第352話 なんかヒーローものみたいな絵面だぞ!
「アイシクルバインド!!」
『えっ!? その魔法あたし知らないんだけど! あ、ずっとイメトレしてた? うおー! なんかすっごいパワー出るー!!』
ウィンディの手から伸びる青い吹雪みたいなのが、触手な尖兵を拘束する!
いつもよりも全然威力があってびっくりしてるスノーホワイトなのだ。
それは当然。
だってウィンディには金色のチョーカーがついてるからね!
『一緒に活動してるよしみで、アタシのパワーをお裾分けするわよぉー!!』
※『うおおおお!』『パワードウィンディだ!』『でかい触手なやつを拘束してる!』
『MOGAHHHHHHHH!!』
もがーって叫びも英語なのね!
パワーが圧倒的に上昇したウィンディが、空を飛びながら触手尖兵を振り回す!
「派手すぎる! 周りの建物に気をつけてねーっ! おらあーっ!!」
ビルの間を飛び回ったマイキーが、触手尖兵にワイヤーをくっつけて急速接近!
そしてなんかCLAHHHHP!! とか音を立てて殴って、また通過していった。
いい感じで活躍する場所を見つけるなー!
普通なら飛び込んだだけで大怪我確定だもんね。
流石プロのヒーロー!
「ほんじゃあ、スパイスも行きますか! 最近はミキシングができるんだよねえ。基本フォームに、差し色でグレー! マフラーと眼鏡の縁をゴールド! うおー! マインドスパイス・ミックス!」
フライトで飛び上がる!
時速800kmに到達しなければ、アネットには気づかれないってこの間実証したからね。
振り回された触手尖兵が、地面に叩きつけられる!
スパイスは腕に、可視化できるように色を付けた精神エネルギーを纏って……。
「うおー! マインドブラストーっ! 連打ーっ!!」
触手尖兵に連続でパンチパンチパンチ!
『UGWAHHHHHHHH!!』
尖兵が紫色の光を喰らいながら、じたばた暴れるぞ!
「ジャパンのリトルウィッチは派手だねえー! うちよりも絵的に派手じゃない? マンガのパワー?」
「そんな感じ!」
「ウィンディはカンザス出身なんだけどー! スパイス、アーカイブ見てたけどあれいける? スノーホワイト! 2人分で変身!」
『はいはーい! パワードがいると便利よねほんと! いくわよーっ!!』
「うおーっ! 一冊の魔導書を~! 二人で共有! へんしーん!」
スパイスの姿が変わるぞ!
ラビットスパイス・パワードモードだ!
「うっしゃ、行くぞウィンディ!」
「オッケー! アイシクルバインド! アゲイーン!」
「ウインドホールド!!」
『あたしのパワーがめっちゃ使われてるーっ!! いけいけどんどーん!!』
『アタシも増幅した甲斐ががあるわあ!』
氷の拘束魔法!
そして風の拘束魔法が同時に触手尖兵を固める!
『Noooooooooooooo!!』
なんか悲鳴を上げて暴れてるけど、何もさせてもらえないなんてあんまりだぁぁぁぁくらいの意味じゃない?
わはは!
リトルウィッチデュオ相手に尖兵程度が対抗するのは無理なのだ!
上空に飛び上がったスパイスが、ウィンディが風を纏って突進だぞ!
「ラビットーッ!! ストラーイク!!」
キック炸裂からの連続ふみふみ!
スパイスの攻撃で上空に勝ち上げられながら、氷でガチガチに固まっていく尖兵。
『UGWAHHHHHHH!!』
そこへ、満を持しての~!
「ウィンディストラーイク!!」
足を氷で強化したウィンディの、ミサイルキックが尖兵を貫く!
これって内部から凍結させて、その上で衝撃を加えて砕く技なので……。
『UGWAHHHHHHHHHHHHHHHH!!』
叫びながら、触手尖兵が粉々になってしまったのだった!
うおー!
やっぱり見栄えする技だなあ。
周りで見てたアメリカンな人々からは、ファンタスティーック! アメイジーング! とか大歓声があがっているのだ。
やっぱ、こういうのは娯楽だよねえ!
悪いやつを退治するのは、面白おかしくやった方がいいに決まっているのだ。
だって、悪事をやろうとする連中にとって、自分のそれがコンテンツ化されるってのは一番嫌なことじゃない?
なお、正義の味方は厳密に資格制にした方がいいとスパイスは思ってましてですね。
そうしないと、悪役をでっちあげて一般の人に迷惑を掛ける迷惑系私的制裁正義の味方が出ますからね。
おっと、そんなことをお肉どもに話してたら、無資格なヒーローであるウィンディのご帰還だ!
彼女、一般人だからねー。
「あー、気持ちよかったー!」
「おつかれー!」
「いやー、参ったね! リトルウィッチデュオ! これは流行るよー! えっ!? 二人がたまたま一緒にいるときだけにやる突発ユニットなの!? もったいない!」
大げさなジェスチャーをしながら全部説明してくれるマイキー。
ガネットといい、マイキーといい、ガーディアンズの常人勢はエンタメってものが分かってる人ばかりだなあ!
チャラちゃんを思い出す~。
※『久々のリトルウィッチデュオだったなー』『深夜配信だったから、明日がある私たちのために短時間で終わらせてくれたね』『まさか十分で終わるとは』『いい夢見れそう』
「はーい! 配信は終わりです! みんな寝ろ! 寝ろー!!」
こうしてスパイスはお肉どもを夢の世界に押し戻すのであった!
なお、本日は尖兵が何箇所かで出てきたらしく……。
「うほーいおつかれー」
クシーが車の中で手招いている。
あれ?
なんか車の外で二人組の男の人が白目を剥いてぶっ倒れてない?
「なんか無理やり乗ってこようとしたから、精気をごっそり奪ってやったー」
「色欲の大罪~!」
そしてアメリカは色々と物騒でもあるんだなあ!
なお、乗り込もうとした時点で車の防御機構が働いて、強盗を電撃ショックで撃退したりもするんだそうだ。
クシーに謝っているマイキーを横目に、スパイスとウィンディでよそに出現した尖兵とガーディアンズの戦いを見てみるぞ。
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