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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
異世界探索編

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第53話 八咫烏にお願いしよう

「炎の魔法の練習をするなら、やっぱり異世界がちょうどいいのでは?」


「言われてみればそうやねえ」


 そういうことになり、俺たちは異世界にて魔法練習などをすることになった。

 表の世界はとにかく目立つ。

 スパイスの存在に注目されてしまうと、後々面倒なことになるのだ。


 ……いや、さんざんスパイスの姿で元いた街を闊歩したり買い物に行ったり、幼女氏と遊んだりしていたんだが。


 あれはスパイスの姿になってテンションが上がっていたんだろうなあ。


「ほな、うちがお相手を務めさせてもらいます。おいで、護り鬼」


 シノが呪符のようなものを放ったと思ったら、それが人間サイズの盾を持った警備員みたいなものになった。


「やっぱり異世界では簡単に術が使えますわあ。なんやろね、これは。サンプルを幾つか職場に送ってはおるんやけど」


「スパイスの魔法はそんなに変わんないかなー」


「それはあれやろ、スパイスさんが魔法を使うセンスがあるいうことで、一種の天才とかそんな感じの?」


「いやいや、そんな大したものじゃないよー。魔女の正統後継者なだけで」


「それや! 自覚がないのは堪忍してほしいわぁ」


『ん会話は終わりだぁ! 行くぞぉ! 目標はぁ、ファイアボールまで行きたいがぁ! いきなり使おうとするのは大変だぁ! トーチという魔法からぁ! 練習するぅ!』


 トーチ。

 手に筒を持ち、そこから炎を吹き上げる魔法だ。

 照明にもなり、炎を剣のようにも使えるんだそうで。


「イメージだけ聞くとかっこいい。どれどれ……?」


『ん主ぃ! その手にした紙の筒はなんだぁ?』


「あー、トイレットペーパーの芯やね」


「うん、住人がスパイスとシノさんの二人になってから消費が早くなって」


『ん魔法をトイレットペーパーの芯でぇ!? まぁぁ行けるだろぉ! 魔女が使うならぁ、触媒の効率差はあってもぉ、貴賤はないぃ。そら行けぇ!』


「へいへい。えー、噴き上がれ! トーチ!」


『んページがめくれるぜえ!』


 イグナイトのページがぶるぶる震えている。

 オレンジ色の輝きを放ちながら、それが今ちょっとだけめくれて……!


 俺が手にした筒から、ちょろっと炎が出た。


「あっ、ちょびっとだけ出た」


 護り鬼が律儀に前に出てきて、この炎を盾で受け止めてくれる。


「どう?」


 護り鬼が首を傾げた。


「あかんって」


「あかんかー」


『ん反復練習だぁ! 大体十回使えば普通に使えるようになるぅ』


「そんな使うの簡単なの!?」


『主様は正当な魔女ですからねー。こういう基礎はきちんとイメージさえできればさっさと使えるものなんですよー。ほら繰り返し繰り返し!』


「へいへい」


 トーチを言われるままに十回使ってみた。

 すると……。

 確かに、十回目で筒から吹き上がる炎の大きさが数倍になった。


 あー、これは竹刀くらいの長さで、炎の剣としても使えそう!


「おー! あんじょうやれましたねえ! それじゃあ護り鬼でこれを受け止めて……」


「おりゃー!」


 俺が振るったトーチは、護り鬼の盾にぶつかると……。

 へにゃんと曲がった。


「あー」


『ん炎に芯がないからなぁ。炎そのものを武器にできるのは、最上位の使い手くらいだぁ。フレイヤとかなぁ。なのでぇ、武器としても使うならば炎の芯も用意しておくといぃ』


「なるほどなあ。殴っても痛い道具をトイレットペーパーの芯でくるんでおくのがいいんだ」


 打撃と炎の二倍ダメージが狙えるわけね。

 オーケーオーケー。


「ほな、剣術を学ばはりますの?」


「ちょっとだけね」


「うちの知り合いにちょうどおあつらえ向きのお人がおりますけど」


「えっ、ほんと!? 手伝ってくれるかな」


「手伝ってくれると思いますわ。あのお坊ちゃま、面白いこと大好きなので」


 お坊ちゃま……?


「本当は大社の直系として、神在の地にいらっしゃらないとあかんのですけど、ふらふらしてる方なので配信者なんかして遊んではりますね」


「ははあ、なんとなーく誰か分かってきたぞう。配信者ネームとその性格からして……八咫烏さんでしょ」


「正解! うちら術師の系統の最上位にあたる血筋のお方で、術の才能は御兄弟が継がれて次の宮司にならはるんですけど、坊っちゃんはねえ……。剣といえば坊っちゃんなんで」


「えー! 意外! 八咫烏ってスポンジライフルのラーフで戦うスタイルでしょ? いや、スパイスもなんであんな戦いづらい武器をわざわざ使ってるんだろとか思ってたけどさ。全然連射も効かないし、弾丸もかさばるし」


「手加減やね」


「手加減! ダンジョン相手に!!」


「坊っちゃん、剣を使うとダンジョンがほいない(儚い)からと。いや、坊っちゃんはあれはもう剣とかそういう次元やない」


「それで配信者のトップクラスになっちゃうんだ。異常に強いぞ。その八咫烏がスパイスの練習に付き合うって!?」


「ええ。連絡してみましょか? もしもし? ユー……じゃない、八咫烏坊っちゃんー」


 してもらった。

 ちょうど昼過ぎだったので、寝起きの八咫烏と通話ができたのだった。


『おー、スパイスちゃん魔法の練習するの? いいよいいよ。僕が付き合うよ。その風景配信していい?』


「いいよー!」


『やったー、配信のネタができたー。あ、シノも今そっちにいるの? そっかそっか。じゃあたまには顔を見に行くのもいいね』


 ちょっと眠そうな声でそれだけ言うと、通話が終わってしまった。

 なんともマイペースな御仁だ。


「剣については坊っちゃんに教わるのがええでしょう。んで、ついでに炎を使った実戦も試せると。……ちゅうことで、うちが色々紹介した報酬ですけど」


「しっかりしてるなあ! じゃあちょっといい所のおうどん取り寄せるかあ」


「関東風のつゆも、十年もおると慣れてきてますからね。それでええでしょう。油揚げ二枚載せてくださいね」


 練習から帰還する俺たちなのだった。

 そして、俺の元の姿とムラカミさんの姿になって、二人でふうふううどんを啜っていると、ノックも後で我が家の扉がガチャっと開いた。


「ヒャッハー! 遊びに来たぜぇー!! 八咫烏一人だと道に迷うからよ……」


「連れてきてもらっちゃったよ。どうもー! 八咫烏でーす!」


「あ、ど、どうも」


 チャラウェイまで登場!

 本当に君は色んな人のお世話をしてるな……。

 そして初対面になる素顔の八咫烏は、柔和な笑顔で上品な感じのお兄ちゃんなのだった。

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
すんごいのが出てきた!
八咫烏さん、本領は剣だったとか大社の御曹司だったとか、そんな裏設定があったなんて……w しかし徐々にフォーガイズの面々との繋がりが濃くなっていきますなぁw
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