第338話 オフ会当日なのだ
光陰矢の如し!
時は流れて四月の下旬!
オフ会当日がやって来た。
「フード準備よし! グッズ準備よし! 会場準備よし!」
既にスパイスの姿でスタンバっているのだ。
会場の中をパタパタ動き回って指差し点検。
昨日もチェックしたが、本日も問題なし!
「ウェイウェイ!来たぜ来たぜー!」
「今日は楽しいオフ会にしような!」
「ミーティングが昼過ぎからで助かったよー。それと、エミナから連絡来まくるんだけどスパイスちゃん何か入れ知恵した?」
「ひみつー」
八咫烏も妹ラブっぽいから猛アタック効くぞーって言っておいた。
「なにぃーっ」
フォーガイズが揃ったので、スタッフさんたちがちょっと浮き立っている。
イベントが終わったらサインを受け付けまーす!
四人集まったところで、本日のタイムテーブル。
待ち時間にこれまでのスパイスの配信の振り返りをして、そこからスパイス登場!
一曲歌う。
で、リスナーからのお手紙読み、その場での質問受付と受け答え、それが終わったらチャラちゃん登場。
……というようにイベントは進んでいくのだ。
さて、一通りのリハーサルをやって、ついに開場時間!
「みなさーん! 今日はよろしくお願いしまーす!! それではー! 黒胡椒スパイスオフイベント! 第一回! マジカルスパイシー、開催しまーす!!」
スパイスの宣言とともに、みんながワーッと拍手をした!
うおー! やるぞやるぞー!
開場と同時に、ウワーッと入ってくるリスナー諸氏。
運営スタッフがもぎりを担当しており、チケット購入時にリスナーネームを教えてもらっているので、これと照らし合わせを……。
なお、チケットの通し番号とリスナーネームが噛み合わない場合は入れないぞ!
今回は無事、全員が入場できた。
良かった!
悪しき転売は行われなかったんだね!
お肉どもを入口で弾きたくはないからなあ。
「マルチョウです」
いつも解説してくれるやつー!
ランドでのお仕事頑張ってね!
「ランプです!」
古参センシティブ勢!
マシロ引き抜いちゃってごめんね!
「特上ロースでーす!」
これからビジネスでお世話になります!
「ザブトンです」
あのあと、因習村大丈夫?
「タヌキです」
来たな、八百八狸!
「おさかなです」
「うわーっ! マンマーだ!」「マンマーが普通にしれっと混じってるぞ!」「ほんとにマンマーだったんだ……」
えーっ!?
見たい見たい!
舞台袖からちらっと見たら、本当にマンマーだった。
頭が魚、体がスパイスのスクショがプリントされたオリジナルTシャツ!
目立つなー!
今度正式グッズでTシャツ出してあげるからね!
他は一応人間に見える人たちばっかりだなあ。
ここで、正面大スクリーンに流れ始める、スパイスの動画の数々。
これは切り抜き師に依頼して作ってもらった、特製の動画なのだ!
リスナー諸氏が大いに盛り上がりながら、これに見入っている。
聞こえてくる感想が楽しいー!!
『思えば、主様も色々な冒険をして来ましたからねー』
「うんうん、最初はフロータと二人きりだったなあ。駆け抜けたねー」
『ですねえ。私達魔導書の時間は果てしなく長くて、主様と一緒の時間なんて本当にまだちょびっとしかないのに、なんだかこの三年が、何千年もの旅に匹敵するくらい濃い道のりだった気がしますよ。あ、フロッピーちゃん! 時間どうですか?』
「そうだった! 思い出話に浸ってしまうー」
『ふふふ』
あれ?
フロッピーが今笑った?
『お時間です。マスター、お姉様、お肉の皆様に会いに行きましょう』
「おー!」
ピョーンと舞台袖から飛び出すスパイス!
パッとスポットライトが当たった。
一瞬の静寂。
そして、ウワーッと大歓声が上がる。
「やーやー! お肉どもー!! こんちゃー!!」
会場を揺るがす、『こんちゃー!!』の大合唱!
これよりイベント、スタート!
大きく手を振り、そこまで大きくないステージだけど、隅から隅まで歩いて回って、全てのお肉どもの顔を目に収める。
見覚えがあるのもいるし、初めての人もいる!
うーむ、スパイスが伸ばした手は、こんなに色々な人たちに繋がっているんだなあ。
さらにこの何百倍、何千倍の人たちがいるのだ。
感慨深い……。
一瞬だけジーンとしたところで、まずは一曲!
持ち歌なんて無いので、ここは流行りのやつを歌うわけなのだ。
曲の使用料はきちんとお支払いしています!
会場はもう、盛り上がりしかない。
盛り上がって盛り上がって盛り上がる!
スパイスの頭上には七冊の魔導書も飛び出して、ワイワイと踊る!
そう!
本日はイグナイトとマリンナにも来てもらっております!
マシロが退職してフリーになったし、今日は山梨から従妹のしおいも来てくれてるからね。
もう家族と親族には頭が上がらない!
ってことで、ここからはお便りタイム。
メッセージ投稿サービスから、それぞれリスナーのお便りをピックして大スクリーンに映し出し、これにスパイスがお答えしていくという最初の出し物だ。
いつもなら配信でやってるけどねー。
「それではー、最初のお便り! えーと、スパイスちゃんは本当に魔法使いなんですか? イベント会場で実際に魔法を使ってほしいです……だってー!? なるほど、スパイスの実力を疑うわけだねこれはー! 挑戦は受けて立つぞー!」
スパイスがむふーっと腕まくりするジェスチャーで、ワッとみんなが盛り上がった。
「それじゃあ分かりやすいところから。小さくフライトしてみよう! カラフリーもいるから、魔力隠蔽だってできるしね! はい、フライトー」
音もなくふわっと飛び上がったスパイス。
スタッフさんが走ってきて、スパイスの頭上をスカスカと棒で探って、吊るし糸が無いことをアピール。
さらにスパイスをフラフープでスーッと通過させて、他の操演用の糸も存在しないことを証明!
「種も仕掛けもありませーん! 魔法です!」
逆さになりながら、お肉どもの頭上をふわーっと飛び回るスパイス!
「みんな手を上げてー! ハイターッチ! 全員ぶん行くぞー!!」
うわーっ! と大歓声が上がった。
タッチタッチ、またまたタッチ!
ハイタッチ連打だーっ!!
全員とタッチしてから、みんな納得した様子。
なお、このイベントはリアルタイムで有料チケットによる配信もされてるぞ。
アーカイブで反応確認するから、みんなコメント書きまくってくれよな!
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