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えんど

こうして、神様はいなくなった。





優美香が神様を殺した時、

人間の優美香が悪魔の優美香から出てきた。


彼女が新しい神様になろうとする。力はほとんどない。

昔の神様を殺す時、彼女の力ほとんどを使いきったからだ。


優美香だった悪魔は、今度は悪霊の力で彼女を殺そうとする。

しかし、悪霊の力はするすると抜けていった。


少しの間、戸惑った。が、もともとなかったはずの力。


選択の余地はない。始めからこういう予定だった。

自分のすべての力を使って、新しい神様を殺す。そういう予定だった。



「殺さないで」



新しい神様が懇願の声を出した。

もう少し、私たちを生かして。お願い。



気が付けば、悪霊の姿があった。

悪霊は、新しい神様の背後にいた。



悪魔の優美香に、ほとんど力は残っていない。

あの強い悪霊は新しい神様を殺そうとしていた。



「申し訳ないが、あなたには力がなさすぎる」

清らかな心だけでは、前の神様と同じだ。

そう告げて、悪霊は神様を殺し、その後疲れ切った悪魔の前に立った。



「あなたも、もう眠ってください」

悪霊は優しく言った。


「あんた、崎野の手先か」

悪魔はそう思うことにした。


それなら、仕方ない。



「いいえ、私は私の意志で、あなたと一緒に眠りたい」

そう言って悪霊は悪魔を眠らせた。









神様は、死んだのか?



はい、死にました。



それなら、いい。

我々悪魔が、これ以上、苦しまなくていいならば。

それでいい。





悪魔は薄れていく意識の中、悪霊とともに眠った。










「崎野さん」

栗色の髪の悪魔はいつもその自慢の髪を指先に絡めて遊んでいる。

「神様、本当に死んでしまいました」



「そうね」

崎野はありあまったココアのほとんどを彼女に飲ませていた。

ココアを飲みすぎた悪魔は、天使のように柔らかくなる。


「これで、よかったのでしょうか」

悪魔は指遊びをやめて、天を見上げた。


「また、新しい神様ができあがるわよ」

崎野は外に出るしたくをしながら言った。



「留守番よろしく」


「あ、はい」

崎野はいつも、太陽が沈むころ出かけ、太陽が昇る前に帰ってくる。

今日はいつもより少し早い。太陽は紅く一番輝いている時間だった。





どうして気づかなかったのだろう。




崎野はそれから、帰って来なかった。




留守を頼まれた悪魔は、いつまでも崎野の帰りを待つ。

10年。




悪魔にとってそれは大した年月ではないが、

「暇だ」あきあきしてはいた。




そんなとき、ピンポーン、ブザーが鳴った。



崎野が帰ってきた。

そう思って扉を開けると、そこには男の子が立っていた。



「あの、今度隣に引っ越してきた山下と申します」



悪魔は、突然の来客の前で涙を落した。

来客は慌てた。大丈夫ですか?そんな声がしたが、悪魔は笑顔で言った。



「ありがとう」

天使が竪琴を奏でるような美しい声で。



長々とありがとうございました。

この作品が処女作と言ってもいいかと思います。


色々と不可解な点はあるかとは思いますが、

そこはご想像にお任せします。


最後まで本当にお疲れさまでした。

ありがとうございます。

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