「高機能小説執筆フォーム」を使う
パソコンで執筆する方法は沢山あります。
例えば、メモ帳やワードのような「既存のソフトを使う」方法、あるいは、「小説家になろう」であれば、「新規小説作成」から直接書き込む方法があるでしょう。
いずれの場合も、こまめな保存とバックアップを取っておかないと、突然の停電やパソコン機器の破損、あるいはサイトのサーバーダウンなどによってデータが飛んでしまう可能性がありますから、注意が必要です。
特に「新規小説作成」で直接書き込んでいる場合、何らかの操作ミスによりブラウザバックしてしまったり、画面を消してしまったりすると、書いていた文章がいきなり消えてしまう可能性があります。
そうならないようにするために便利なのが、「高機能小説執筆フォーム」です。
これは、「新規小説作成」を行う際に別窓を設けることにより、執筆専用の空間を作り、執筆に集中することができます。
また、別窓にすることで、うっかり他のことをしていて消してしまう、という可能性を低くしています。
使い勝手は普通のメモ帳とあまり変わりませんが、小説執筆用にいろいろと便利な機能があります。
・横書きモード/縦書きモード
基本的に、インターネット小説は横書きで表示されることが多いですが、中には「縦書きネット」のように、縦書きで読めるものもあります。
また、いずれは出版を考えている人は、縦書きになった場合にどうなるのか知りたい時もあるでしょう。
そんな時には「縦書きモード」に切り替えることで、縦書きにしたときにどのように見えるか、ということがわかります。
・文字サイズ
ブラウザでは読みにくい、あるいは文字が大きすぎるといった時には、文字のサイズを変えることができます。
デフォルトは「中」ですが、文字が見にくい場合は「特大」~「大」にすれば見やすくなりますし、長い文章を書いていて一行で収めたい場合は「小」にするとよいでしょう。
ただし、あくまで執筆中の文字の大きさですので、これによって公開した時の文字サイズが変わることはありません(別途設定が必要です)。
・文字カウント
高機能小説執筆フォームを使っていると、文字数がわからないと思われがちですが、実は「文字カウント」というものが上部にあり、そこで文字数がわかります。
「改行や空白なしの文字数」「改行数」「スペース数」「改行や空白ありの文字数」がわかるので、文字数制限や大体の原稿量を知りたい場合に便利です。
・自動字下げ
小説作法を知っている人は、「新しい段落に行くときは一字下げる」というルールを知っていると思います。
ナチュラルに一字下げをしている人はそこまで苦にはならないかもしれませんが、段落ごとに空白を入れるのは面倒な人もいるでしょう。
そこで、あらかじめ本文を書きこんでおき、後で「自動字下げ」を押してみましょう。すると、すべての段落で一字下げが自動で行われます。
また、会話文の「 」の前では、段落のはじめでも一字下げないというルールがありますが、これも自動的に判別し、下げないようになっています。
・置換
小説を書いていると、表記ゆれを修正したり、ある表現を別の表現に一斉に変えたりしたい時があるでしょう。
そういう時は「置換」機能を使うと便利です。
やり方はメモ帳やワードなどの置換機能と同じで、「置換する文字」と「置換後の文字」を指定するだけです。
ただし、すべての対象文字が置換されてしまうので、置換した後は一度変な表現になってないか見直してみた方がよいでしょう。
・閉じる
高機能小説執筆フォームを閉じます。閉じると同時に、元になった「新規小説作成」のフォームに、高機能小説執筆フォームで書いた文章がそのまま転記されます。
・メモ
下部にある緑色の部分は、本文には関係ないことをメモするスペースです。
例えば、頻繁に使う用語をコピー&ペーストしておけば、いつでもメモスペースからコピーすることができます。
あるいは、登場人物の呼び方や口癖などをおく、伏線となる場所をメモしておく、といった使い方もあります。
このスペースは、「新規小説作成」のフォームに反映されません。
このように便利な機能ですが、いくつか注意事項があります。
前述のとおり、高機能執筆フォームを閉じると、元のフォームに本文が転記されてしまいます。
ですから、「小説家になろう」で編集する際は、一つの小説だけ開くようにした方がよいでしょう。
片方の窓である小説を編集しながら、別の窓で他の小説を編集する、といったことをしていると、関係ない方のフォームに本文が転記されてしまい、書きかけの文章が消えてしまう恐れがあります。
また、既に「高機能小説執筆フォーム」が開いている状態で「高機能小説執筆フォーム」を呼び出そうとすると、既に開いてるフォームの本文が転記されてしまいます。
ですから、書き終わったらフォームを閉じる癖を付けた方がよいでしょう。
もちろん、この機能を使ったからといって、データが安全に管理されるわけではありません。停電などの理由で書いている文章が消えてしまう可能性もありますから、元のフォームでこまめに保存したり、本文のバックアップを取っておいた方がよいでしょう。
普段高機能小説執筆フォームを使っている人でも、意外と知らない機能があったのではないでしょうか。
うまく使いこなして、効率的に小説が書けるようにしましょう。