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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
ラスボス邂逅とお肉どもオフ会編

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第328話 この三人が揃うと割と余裕なのだ

 ダンジョンでもよく聞く、他責な叫び!

 こういうタイプの人が怨霊化したりデーモン化したり、アネットに力を与えられて鉄砲玉にされたりするんだねー。


 能力は、泥?

 いや、これは多分、錆びた金属っぽい。

 これを魔法で呼び出して辺りにばらまいているのだ!


 狙いなんか何もついてない。

 なんかヒステリックに叫びながら、力を撒き散らすだけだ!


『放っておいても30分くらいで命まで使い切って自壊しますねあれはー』


『いやあ、流石に被害が大き過ぎるでやんすねこれは』


『おっしゃー! じゃあアタシが行くわよぉ!』


『いやあ、今回はあっしの方がいいでやんすね』


 おっ、魔導書の間で誰対応になるかの話し合いが。

 その間に、もみじちゃんは惣菜パンをどんどん召喚し、鉄砲玉尖兵の攻撃を片っ端から相殺している。


 手数が!

 多い!


「もみじちゃんやるねー。大罪でもそんなに手数出せないよー」


「えへへ、普段からパンのことを考えてるんでー!」


 錆びた釘やらボルトやら、刃の欠片やらが降り注ぐが……全てが惣菜パンでボヨーンと受け止められるのだ。

 逃げている人たちに、一人も犠牲が出ない。


 これを見て、尖兵が『なんでー!? なんでよー!! なんであたしの邪魔ばっかりするのー!!』と金切り声をあげた。

 ヒスってる!!


「おーし、じゃあスパイスいきまーす! マインドスパイス! プラス~アクションスパイス!」


※『メガネっ子スパイスちゃんに金色のマフラーが!』『フォーマルとストリートの融合だなあ……』


 そんな感じの衣装でお届けします!

 魔導書それぞれの特徴をザッピングできることに気づいたので、変身モードもグラデーションで変化するからね。


 空中まで飛び上がったスパイスは、光のオーラみたいなので鉄片攻撃をいなしつつ、尖兵向けて精神魔法!


「ハードドランク!!」


『ウグワーッ!?』


 浮かんでる尖兵が、いきなりその動きをガックガクに乱した。

 泥酔状態にしたからねー。

 魔法防御弱いなー。


「ハードショック!」


『うぼぼーっ』


 なんか虹色のものを撒き散らしながら落下していったぞ!

 そこに、鎌を担いだイラちゃんが待ち構えている。


 黒い炎で燃え上がる鎌が、落下する尖兵目掛けて一閃!


『ウ、ウグワーッ!? なんで! なんであたしがァーッ!! なんにも悪いことしてないのに! ひどすぎるぅーっ!!』


 叫びながら、縦に真っ二つにされて、切断面から広がる炎で燃え尽きていく。

 最後には灰と、基になった人間が身につけてたっぽいアクセサリーがコロコロ落ちた。

 モンスター級の他責力だったな!


「よっし解決!」


「お疲れ様でしたー!」


「流石にこの三人が揃ってると余裕だねえ」


 全員上澄みの配信者だし、今回はもみじスパイラルで待望のコラボだから、同接凄いことになってたしねえ。

 尖兵はそこに飛び込んだ形になってしまった。


『あー、一瞬あいつの気配がしましたけど、すぐに引っ込みましたねこれは。これ、多分世界中でこういうことを起こして、厄介そうなのを始末して回ってる可能性がありますよー』


「なんだってー! じゃあ今回はどうして引っ込んだんだろう?」


『三人そろうと未知数だったりするからじゃないですか?』


 フロータの予想、ありうる。

 もみじちゃんは底が知れない実力者だ。

 惣菜パンの形の術式を生み出し、様々な効果で世界を改変する、現代魔法の天才。


 そしてもう一人、イラちゃんに至っては本物だ。

 彼女を相手にするのはあまり面白い事にならない、と考えているのかも。


 魔女アネットは慎重だぞ。

 勝てそうなタイミングでしか仕掛けてこない。

 つまり、向こうからの介入で戦いが発生したら、大体が最悪の戦況ということだ。


 あいつのいる場所を探って、こっちから殴り込みをしないといけない!


「そのために世界中の魔法使いと繋がらないとなあ……!」


 卒業式が終わって、余裕ができたシヅルさんに同行してもらわねばなのだ!


「そう言えばついこの間、うちも卒業式でー! すっごく泣いてー」


 あっ!

 もみじちゃん、シヅルさんとこの生徒さんだったな!

 世界が狭い……っていうか、あの学校この短期間で強力な配信者を連続で輩出したな?

 どういう仕組みになってるんだ。


 その後、混乱が収まった街でお目当てのタルトを食べる三人なのだった。


「イラちゃんブラックコーヒー飲むの?」


「タルトで口の中があまーくなったからねー。おじさんは甘いのと苦いののバランスを取らなくてはいけない生き物なんだよね」


「そうかなあ」


 スパイスは幾らでも甘いのいけるぞ!?

 いや、生身でやったら糖尿とか気になってくるな……。

 おじさんだからな……。


「そうなんですねー! うちはもう、どんどん甘いもの食べられちゃう! 美味しい~!」


「「わかーい!!」」


 スパイスとイラちゃんが声を揃えてしまうのだった。

 若いパワーはとんでもないなあ。


 なお、さっきの襲撃者に関する分析はフロッピーがリアルタイムでやってくれており……。


『お姉様、お兄様、テロップを作ったのでチェックをお願いします』


『ほうほう、いいんじゃないでしょうか!』


『分かり易いでやんすね! どっちかというと同業者向けでやんすねー。襲撃してくるやつは最も古き魔女の尖兵であり、これを倒せるレベルの相手を刈り取ろうとしてる可能性がある、と。たちが悪いでやんすねこれは!』


『魔力を探知してくるんでしょう? だったら倒し終わったらさっさと配信を終えて一般人に紛れ込めばわからないわよー!』


『了解しました。パワードお姉様の提言も盛り込んでテロップを表示します』


 ってことで……。

 もみじスパイラルの街ブラ配信は、同時に魔女アネットに関する注意喚起動画にもなったのだった!


 いやー、配信では絶対に正体を明かさないように、発言は気をつけないとなあ。

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
さらっと混ざったけど精神乗っ取られる可能性あったから そういう合体フォームやらないかと思ってました いや、本当にさらっとヤバいことやってないかコレ? アルティメットフォームが楽しみになりましたね
さすがだ! いきなり攻撃・迎撃できるのは強い!
変身形態のミックスはロマンですねー
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