが微笑ましい。


「任せとけ、絶対勝ち進んでやるから。…爺さんズにあたらねぇ限りはな」


「なんだよー!そこはビシっと全員倒す!くらい言えよな~!!」


ブラウにガックリされてしまった。でも、爺さんズは素でレベル違いな感じなんだよな。出来ない約束はしたくないし。


ブラウは不満げにぷーっとほっぺたを膨らませていたものの、ハッとしたようにゼロの方を振り返った。


「あ、そういやスラっちが爺さんズの事気にしてたんだ!」

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