第350話 ウィンディ合流!
ガーディアンズの基地に泊めてもらった。
普通にゲスト用の宿泊施設があるのね!
崖の中はほとんどがくり抜かれ、秘密基地化していた。
ヒーローものやロボットものでありそうな基地だ。
男心をくすぐるな~。
「あっ、個室だ! 助かるなあ」
『スパイスちゃん女の子の見た目だから、まとめて同じ部屋にされそうですもんね』
「うんうん、オーストリアのグラーツ行った時も、ウィンディと同じ部屋だったんだよねえ」
『間違い起こさないのさっすが』
「常に幼女か女性の姿でしたから! アメリカ滞在中は変身解かないぞー」
ベルゼブブとそんなやり取りをしながら、本日は終了!
ディナーはなんか豪華なハンバーガーとかピザとかタコスとかポテトだった。
みんなジャンクフードを食べている!
というか、食へのこだわりがそこまで強くないっぽい。
定番の食事をして、ビールとかコーラを飲んだら満足みたいな。
えっ、食後にハーゲルダッツが!?
おっ、日本のハーゲルダッツと味がちがーう。
『ゲストが楽しんでくれているようで何よりです』
『そういうメカは普通に食事をするのね』
『私はあなたと深層で繋がり、暴食の力を根源にしながら動く存在ですから。一日に一万二千キロカロリーを摂取しなければ活動ができません』
「めっちゃ食べる~!!」
スパイスが驚くので、ガーディアンズの面々がHAHAHAHAHAと笑うのだった。
彼らはみんなプライベートもあるけど、同時にヒーロー活動が本職なのでここに出勤してきたり宿泊したりしてるらしい。
基本、全員西海岸に今の住居を構えてるとか。
最近のカリフォルニアの暮らしとか、みんながハマってることとか聞けて楽しかったのだった。
なお、ガーディアンズはアメフトと野球を半々で鑑賞するようにしているらしく、これによって左右の偏りを均等にしてるとか。
妙な気遣いが必要な国だなあ!
翌日。
シャワーを浴びて、用意されたガーディアンズのコスチュームを身につけ、朝ごはんのコーンフレークに牛乳を掛けたやつをもりもり食べた。
オートミールとかにジャムを乗せて食べるのはちょっと……!!
『色付きの私のようです』
『そりゃ造形一緒だからねえ』
メカはづきと、ガーディアンズコスのベルゼブブがお互いを指さしあってなんか言ってる。
ということで、アメリカ滞在中はガーディアンズのゲスト隊員ということで、色々な活動についてまわるわけだ。
本日は、マイキーと一緒にパトロール。
彼の運転する車に乗せてもらうのだ。
「よろしく頼むぜ、スパイス! 君みたいなリトルガールがジャパンのヒーローだなんてな。いや、リトルウィッチか! イカスね!」
「ありがとー! あと、今日の便で友達が来ると思うんで」
「ああ、カンザスから来るんだっけ? 向こうにもリトルウィッチがいたんだなあ」
なんかアメリカンなポップミュージックを掛けるマイキー。
元オリンピック選手であり、優れた身体能力を持つ彼。
正義感に溢れてるので、ガーディアンズ結成! 隊員募集中!となった時、真っ先に応募したらしい。
ネームバリューもあるし、己の実力への自負もある。
輝かしい経歴もあって、彼は見事にガーディアンズに合格した!
そしたら周りが化物だらけだった!!
だが!
ただの人間でしかない彼は全く折れない、しょげない、諦めない。
身体能力を常人の三倍にするスーツを開発してもらい、これを身に着けて活躍するようになったわけだ。
このスーツは着用者の能力を引き出す代わりに、体に大きな負担を掛ける。
肉体を常に鍛えているマイキーでなければ扱えないわけだ。
陽気な見た目に似合わず、ストイックな男なのだ!
……という話を途中で聞いた。
自慢話風でなければもっと良かったのになあ!
空港に到着。
マイキーとスパイスが車から降りると注目される。
「見て、ガーディアンズのマイキーだわ!」「彼ってとってもクールよね!」「オリンピック銅メダリストの栄光だけではなく、市民を守るために立ち上がるなんて」
マイキー、かなりモテるな!?
「なんだかちっちゃい子が横にいる!」「かわいいー! ガーディアンズの新入隊員かしら」
ゲスト隊員です!
『主様のこの姿、記念に撮影してツブヤキックスに流しましょうよ』
「フロータ、いいところに気付いた。フロッピーよろしくー!」
『はい、了解しました。行きますよー。はい、チーズ』
本場の発音でチーズと言ったフロッピー。
スパイスもマイキーもにっこりしながらピースサイン。
この写真をアップしたら、ウワーッと反応が来た。
『スパイスちゃんがヒーローに!!』『新コス!?』『体にフィットしたスーツのスパイスちゃん、いいと思います!!』
まあ、能力を使うときにはいつものスパイスに戻るんですけど!
『さすがのお肉どもでやんすねえ。そして好反応』
『アタシのコスチュームは自由にいじれるから、今度からこれにしてみない? アタシ、こういう正義~!! って感じの派手なスーツ好きよー!』
「いいねー! じゃあアクションスパイスのネクストフォームはこれだ!」
あとは許諾を取って……。
ということろで、飛行機が着陸!
ウィンディとクシー登場です!
「スパイス~!! スノーホワイトー!」
「ウィンディー!」
『久しぶりじゃないウィンディー!! 元気してたー!?』
スノーホワイトも飛び出していって、ウィンディの顔にペタッと張り付いた。
「んもー、スノーホワイト落ち着いて!」
「やほー。スパイスちゃんと、そっちは噂のマイキーね。クシーです。よろしくー」
気だるげな、色欲の大罪クシー。
「よろしくな、二人とも! いやしかし驚いた。こんなに綺麗なレディが二人もやってくるなんて! スパイス、君の交友関係は素晴らしいな! 俺にも紹介してくれないか?」
「二人とも未成年なので、ちょっとまだそういうことはできないかなー」
「アウチ! そいつはまずい。今のは無かったことにしてくれ!」
ガーディアンズはコンプラ的にもしっかりしているのだった!
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