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異世界の不自然問題

 主にラノベでは「この設定は大丈夫なのだろうか?」と疑問に思うことは多々あると思います。それは言語であったり、出てくる食べ物であったり、兵器であったり、名称であったり、様々です。

 感想欄で「異世界でこの名前はおかしいのでは?」とか、「こんな兵器開発出来るのに文明設定がおかしい」とか、そういうのを目にすることがあると思います。私も結構「この考え方はおかしいのでは」「この設定は矛盾する」みたいな指摘をすることがあります。

 果たして、異世界ものを書く上で、これらの考え方はどうすればいいのでしょうか。


【結論:自由にすればいい】

 万人が納得する物語を書くことは事実上不可能といえます。なぜなら、文句を付けようと思えばどうにでも文句を付けられるからです。

 語源がどうであれ、文明がどうであれ、その物語の設定は作者が作ったものであり、読者が作るものではありません。従って、作者は自由に設定を作り、自由に話を進めればいいわけです。


【言語や物の名前はすべて「日本語訳されたもの」と考える】

「異世界で日本語が通じるのはおかしい」という話がありますが、それも考え方によると思います。日本で産まれたから日本語をしゃべっていますが、産まれかわってアメリカで産まれたなら多分英語を話していると思います。そんな考え方で良いのではないでしょうか。

 転移、となると「日本語しゃべってたのに海外に旅行行ってしゃべれるのか」という話が出てくるかもしれませんが、そこは翻訳機能が働いていると考えていいでしょう。わざわざ「この世界に転移した時に言語が翻訳されるようだ」みたいな注釈を書いている人もいますし。

 また、物の名前や動作まで日本語なのがおかしい、となると「メジャンズをガーバレッドしたケァモッソをジューヴァンハッハしたモケソ」みたいな話になってしまいます。これをどういうことか説明していたら、かなり冗長な話になってしまいます。

 さらに語源が人物名や地名にある場合、異世界でもその名前なのはおかしい、という意見もあります。これも「日本で言う○○」という解釈にすれば問題ないかと思います。上記の通り、冗長な文章を省略している、と考えるのです。


【人名、地名由来も「日本で言う○○」ととらえる】

 語源が人物名や地名にある場合、異世界でもその名前なのはおかしい、という意見もあります。これも「日本で言う○○」という解釈にすれば問題ないかと思います。上記の通り、冗長な文章を省略している、と考えるのです。

 正直これを言いだすとキリがなく、特に仏教用語由来の言葉なんかは数多くありますし、四字熟語やことわざもほとんど使えなくなってしまいます。


【文明や兵器も「そういう設定、世界観だ」ということを前提にする】

 そもそもの話、異世界というものが存在しない(存在を確かめられない)ものであり、そこでの文明がどうなのかなんてわかりません。地球の他に生物が存在している場所があるかどうかすらも分からないのが現状です。

 また、地球と同じような星が他にもあるとすれば、同じような文明があっても別におかしくありません。あくまでそういったものを設定するのが作者の役割ですから、好きなように設定すればよいと思います。


【指摘したくなるのは「自己の知識や経験との矛盾」から】

 何故読者がこういう指摘をしたくなったり、引っかかったりするのか。それは、「自分の知識や経験と矛盾するから」だと考えられます。

 フィクションは現実世界と違い、作者の手で作られるものです。従って、読者の知っている世界とは違うことが当たり前です。

 ところが、読む方としては物語の情景を思い浮かべる時に、自分の知識と照らし合わせていきます。その結果、自分がもっている情報と小説の中の設定、言語が異なっていると、そこで引っかかりが産まれます。そういったことが気になってしまうと、話が入ってこなくなってしまいます。

 こういったこともあり、話を進める上では読者とできるだけ共感できる、想像ができるような設定にしている人が多いのではないかと思います。異世界で「中世ヨーロッパのような街並み」と書くと、大体どんな街並みなのかある程度想像できますよね。

 また、語源を知っている人が読むと、「異世界でその言葉を使うのはおかしい」という引っかかりが出てしまいます。それをスルーできるかどうかは読者次第ですが、指摘したい人は指摘してしまうようです。

 これらの引っかかりは読者の知識量にかなり依存しますので、引っかかりのない物語を書くことは実質的に不可能と言えます。ですから、こういった意見はあまり気にせずに自由に書く方が良いと思います。

 もちろん気にして別の名称にしたり、語源をはっきりさせたり、別言語を作ったりしてもかまわないと思います。


【物語内での矛盾は起こさないように】

 現実との矛盾は正直どうでもいいことですが、物語内の設定で矛盾を起こすことは避けた方が良いと思います。

 これは登場人物の行動や文明、言語、名称、なんでもそうなのですが、設定したのであればその設定に従って物語を進めるようにし、変な矛盾で読者の引っかかりを残すようなことはやめた方がいいいです。この部分は作者の書き方で工夫ができる点です。

 逆に矛盾が起こってしまった場合、「何故こんな矛盾が起こったのか」ということを解決する話ができれば、素晴らしい物語になるのではないでしょうか。

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