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ゼロのダンジョン、進化中!  作者: 真弓りの
ダンジョン改良

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濃いめの挑戦者達⑫ 10/3 2回目

「お爺ちゃん、かっこいい!」


サーヤちゃんはキラキラした目でモニターを見てくれている。良かったなぁ、魔術師爺さん。ちゃんと株を上げられたようだ。



戦闘はなおも続いている。


盗賊爺さんが矢継ぎ早に投げる投げナイフが、次々と間欠泉から飛び出したスライム達を仕留めていき、スライムメイジ2体とは格闘家爺さんと戦士爺さんがイキイキと戦っている。


あれ?魔術師爺さんは……?


「サーヤぁ、見てた~?」


…モニターに向かって、全力で手を振っていた。どんだけ孫バカなんだ…。


軽く脱力したが、スライムメイジ達を相手にこの余裕…爺さん達の実力はまだまだ本当に健在のようだ。


最盛期はどれほど凄い冒険者だったんだろう…と思うと、あのモニター前で手を振り続ける姿も凄そうに見える。


…いや、見えないか。やっぱり。



魔術師爺さんを見るとそこそこがっかりするが、爺さん達とスライムメイジ達との戦いは、冒険者なら漏れなく見学して欲しいくらい見所満載だ。


スライムメイジ達が放つ多彩な大技を、爺さんとは思えない身のこなしで鮮やかに躱し、返しの一発をお見舞いする。


爺さん達は派手な技を一切使っていないのに、スライムメイジ達が劣勢なのが分かるって…一体どういうことなんだろうなぁ。


カウンターでほどほどにダメージを与え、戦士爺さんと格闘家爺さんは思い切った奥義を繰り出した。


「ハイパー剣乱舞スペシャル!!」


「千手観音!!」


どちらも圧倒的な手数で瞬時に膨大なダメージを与える大技のようだ。怒涛の攻撃に、小さなスライムメイジの体は遥か彼方まで吹っ飛び、その命を散らしてしまった。


技名に歴史を感じるが…なんて無駄のない攻撃。


スライムメイジの実力を正確にはかった上で、回復されない程度のダメージを蓄積させて大技でトドメ。


かなり効率良く勝った印象だ。

爺さん達、マジでデキる…!!


武闘大会に出るとか言ってたけど、この爺さん達に勝てるような人間がいるんだろうか…。


少なくとも今のとこ、ウチに来る冒険者では勝てそうなヤツを見た事がないし、ギルドでも俺は会った事ないな。


まぁ、強い奴がギルドに顔出してないだけかも知れないが。それにしても、この爺さん達の強さじゃ…


「おいおい爺さん達、マジで強過ぎだな。大丈夫か、スラっち…」


思わず不安になってしまった。


ぶっちゃけ俺なら、この4人がかりでこられると…勝てる気がしない。



「スライムメイジのままだったら正直ヤバかったかもね。スラっちクラスチェンジしといて良かったよ」


そうか。スラっちもクラスチェンジして、今やスライムエニグマとかいう…よく分からない未知なるスライムに進化している。


調子に乗って強くし過ぎたって、反省したくらいだもんな。スラっちにしてみれば、久しぶりに全力で楽しく戦える相手かも知れない。


このところスラっちの所まで辿りつけるヤツがいなくて、スラっちも寂しそうにプルプルしてたし…うん、楽しい戦いになりそうだ!


…あれ??


俺、まさか…ボス戦で戦ってる最中で、スラっちと爺さんズの戦い…見逃したりしないよな!?


嫌な可能性に気付いて、一人で冷や汗をかく。


絶対、短時間であの4人を倒してやる…!!



決意も新たに、俺はジョーカーズ・ダンジョンのモニターに戻ったが…そこは修羅場…?カオス?


…なんだかよく分からないが、挑戦者達の悲鳴が響き渡っていた。



えーーーと…状況としては、第二ステージの小人ルームの出口に近い所までは進んでるみたいだな。


ただ、出口前だからなのかなんなのか、挑戦者達はピクシー2体、火鼠3体と戦いながら、襲いくるトラップや火花を避けるという難題に直面していた。


小人になった彼らにとって、ピクシーは等身大の飛べる美形妖精だし、火鼠に至ってはゾウレベルのデカさなのに俊敏で、しかも外皮も硬く棘だらけ…かなり厄介な敵だ。


さらにトラップの危険度が尋常じゃなく高い。一定のタイミングで壁からは槍が突き出し、天井から下げられた大きな刃が2つ、振り子のように揺れている。


タイミングを測るだけならまぁいけるだろうが、戦いながら火花を避けながらってのはしんどい。


第一、この火花ってのが…小人視点で見ると大岩サイズの火球が雨のように降ってくる感じで、ハッキリ言ってこれが一番ヤバいんだよ!


さすがに見ていて可哀想なんだが…。


「なぁゼロ、出口付近のこれ…さすがに酷くないか?」


ゼロはきょとんとしている。


「え?トラップ?あれは実は刃も槍も尖ってないから、当たっても打撲レベルだよ?」


言いながらモニターを覗き込み…口があんぐりと空いた。


「あれ!?なんでこんな事になっちゃってんの?」


ゼロも想定外だったみたいだ。


「最悪な所でモンスターにあたっちゃったもんだね。…ていうか…あれ?」


言いながら、ゼロは通信機に話しだす。

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