表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

漫才4

作者: めい

「こんにちはどーもー! ケンタです」


「ミキです、よろしくお願いします」


「いやぁ、クリスマスも大晦日も過ぎて、世間は正月モード一色ですね、ところで皆さんはクリスマスはいかがお過ごしでしたか」


「家で1人でツイッター」


「それ俺のクリスマスだから! って何でミキちゃんばらしちゃうの!?」


「私は芸人仲間でパーティーしてました」


「俺の話はスルーなんですねそうなんですね……とまあ、今年は少し寂しいクリスマスを過ごしてしまった俺なんですが」


「去年もです」


「うるさいよ!? ばらさなくていいよ!? ……でですね。私、来年こそは誰かと過ごしたいんですが」


「人生諦めが肝心」


「ひどっ!? まだ20代なんだから諦めたくないですよ!? ……で、諦めきれない自分は、どうしてもやってみたいクリスマスデートがあるんですよ」


「へえ、そうなんですか。ところで私も最近ツイッターをはじめまして」


「だから! なーんーで俺の話題から話をそらすの!?」


「……あぁ」


「何で天をあおぐんすか!? 駄目っすよ! 今日は俺の話をさせてもらうんすから!」


「ありがとうございましたー」


「終わらすな! まだ俺の話は終わってない! ……で、ですね、どうしてもやってみたいクリスマスデートって言うのは遊園地でのデートなんですね」


「無理な夢」


「うるさいよ!? 可能性は0じゃないんだから! ほら、やっぱり観覧車の上で『きれい……』『あぁ、綺麗だね、でもお前の方がもっと綺麗さ』」


「おぇえええ」


「なんて擬音だよ!? そこはヒューヒューとかでしょ!? ……でですね、来年のクリスマスに遊園地デート出来るように、ミキちゃんに練習の協力をしてほしいんですよ」


「無駄な練習」


「何で確定なんすか!? 1年後がどうなってるのかなんて分かんないだろ!?」


「……分かりました。それでは私が遊園地に少し遅れてきた彼女の役をやりますので、ケンタは受付をやってください」


「うぃ、了解で……す?」


「ごめん、ちょっと遅くなっちゃって。うん……うん、それじゃはいろっか。えっと……入場券……あ、あったあった。受付の人、お願いします」


「え、あ、俺? は、はい、確認しました。ど、うぞ」


「……なんか、さっきの受付の人すっごく気持ち悪い目で見に来たねー」


「ちょっと待てい! 何でミキちゃんがデートしてんの!? 今日は俺がデート!」


「……やれやれ」


「だから、憐れんだ目で見ないで!? 万が一って言葉もあるじゃんか! というわけで、俺が遊園地に着いた彼氏の役をやりますから」


「私は第3者の役をやりますね」


「ミキちゃん……ほんとに関わる気が0ですね……いいですよーだ。……ごほん、『ごめん、待たせちゃったね。それじゃあ遊園地に入ろっか』」


「誰か! 誰かー! あそこに幼女を連れた誘拐犯がー!」


「誰のことだよミキちゃん!? って指差さない! 何で俺のデート相手が幼女になってるんすか!?」


「とうとうケンタも犯罪に手を……ええ、ええ、昔から小学生好きの気質がありまして……いつかやると思っていました」


「勝手に俺の変なイメージを世間に垂れ流さないでよ!?」


「このロリコン」


「嘘言うな! ったく、なんで初デートの相手が小学生なんだよ」


「相手がいない」


「うるさいなわかってるよ! ……お願いです。ミキちゃんが彼女の役やってくれませんか?」


「……はぁ、しょうがないですね。やってあげますよ」


「何でそんな上から目線なのか気になりますが、お願いします」


「ぴ、ぽ、ぱ。『ごめんなさい、ちょっと急用できちゃっていけなくなっちゃった』」


「デートさーせーて! 何いきなりドタキャンしてんの!? もう!」


「『ケンタ、今日は、とっても楽しかった。またデートしようね』」


「デート終わってんじゃん!? 大事なのはあいだ! 結果ではなくて経過を楽しみたいんです! ああ、もう! 自分がエスコートしてくから、ついてきてよ! 『よーし、まずは最初にどれに乗ろっかー。よし、じゃあまずコーヒーカップに乗って』」


「降りて」


「『次はモノレールに乗って』」


「降りて」


「『ゴーカートに乗って』」


「降りて」


「『メリーゴーランドに乗って』」


「降りて」


「乗ーせーて!! ミキちゃん! 乗り物乗ーせーて! こうさ、遊園地デートの醍醐味といえば乗り物乗って『キャー』って言ってるところで『大丈夫だよ、僕が着いてるからね』みたいな会話することでしょ!?」


「おぇえええ」


「その擬音やめて! そういう時は『ヒューヒュー』みたいに言ってよ! ああもう、せっかくの遊園地デートなのに、こんなんだったら陶磁器センターに行って土器を見てた方がドキッとしそうだよ」


「ヒューーヒューー」


「今その擬音やめて! 木枯らしになってるから! 分かってるよどうせすべったよ! ああもう、ミキちゃん、ちゃんとデートさせる気ないでしょ! もういいよ! じゃあこれで最後、俺たちは今からお化け屋敷に入ります」


「分かりました。『ケンタ、怖かったね』」


「だから終わらさないで! お願いだから一緒にお化け屋敷入って!」


「分かりました分かりました……『ケンタ、怖くなって来たね』」

「『大丈夫だよ、僕がついてるからね』」


「『出たあ! お化けー!』」


「俺の顔指差すな! 俺はお化けじゃねえ! ……はあ、だめだ……全然練習にならなかった。このままじゃ来年も俺は1人で過ごすのか」


「独り身だね。ヒューーヒューー」


「だから木枯らし吹かすな! もういいよ!」


「ありがとうございましたー」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] なし [一言] 芸人をやっているものです。 設定は良いんですが、あまりにもオリジナルティがありすぎて客に伝わらないと思います。 もう少しありきたりなものを使っても良いと思います。 うけどこ…
2013/08/07 22:50 なおちゃん
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ