表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
美少女、家を買う編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/363

第47話 魔女と魔導書の新居内覧会

『ほぉぉぉ! こぉうなっているのだなぁ! 中央に通路ぉ! 右側に玄関とバス、トイレぇ! 左側に寝室とウォークインクローゼットぉ! 正面にダイニングキッチンとリビングぅ! そしてその横が和室ぅ!』


『いいですねいいですねー! 先代の家は洋室ばかりでしたから、和室って憧れてたんですよねえ! 私ここが気に入っちゃいました主様ー!』


「そっかー。じゃあ即決してもいいかもなあ。即決できますか?」


「は、はい、もちろんです!」


 不動産の人が色々準備を始めた。

 このあと、店に戻って手続きをしたりするんだろう。


 で、こちらも何日かかけて用意するものがある……と。

 ではその間に、新居となる屋内をもう少し見させてもらおう。


 防音用に壁を厚くした関係で、ほんの少しだけ間取りが狭くなってるんだそうだ。

 大丈夫?

 壁の中に何か塗り込めたりしてない?


 ま、塗り込められていても平気だろう。

 配信者が住み着くということは最強のセキュリティらしいし。


 フロータとイグナイトがびゅんびゅん飛び交いながら、『ベッドはあっちですね!』『配信は二部屋でやれたほうがいぃぃ!』『窓から外が見えますねぇ!』『んんん燃えやすそうな家ばかりだぁ!』とか言ってる。


 そうだね、ちょっと古めの町並みだから、イグナイト的な感想はそうなるね。

 燃やすなよ。


 今はスパイスの姿ではないから、念話ができない。

 表情で分かってもらおう。


 さて、キッチン。

 なかなか広くて使いやすそうだ。

 料理しながら、ダイニングからリビングまでを一望にできる。

 広いな……!


 この空間だけで俺の部屋が一つ半入る。

 普通に買うとこんな田舎でも中古で二千万とかしそうな物件なのだが、ダンジョン化という究極の事故物件化を経過したので、五割引くらいまで安くなっているのだ。

 リフォーム代考えたら赤字じゃない?


 か、買うか!

 買ってしまうか!!


 人生最大の買い物だ!


 俺はなんかうずうずしながら、物件の中を歩き回った。

 和室。

 畳は張り替えられている。


 い草のいい匂いだ。

 ここに寝転ぶのもいいな……。


 そして、エアコンが掛かってない一月だというのに、室内はほんのり暖かい。

 壁が分厚く、防寒性能も高いお陰だ。

 夏は暑さを通さないだろう。


 素晴らしい。

 電気代もお得だ。


『おやあ~? ちょっとだけ下級霊がうろついてますねぇ。えいっ』


『ウグワーッ!』


 フロータが本のヘリで、何も無いところを叩いた。

 そうしたら悲鳴が上がり、半透明のものがプシューッと空気に溶けて消えていく。


『こっちにもいるなぁ! ぶらぁっ! ティンダー!』


『ウグワーッ!!』


 イグナイトが謎の雄叫びとともに放った火花が、やっぱり下級霊らしきものを浄化する。


「まだまだ寄ってくるものなんだな」


『ですねー。これ、ダンジョン化が解けたあとに節約してお祓いやんなかったっぽいですね。リフォームしてるけど怪奇現象が多発して、だからこんなに安いんですよきっと』


「なるほどなあー。俺は下級霊程度じゃもう怪奇現象とも思わないもんなあ」


 自ら浮かんで喋る魔導書二冊に、意思を持ったAフォンを持っており、俺自身が魔女である。

 四階の四号室で、霊がちょこちょこ出入りするところ。

 魔女の隠れ家としてちょうどいいんじゃないだろうか?


『あっ、ここ、なんか霊的な死角になってて外からはどうやっても中を覗けないみたいですね! ダンジョン化がちょっと残ってるみたいです!』


「フロータ、次々に新事実を発見していくな……。奥で不動産の人が真っ青になってるじゃないか」


 どうやらダンジョン化が残っていることまでは知らなかったらしい。

 あと少しお安くなるかな……。


 結局、その物件で決まった。

 ただ、自由業の俺では銀行からローンの許可が降りなかったので、今月中に迷宮省が銀行を殴ってくれるらしい。

 それでローンは通るだろうということだった。


 入居は今月半ばから。

 引っ越しの準備をしないとなあ。


 物件紹介のお礼がてら、ターミナル駅の前でお菓子などを買い、マシロの家に挨拶に向かった。

 インターフォンを押すと、マシロのご母堂が顔を出す。


 挨拶をすると奥に通された。


「先輩、物件決まったんスか!」


「決まった決まった! マシロとマシロのお父上のお陰だよ。お礼しようと思って」


「いやー、あたしなんか別になんもしてないッス」


 マシロが仲介してくれたから、こんないい物件に出会えたのではないか。

 リビングに通されて、そこでマシロ父にお菓子を手渡した。


 おお、なんか高級そうな紅茶と茶菓子が出てきたんだが?


「いや、なに、君には娘が世話になっているからね。羽振りもいいと聞く。持てる者のもとには、良いこと、いいものが集まってくるものだと思うからね」


 なんか奥歯にものが挟まったような物言いをする人だな。


「それで……どうだね? マシロとはどこまで……」


「お、お、お父さん!! ノンデリ行為やめてっ!!」


「ウグワーッ!」


 マシロがお父上を蹴り倒した!

 椅子ごとぶっ倒れるお父上。

 ご母堂がニコニコ笑っているのだった。


「なんと賑やかな人々だろうか」


 俺は内堀まで埋められてしまった予感を覚えながら、美味しいお茶と茶菓子をいただくのだった。

 本当にいいんですかね、この流れ……!?

お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 完全に婿殿としてロックオンされてますなあwwwwまぁ二人の相性自体は決して悪くないとは思いますけども、こういうのは当人の意志が一致しないと将来的に失敗しますからなぁ。 それでは…
内堀埋められてる認識はあるんスね。ちょっぴり安心したッス。
大丈夫、まだYESしか無いYES No枕が置いてある寝室に案内されてないから。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ