第313話 グッズデザインについてのあれこれ
「えっ!? ついにスパイスちゃんのアクスタができるッスか!? ふひゃー。欲しい~!! そしてあたしもそう言うのを飾れる自室が欲しい~」
「奥さんが喜んでくれて何よりだ。ここからはザッコで連絡取り合うんだけど、一般ユーザーの視点は貴重だからねえ。……部屋か。社長に頼んでみる?」
頼んでみた。
「よいぞ」
との二つ返事で、時空を捻じ曲げて和室から繋がる部屋を一つ作ってくれたのだった。
これはどこに通じてるんだね……?
間取り的には、異世界部屋と重なってる扱いになるんだが。
「うおー! 自室ッス~!! このやり方で、ベイビーたちの部屋も増やせるッスねー」
「うむ、時空が歪んで作られた部屋ってのが引っかかるが、社長だしまあいいだろう……」
子どもが凄く増える予定がなく、2LDKで買ったマンションだったが、異世界部屋とマシロの自室で4LDKになってしまった。
まだまだ増えるのか……!
ということで。
マシロの友達にもお肉どもがいるということで、彼らの意見も聞きながらどういうグッズが欲しいかのリサーチを開始した。
「スパイスのリスナーは男が七割、女が三割だから、男受けするグッズがいいと思うんだが」
「なんで男性配信者のリスナーの七割が男なんですかねえ……やっぱりパパが可愛すぎるからでは?」
「スパイスは可愛さで売ってるからな」
ってことは、ぬいぐるみか。
ぬい活の報告が、よくツブヤキックスで流れてくるもんな。
「ぬいぐるみっと……」
「欲しいッス! 全モード欲しい! 一緒に布団で寝る!」
「それ、隣で俺が寝てるんだが?」
「本物とぬいと一緒に寝られるのは至福ッスよ。奥さん特権ッス」
「確かに……」
スパイスの一番最初のリスナーだしな。
「マシロのご友人からのネタは何が?」
「えーとッスね。マグカップ、キーホルダー、缶バッジ……PC」
「ほうほう、なるほどなるほど……PC!? スパイスのPC!?」
とんでもないのが来た。
それはちょっと、バンダースナッチさんだけではどうにもならない。
案だけ上げておこう。
実際にモノが完成するのは4月や5月になると思うけど、その頃にはもう、スパイスの決戦は終わっているかも知れない。
思えば遠くに来たものだ……。
魔導書七冊に囲まれて、わちゃわちゃ育成されている我が子たちを見たりする。
うーむ、魔女の情操教育。
そしてツブヤキックスで、きら星はづきラストイベントをチェック。
今の配信者業界で、グッズの方向性を示した人物は、俺のグッズが出る頃にはいない。
これもまた、感慨を覚えるなあ。
おっと、メールで連絡が……!
噂をすれば、きら星はづきさんからだ。
「ラストイベントのリハーサルか。了解了解。台本がついてる。台本まで書いてるのかあの女子高生!?」
驚きを感じつつ、目を通す俺なのだった。
あまりに多芸過ぎる。
たった一人で冒険配信者という世界を変えてしまった。
これからの世界は、きら星はづき以前と、きら星はづき以後に分かれることは間違いないだろう。
台本、ちょこちょこ、ここでおもしろギャグみたいな無茶振りが入ってるな……。
直接顔を合わせて話し合わないといかんだろこれは。
こうして台本を読み込んだ俺は、グッズ制作を同時進行しつつ、ラストイベントの会場へ……。
ちなみにグッズだが、サッと作れるらしいアクスタだけは先行販売することにした。
これは実は、スパイスの戦闘力強化的な意味もある。
お肉どもの手元にスパイスアクスタを置いてもらうことで、同接力を集めるためのアンテナにするのだ。
それによって、最も古き魔女との戦いを優勢に進めることが期待できる。
頼むぞバンダースナッチさん!
アクスタ生産を急いでくれ!
そのためにバリバリに可愛いスパイスを撮影してもらったんだからな。
会場に向かう途中、ネットで衝撃的なニュースが次々飛び込んでくる。
アメリカで、メカはづきを中心としたヒーローチーム結成!!
メカはづきを中心としたヒーローチーム!?
何一つ言葉が頭の中に入ってこないのだが!?
あっ、メンバーの中にカイワレがいる!!
そしてその素養があっても、絶対に色欲の大罪ことクシーは表に出てこない。
あくまで己の楽しみを優先するスタイルだな。
世界が新しいカタチに変わろうとしている。
各国が自分の力で、ダンジョンと戦っていく時代だものな。
中国では新たなメカはづきが建造されているとな?
彼の国はギリギリのところまで追い詰められ、きら星はづきの来訪によって救われた。
次々に本来の国土を取り戻しつつ、彼らは戦う力を身に着けつつあるのだ。
それで、中国メカはづきのデザイン・イラストが発表されていたけど……。
ははー、チャイナドレス姿のメカはづき!!
髪をお団子にして両脇でくるくるやってる。
これは可愛い。
そして我が国には、きら星はづきがいなくなってもベルゼブブがいる。
まあ、本人みたいなもんだしな。
そう思いながら、俺は現地到着だ。
フライトで行っても良かったが、今回は色々作業もしたかったので交通機関を利用した。
タクシーから降りた瞬間、メタモルフォーゼでスパイスになる!
運転手さんが「うおわーっ」と驚愕していた。
「いやーっ、このでっかいイベントホールでねえー。はづきちゃんがねえー。凄いことになったもんだー」
こうしてスパイスは、リハーサルへ参加するのであーる!
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