第314話 でかいイベントだぞ!
大きなホールを借り切ってのイベント。
さっすが。
イカルガエンターテイメントの総力結集を感じる~。
「スパイスさーん!」
「スパイスちゃんどうもー!」
「あーっ! またぎちゃん、ゆくいちゃーん!」
北海道出身、猟師系配信者の熊内またぎちゃんと、石垣島出身、海の案内人系配信者のぱいかじゆくいちゃんだ。
仲良しの二人は、ほっと&こーるどというコラボ名で最近は活動してるのだ。
生まれ故郷的にも間逆なので、揃ってるだけで面白いしね。
三人で、今回のイベントがいかに大きくてビビったかという話で盛り上がる。
いやー、業界におけるはづきちゃんの大きさを感じるねー。
ここにいる誰よりも年下なのにビッグ過ぎる。
「彼女がいなくなったあとは、スパイスたちみんなで盛り上げていかないとねー」
「うんうん、ほんとそうです」
「ばーもがんばらなきゃ!」
えいえいおー、と三人でやっていると、後から後からゲスト参加の配信者がやって来て、挨拶してくる。
全員知ってるぞー。
「あ、どうもどうもー。宇宙関係でやらせてもらっています南くろすと言います」
「あっ、はじめまして! スパイスですー。お噂はかねがね……」
宇宙系配信者の南くろすさんは、はづきちゃんをロケットで打ち上げる際に有名になった人なのだ。
Aギルド関連でメールをやり取りした記憶があるなあ。
そしてそして、そろそろ懐かしくなってきた面々が!
「スパイス~!!」
「あっ、タリサじゃーん! こっち来てたんだ!?」
「ふっふっふ、一週間くらいの滞在だよ。後からモリトンも来るから」
「それで、モリトンとはどうなのさー」
「ザッコでやり取りしてる! 離れてから全然会えてないけど、顔は毎日見てる!」
「ほうほうほう……」
「スパイスも赤ちゃん生まれたんでしょ? おめでとう!」
「ありがとう!」
ユーシャちゃんもそこに合流!
「このたびは赤ちゃんのご誕生おめでとうございます! エッ、もう半年なんですか!?」
『あっ、魔導書の人たちが増えてるですー!!』
『アラー!! 何この子!! 意思を持った魔導書みたいなのがもう一冊あるじゃなーい!!』
『ひえーっ! 濃いですー!!』
魔将の魂を持ったドローン、アフームたんがパワードに遭遇し、追いかけられているな。
さすがパワード、エネルギッシュだ。
そして『あれっ? あたしとキャラ被りがいない!?』とかブツブツ言ってるスノーホワイト。
「ついに魔導書揃ったんですね。じゃあ、いよいよ」
「決戦かもしれない! まあ、相手の姿がまだはっきりしてないから、どうなるか分かんないんだけどねー」
全てははづきちゃん引退のリアルイベントが終わった後!
一通りのリハーサルが終了。
現場にきら星はづき本人がいないってことある?
あ、本人へのサプライズもたくさんあるイベントなのね。
ここでわちゃわちゃしていたら、タリサに緊急連絡!
「た、大変だよ! モンゴルの方で大規模ダンジョンが発生だって! モリトンとゼルガー来れなくなったっぽい! ……タリサ、手伝いに行く!!」
「おっ!! それは仕方ないねー。送ってく?」
「えっ!? スパイスそんなことできるの?」
「もちろん! はづきちゃんのイベントには遠隔でもいいから参加してね!」
「参加するするー!」
ということで!
やることも終わったところで、スパイスはタリサを連れて抜け出した。
ユーシャちゃんが「いってらっしゃーい! タリサ、またねー!」と手を振る中、ノーマルモードスパイスに変身!
『フヒョー! ここからはミーの出番ざんす! 衝撃、風圧軽減フィールドを作るざんすよ。マジックバリアとも言うざんす。これをタリサに掛けて……』
「あーっ、タリサの周りをもやもやしたものが包み込む~」
『アタシが補強するわけよ! オリャアーッ!!』
マジックバリアがかなり強固になった!
これ、物理ダメージも防げるね!
『ついでに軽くしといたわよ!!』
「パワード有能! そんじゃあ、行くぞー!」
タリサの入ったマジックバリアを吊り下げて、スパイス飛翔!!
フライトの威力を見よー!!
『マスター、お姉様、モンゴルは目的地ウランバートル西部への航路はすでに登録済みです。このルートを通ってもらえればスムーズに到着します』
「フロッピーも優秀! ありがとうねー!」
『いやあー、持つべきものは優秀な妹ですねえ!!』
『あれー? ミーに感謝はないざんすかあ?』
『アタシはどうなのよー!!』
『あー助かります助かります』
適当にお礼を言うフロータなのだった。
フロッピーと一緒だと、フロータはまあまあ人格が落ち着くなあ。
「うわおーっ!! すごい速度で風景が後ろに流れてく!! なにこれ!? なにこれ!?」
タリサはずっと大興奮だ。
わーきゃー言う彼女をぶら下げつつ、フライトはビューンと中国上空。
「おっ! 魔法少女スパイスではないか!!」
「普賢真人どうもー!」
「元気でやっているようだな、何より何より! そのうち茶でも馳走しよう!」
「ぜひぜひ!」
「……スパイス、今の人だれ? チャイニーズ・グレートマジシャン?」
「そんな感じ!!」
仙人がのんびりしていられるところを見ると、今のところ最も古き魔女の脅威はそこまででもないっぽい?
それとも活動をしていないのか。
帰り際にもう一回聞いてみようっと。
こうして、スパイスはモンゴルに到着したのだった。
上空でザッコを展開して、モリトンとゼルガーとやり取りする。
『ウランバートルの西の外れで大きなダンジョンが、何も無いところに発生したんだよ!』
『ああ。俺達ケンタウロスの仲間が偶然発見しなければ大事になっているところだ。とにかく規模が大きく、内部から発生するモンスターが強い。タリサとスパイスが来てくれたなら心強いぞ』
「まっかせて!!」
「よっし、パワードの第二戦だなこりゃ」
『ホントォー!? やるわよアタシィー!!』
なんか色々張り切って、突発のモンゴルダンジョンにチャレンジなのだ!
お読みいただきありがとうございます。
面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。
 




