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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
異世界探索編

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第58話 危険な異世界ツーリング

 異世界ツーリング、順調です。

 今回の配信はちょっと長くなる感じかなーとリスナーのみんなには話してある。


 昼過ぎからスタートなので同接少なめだけど、だんだん増えるでしょう……。


「いやー、いい風だねー。スパイス、ニケツするのは初めてだけどこれはテンション上がるねー。みんなは絶対真似しないでねー」


※『はーい』『頭の上にシノちゃんがくっついててかわいい』『狐を頭に乗せた幼女』『モヒカンの上はさっき却下されてたもんな』『幼女を肩に捕まらせているヒャッハー』『そのヒャッハーを載せて異世界を疾走する改造バイク……』


 総合的に凄く治安が悪い絵だね?

 街を抜けて森の間を抜けていく。

 あー、植生が独特ですねえ。


 こうやって走ってると道を塞ぐように樹が動いてくるし……。


「ヒャッハー!! 消毒だぁーっ!!」


 チャラウェイバイクから炎が噴き出した!!

 火炎放射器を装備してるのか。


※『キター! チャラウェイの炎で消毒!』『これを見ないと始まらないよなあ!』『普段はダンジョンだけど、今回は森の中だ!』『うおおおおお……やばくね?』


「現実だと違法だから使えねえんだ……」


「だよねー」


 そんなお喋りをする我々の前で、炎に包まれた動く樹木が『ウグワーッ!!』と苦しみながら倒れていく。

 そして止めた車から降りてきた迷宮省チームが、消化器を使って消火作業をする。


※『やはり……』『森林火災は防がないとな』『動く樹木はもう手遅れのようです』


 迷宮省スタッフ優秀!

 というか森の中で炎を使うんじゃないチャラウェイ!


「ついついノリでな……。やっぱこれしかねえな! クロスボウ! トマホーク!」


「うんうん……スパイスもよく考えたら、炎の魔法を封じられてるねこれ? そして森の中だから瓦礫も落ちてない。うひょー。スパイスは戦う手段を封じられたよ」


「こんこん!」


※『大ピンチじゃんw』『早く森を抜けろー!』『我らの魔法少女、攻撃手段が少なすぎる問題』


 ほんとにね!

 大急ぎで森を抜ける。


 そんな一行を、森の中に住むモンスターが追いかけてきているのだが……。

 うわー、でっかい熊!!

 全身から結晶を生やしたでっかい狼!

 木々の上を疾走するでっかい猿!!


 森は地獄か!


「まさに異世界って感じだったねー。堪能したー。もう二度と入らない」


※『スパイスちゃんのセリフの最後に本音がw』『異世界の森ヤバいな!』『どのモンスターも地球の動物の二倍くらいあったな』


 幸い、バイクと車の方が全然速かったので逃げ切れた。

 向こうは大きくなった分、速度がそこまで高くないっぽい。

 現実の動物と一緒かな?


「あっ、八咫烏からザッコが来てるぜ。面白そうだから僕も誘ってくれればよかったのに、だってよ! あいつなうファンタジーの仕事の収録があるから来れない日だろうが」


「企業勢は大変だよねえ。その点、スパイスたちは個人勢だからね!」


「おう! フットワークが軽いぜーっ!」


 森から飛び出して、次に走るのは荒野。

 全ての草が枯れ果てていて、地面のあちこちに紫色の泡立つ沼が発生してるね。


「絶対毒沼! またまたヤバそうな感じがしてきたよー!!」


『うおわーっ! 主様、危険な反応がビンビンです!』


『ん注意せよ主ぃ! これは……ここはいかんぞぉ! あいつがいるぅ!』


「あいつとは?」


※『知っているのか魔導書!』『魔力とか感じ取れるみたいだもんなあ』『さっきの森では警戒の声あげてなかったのに』『もっとやばいの!?』


『モギャーッ!! 我が領域に踏み込むとは、どこの支配地の魔人か!!』


『で、で、で、でたーっ!!』


『んグリーンドラゴンだぁーっ!! 今の主にぃ! 対抗手段はぁ、ゼロぉ!』


「ひょえーっ!!」


 頭上が暗くなったと思ったら、凄い声を張り上げて緑の巨大な生き物が降下してきた!

 緑の巨体、大きな翼、長い尻尾に黄金の角!


 毒沼を蹴散らしながら着地するのは、全長15mくらいある怪物!

 まさにドラゴンだ!


『我が積み上げた瘴気は渡さぬぞ! 侵入者は滅ぼす!!』


「すみませーん! 知らずに入ったんですぐに出ていきまーす!!」


『ならぬ! ほろぼーす!!』


「話が通じなーい!!」


※『うおおおお大ピンチ!』『ど、どうするんだー!!』『スパイスちゃんの配信が物理的に終わってしまう!』


「こうなれば、いきなり最後の手段だぞ!! うおおおリバース使用! あえて、うかつに……虚空に向ってなんか空間をリバース!」


『あーっ!! 主様いけませんそれは! それはなんか本当にやばいやつです!』


 分かってるよ!


『我が毒のブレスで骨も残さず溶けるが良い!! 貴様らも我の集める瘴気と一つになるがいい!! かーっ!!』


 大きく息を吸い込み、吐き出すグリーンドラゴン。

 ちょうどその眼の前の空間に、スパイスのリバースが決まった。


 何が起こるかといいますと……。


 一瞬、周囲の光景が白黒になった。


『!?』


 グリーンドラゴンが目を見開く。

 チャラウェイも「えっ!?」 とかびっくりするので、スパイスは慌ててチャラウェイのモヒカンを引っ張って「はしれー!! はしらないと死ぬぞーっ!!」と叫んだ。


 迷宮省の車も何かを察して、猛スピードになる。


 グリーンドラゴンのブレスが、リバースを使った空間にキュイーンと吸い込まれて……。


『なんだ、これは……!?』


 次の瞬間、白黒になった空間に色が戻ってきた。

 爆発!


 とんでもない爆風が吹き荒れて、チャラウェイバイクと迷宮省カーが宙を舞う。


「うーわー!!」


「ぎえーっ!!」


「こんこーん!!」


『主様やっちまいましたねーっ!!』


『んだがこれしかぁ、なぁーいっ!!』


 車もバイクも荒野をゴロンゴロン横転だ!

 いやあ、死ぬかと思った。

 で、爆風が収まった後。


 奇跡的に、迷宮省カーはタイヤを下にして着地していた。

 チャラウェイがパッと飛び起きて、バイクを起こす。

 スパイスも手伝うぞ。


 そして地面で腹を上にして伸びているシノを回収。


※『な、な、何があったの!?』『説明をもとーむ!?』


「えー、つまりねー」


 また走り出したバイクの上で、解説するよ!


「リバースの魔法はこう、世界を構成する力を逆回転させるので……地球で同じことをすると核爆発が起こるんだけどー」


※『ギャピー』『ぐえー』『マジ!?』


 マジマジのマジ。


「だけど異世界は色々世界の構成が変わってるでしょ。なら全然違う効果かなーと思ったんで、死ぬよりはいいぞってギャンブルしたんだ。勝ったね!」


 遠くでは、ドラゴンがひっくり返ってひくひくやってる。

 死んではないけど、しばらく目を回してるみたいだ。


 この隙に離れる!


 いやー、異世界ってほんととんでもないな!

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
スパイスちゃんまさかの「アイ・アム・アトミック・・・」で1年の〆!! 作者様、今年も楽しいお話を有難う御座いました!良いお年を!!
低レベルでとんでもないことするなーッ!
咄嗟にそんな博打張れるスパイスちゃんとんでもないな……w
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