表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

134/320

濃いめの挑戦者達⑯ 10/5 2回目

「あっ!ホントですぅ~!かぁわいい~!」


女召喚師は相変わらず能天気なコメントだ。キャーキャーと楽しそうにはしゃいでいる。


「プチドラゴン…が、ボス…かしら…。」


「いや、ここのダンジョンはスライムですら激強だからな。油断は禁物だ。」


呆れたような声の女盗賊に、バトルマスターが返した言葉は思いのほかマトモな事だった。…軽くびっくりだな。


少しからかってやるか。


「確かに見た目通りとは限らないよな」


一言だけ言葉を発してみる。挑戦者達は驚愕に目を見開いた。


「しゃべった!?」


「やっぱりただのプチドラゴンじゃないよ!」


面白いくらいびっくりしてるな。驚いてるところ悪いが、早速手合わせ願おうか。


翼をはためかせ、弧を描くように飛ぶ。


「あ!どこ行った!?」


衝撃だ。

俺の小さな体はこのトリッキーな鏡部屋に簡単に溶け込んでしまうらしい。思わぬ効果をあげている。


4人の前までハタハタと飛び、目の前で女豹の獣人に変化して、そのまま勢いよくムチを振るった。


ビシビシビシビシっ!!!


「ぐあっ!?」


「きゃあっ!!」


小気味良い音が響き、バタバタと挑戦者達が倒れていく。


またとないチャンス!

立ち上がれずにいるところを、至近距離で存分にムチを振るった。


突然。

ムチがいきなり重くなり、ぐっと引っ張られる。


あり得ない…!


バトルマスターがムチを掴んで引き寄せている。まさか、ムチの軌道を読んだとでも言うのか!?


引っ張られた拍子にバトルマスターに近付いたら、ヤツはなんだか潤んだ瞳で俺を見ていた。…何か…呟いてる?


「美しい…」


きもっ!!怖っ!!


思わず手元のボタンを押した。


バリバリバリバリっ!!!


電流が流れ、ムチを握っていたバトルマスターは煙をあげながら倒れこむ。


一瞬触れるだけで電流が威力を発揮できるよう、ムチの電圧はかなり高い。ムチをしっかりと握っていたバトルマスターの受けたダメージはかなりデカいだろう。


バトルマスターの手がムチから離れた隙をついて、一気に距離をとる。


なんか目が怖かったし!


男魔術師は慌てて回復魔法を唱え、女性陣は突如現れた女豹に戸惑いを隠せない。


「何…?この女、いつ現れたの…?」


「え?あれ?さっきのプチドラゴンちゃんはぁ?」


残念そうに呟いたが、さすがに切り替えも早い。


「まっ、とりあえずは目の前の敵、撃破ですよねっ!」


笑って杖を掲げる。


呪文を唱えて杖に口付けると、真っ赤な髪のイケメン精霊が現れた。なんか見た目カエンみたいだな。


イケメン精霊は出てくるなり、値踏みするように俺を上から下までじっくりと見ている。


「えらいベッピンさんが相手やん」


そう言いながらも「ま、だからって手加減はせぇへんけどな」と、無造作に火球を投げつけてくる。


危なっ!


それでも火球ごときを避けるのは簡単だ。軽く体を躱して、次々に飛んでくる火球をいなす。


ふっ…と影がさしたと思ったら、首があった位置を手刀が高速で通り抜けた。反射的に避けたからいいものの、今のは地味に危なかったぞ!?


「ほぅ、ベッピンさんな上に戦闘もなかなかいけそうやねぇ。あんた、結構好みやで♪」


イケメン精霊は楽しそうに言ってくる。


…ダメだ。バトルマスターといい、この女豹獣人の姿は俺の精神的ダメージがきつすぎる…。


俺は無言で巨大ドラゴンに変化した。


「うおっ!?なんだ!?」


「突然ドラゴンが現れた!?」


バトルマスターを回復して助け起こしている最中だったからか、男魔術師は状況が掴めていないようだ。


「違う!ベッピンさんがドラゴンに変化したんや!!」


イケメン精霊が補足する。

俺は話す隙を減らせるよう、強烈なブレスを放った。眩しい閃光のブレスだ。


辺りが光で覆われ、挑戦者達が目を抑えたのを瞬間的に確認し、俺はどでかいシッポを振り回す。俺のシッポに弾き飛ばされた挑戦者達は、面白いくらいブッ飛んだ。


「くっ…」


飛ばされながらもバトルマスターは諦めていない。壁直前で空中で体勢を整え、壁を蹴ってそのまま俺に飛びかかってきた。


背中から脇腹にかけて、斬撃が俺を襲う。


こいつ、やっぱ戦闘のセンスはホンモノだな、ちくしょう!


振り向きざま、俺も鋭い爪でバトルマスターの体を薙いだが、全身鎧に阻まれ体を吹っ飛ばすだけにとどまった。


その瞬間、ナイフが数本俺の体に突き刺さった。肩から腕にかけて、5本も刺さっている。


くそっ!痛てぇし!


カエンとの特訓じゃ打撲系の痛さばっかりだったから、ナイフや剣の裂かれるような痛みは慣れない。余計に痛い気がする!


魔術師爺さんの姿に変化し、回復魔法を唱えた。


「ええ!?今度はお爺さんになった!?」


「樹人…かしら?」


「幻術か!?」


驚愕している挑戦者達に、スターセイバーをお見舞いしてやる。魔法は不得意だが、これだけは特訓したしな!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の先日完結作品】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした』

先日完結しました。首席騎士様が強いのにカワイイとの感想を多数いただいております(笑)

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ