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「ステータス表示」に関する考察

 転生物や冒険物の中には、時々「ステータス表示」を使っている人がいます。

「ステータス表示」というのは、以下のような物です。


名前:フィーカス

レベル:33

職業:小売店店員

攻撃力:21

守備力:30

素早さ:84

魔力:10

特殊能力:包装レベル1、経理レベル13、アルバイト特権、タイピングレベル99


 このように、職業や持っている能力、あるいはパラメータを示すものです。


 ゲームに慣れている人は、ステータスを見ることにより、そのキャラクターがどの程度の強さを持っているのかが大体感覚で分かるでしょう。当然のことながら、数字が大きい方が強いことを示します(アルファベッドでF~SSSなどの表記も見られます)。


 これらの表記をする利点と言えば、やはり「数値化することにより強さが分かりやすくなる」という点でしょう。単純に数字が大きいと強い、能力をいっぱい持っていると強そうに見える、というのが一目で分かります。

 また、他のキャラクターとの比較としても簡単に利用できます。数値を変えれば、どのステータスが高く、どんなことが得意なのかが一目で分かります。


 さてこのステータス表示、その多くは何らかのスキル(ステータス表示のスキルや、相手の能力を見るスキルなど)で表示されることが多いのですが、小説で使う分にはどうなのでしょう?

 例えばこれが、元からステータスが存在するゲーム(VRMMORPGなど)であれば、そこまで不自然ではないでしょう。ですが、そうではない場合、あまり意味をなさないのではないかと思います。

 というのも、例えば「攻撃力:100」と表示されている場合、それは「どのくらい強いのか」というが分からないのです。結局「攻撃力:100」分の描写が必要になるわけで、そうなるとわざわざ数値で表す意味が無くなってしまいます。

 一応「攻撃力:100でこれくらいの威力なのだから、相手のステータスである攻撃力:500の攻撃をまともに喰らうとヤバい」みたいな判断には使えるのですが、果たしてそのキャラクターがその数値分の攻撃をきちんとしてくるか、というのは怪しいものです(手加減している場合もありますし、その攻撃が最大値なのか平均値なのか、などという問題もあります)。


 ステータス表示で利用価値があるのは、数値ではなく、能力が見られる点でしょう。もちろんその能力がどんな能力かが分からなければ意味がありませんが、あらかじめ知っておくことで対策をする、といった話を作ることが出来ます。



 さて、今まで書いて来たことを踏まえると、「ステータス表示をする」という能力は結構強力な能力であることが分かります。というのも、何度か書いている通り、「敵の強さを知ることが出来る=事前に対策が可能」なのです。「能力を見て対策をする」という話は出来ますが、逆に「未知の強さを持つ敵が作りにくい」という欠点になります。だって新しく出てきた敵なら、毎回ステータスチェックするでしょうし。

 RPGの攻略法に詳しい人は分かると思いますが、どんなに強い敵でも対策が簡単に取れてしまうと、途端に弱く思えてしまいます。強い敵をどう対策するのか考える点もバトルの醍醐味ですので、そこが失われるというのは実にもったいないことなのです。


 結局のところ、戦闘描写は数値に頼らない描写が必要になってきます。うまくステータス表示を利用できる話なら良いですが、何も考えずに使っていると、いろんな問題点が産まれてきます。

 ステータス表示を使った話を書こうという人は、こういったことも考えながら書いてみてください。

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