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ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

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スキルとダンジョン② 10/20 1回目

ブラウにかばわれ、ユキからはヨシヨシと頭を撫でられる。まさかチビ達にかばわれるとは…ちょっと情けない。


ただしルリは腕組みして俺を睨んでるあたり、引く気は一切ないっぽいけどな。


「何よ、はっきり言わないと分からないじゃない。ジョーカーズ・ダンジョンは高レベル者向けのダンジョンなのよ?カッコつけてちんたら一個一個スキル覚えてたら、近いうち死ぬわよ!」


ぐっ…そ、その通りかも知れねぇけど…!


「なんだルリ、ハクの事心配してたんだね」


ゼロがニコニコしながら言う。


え…そういう事なのか?ぶっちゃけキレてるみたいにしか見えなかったが。ルリを見ると、ちょっぴりだけ赤くなっていた。おー!キャラじゃねぇ!!


「当たり前でしょ!私は別にどうだっていいけど、ゼロは死人を出したくないって言ってるんだもの。それなのにあんたが死んでどうすんのよ!」


ルリはまだプリプリ怒っている。しかしルリも実は色々考えてたんだな…さすがエルフ達に姉御と慕われるだけはある。驚きのあまりぼんやりしていたら、今度はゼロが真剣な顔で話しだした。


「…実は…その事なんだけど」


「その事?」


「死ぬ可能性がある、って事」


ああ、その事か。


「そりゃしょうがねぇだろう。そこらへんの剣闘士だって命張って闘ってんだ。死にたくねぇから強くなる。俺は別にそれでいい」


多分スラっちもそうなんじゃねぇかな。


「まぁそう言われるとは思ってたけど…あのさ、この腕輪つけてくれない?『死亡回避』の効果があるんだ」


「…はぁ?」


「スラっちが死にかけて、色々考えたんだ」


いやいや、どんだけ過保護なんだ。自分の命くらい自分で守るし、死んだら自分の修行不足だし。なんか納得いかねぇ。


「そんな不貞腐れた顔しないの。あんたは修行三昧で知らないかも知れないけど、ゼロ、地味に安全対策進めてたのよ?」


ルリが苦笑気味にとりなしてくる。


…ちょっとくらいは知ってるけどな。戦闘要員とは別にヒールスライムやワープスライムを救護要員に充ててたり、俺やスラっちのダンジョンはボスの攻略条件も『瀕死』になってたりするし。


ぶっちゃけそれだって俺は生温いって思ったくらいだ。


当然ゼロは俺のそんな気持ちは知る由もない。まるで当たり前みたいに話を続ける。


「でも、全然充分じゃなかった。やっぱり物理的な対策が要るって思うんだ」


それでこの腕輪か。


「でもこれ、すんげぇポイントかかるんじゃないか?絶対、変化のピアスより高いだろ」


「そりゃ高いよ。1個20万ポイント、しかも1回死亡回避したら壊れるから、できる限り壊さないで欲しいんだけど」


高っ!!!

いや、意外と安いのか?


「いや、そんな大事なもんだったら挑戦者につけた方が良くないか?」


「スラっちにも挑戦者にもつけるよ。最初はダンジョン全体に死亡無効の効果がつけられないかって思ったんだけど、それは無理らしくって」


そりゃそうだろうなぁ。


「ただ、あり金…っていうか、持ってるポイントほぼ使っちゃったけど」


何にポイント使っちまってるんだよ、全く…!


…あれ?でもジョーカーズダンジョンなんかかなり改装してなかったか?


「それじゃダンジョンの改装とか出来なくなるんじゃねぇか?それに、武闘大会の事もあるし…」


「ダンジョンは今のを還元してポイント使い回せるからなんとかなるし…武闘大会の分はこれから貯めないといけないけど…でも、この腕輪は使って欲しい」


真剣な顔で言われて思わず頷く。

挑戦者も観客も多くなってきたし、こういう備えも要るもんなのか…。


ゼロは最初っから死なれるのが嫌だとか言ってたが、世の中人間なんかゴロゴロ死んでる。元ストリートチルドレンのナギ達曰く、冒険者が多いこの街じゃ親がある日いきなり帰ってこない、なんてザラにある事らしいし。


死に対する忌避感は、俺とゼロじゃ到底分かりあえない気がする。正直、生きるか死ぬかのギリギリ感とか興が削がれる気はするが、ここは折れておこう。



俺の中で気持ちの折り合いが付くと同時に、今度はスキルチケットの話が再浮上してきた。


「それにさ、やっぱりスキルチケットはハクが使った方がいいよ。今すぐじゃなくてもいいからちゃんと考えて、後々後悔しないスキルつけよう?」


「ハク!ミサイル!ミサイル覚えようぜー!!」


「え?飛べるし格闘も出来るしブレスも吐けるんだから、魔法系の方がいいんじゃないかなぁ」


「だ・か・ら!じっくり考えた方がいいの!」


ゼロが言いだしたのを皮切りに、皆揃ってああでもない、こうでもない、と好き勝手に検討している。


「ま、ここまで皆が言ってくれてんだ、真剣に考えてみるこったな。ただ、俺様を使役するようなスキルだけは勘弁しろよ?」


カエンにも軽く頭を小突かれて、俺は改めてスキルチケットを使う方向で検討する事になった。


「面白いので頼むわね。必ず相手の弱点つけるとか、物理攻撃無効とか、相手の動き操れるとか、魔王召喚とか…。スキル吸収系以外でもちょっと考えればいくらだって楽しそうなのあるんだから!」


ルリから無理な注文が入る。


…俺はちょっと考えたくらいじゃ、そんなにポンポン思いつかねぇんだよ。くそぅ、ルリが羨ましい…。


こりゃ今夜も徹夜で検討する羽目になりそうだな…。 ため息をつきつつ、俺は別の話題をふった。ぶっちゃけ考えるのに疲れてきたからだ。

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