第305話 決めろ! インフィニティスパイス!
「ってことでー!! 新フォーム! インフィニット・スパイス登場だーっ!!」
※『うおおおおおおお!!』『スパイスちゃんの新フォームだーっ!!』『基本フォームの進化系なんだ!?』ランプ『王道っすなー! そしてちょっとだけスカートが短くなってる』ザブトン『太ももが健康的でいいですぞー』
『なぁにぃー!? 戦いの中でパワーアップですってぇーっ!? イヤーン! そんなの初めてだわーっ! アタシ、燃えちゃう!!』
お肉どももパワードも大喜び。
みんな幸せになる最高のフォームだね!
「す、すっごい……!? 魔法系の配信者はこういう強みがあるんだ……!」
勉強熱心なまたぎちゃんが、配信用スマホをメモ帳代わりに記録を取っているのだ。
あまり参考にならないかもだけど、使えそうな部分は使ってくれたまえー!
「おりゃー! 行くぞーっ! ファイアボール多重生成! アイスボール多重生成! ウォーターボール多重生成! スパイラル射出~!!」
スパイスの背後に、無数の魔法弾が出現!
これが猛烈な螺旋を描きながら、パワード目掛けて降り注ぐのだ!
『これこれ! 強い相手と戦うの、最高に楽しいのはこう言う時よねぇーっ!! パワードフェニーックス!!』
宙に飛び上がったパワードは、全身を金色に光らせてフェニックス型のオーラを発生!
これで魔法弾の嵐の中に突っ込んでくる!
でたらめなやつだなあ!
魔法を次々弾き飛ばしながら突っ込んでくる。
スパイラルつけて威力アップしているから、完全なノーダメージとはいかないようだ。
パワードフェニックスがグラグラ揺れながら、しかし狙いはスパイス!
※『とんでもねー!』『スパイスちゃんあぶなーい!!』『パワードやっぱり強いぞ!』
「ふははー! スパイスだってパワーアップしてるのだ! こっちから迎え撃つぞ!」
頭上から襲ってくるパワードフェニックス目掛けて、スパイスもジャンプだ!
フライトで飛び上がりつつ……!
「おらーっ! 精神を直接揺さぶるマインドブラストだー!! 物理的に揺さぶってるようなもんだぞー!」
『ウグワーッ! これはちょっと効くわねーっ!! 物理攻撃じゃないと跳ね返せないじゃない!!』
『あっしの魔法は見えないし避けられないのが売りでやんすからねえ』
メンタリスちょっと嬉しそう。
これで少しだけ隙が出来たパワードフェニックスを、スパイスは手のひらでキャッチ!!
「戻れ! インフィニティ・リバース!」
『おっ、おぉぉぉぉぉぉーっ!? 勢いが反転するーっ!?』
ミシミシ音を立てながら、パワードフェニックスが押し返される!
さらにさらに!
「インフィニティ・スパイラル! 回れ回れー!!」
『回転する~っ!?』
「インフィニティフォール!!」
急速落下!!
公園の地面を粉砕しながら、パワードフェニックスは消滅だ!
『ウグワーッ! やるじゃなーい!!』
もうもうと上がる雪煙の中、パワードが立ち上がってくる。
さすがの不死身さ!
今までの魔女だったら、ここまでの攻撃で倒されてるからね。
明らかに頑丈さのレベルが違う。
『アタシは力の魔導書! この力は無尽蔵! 幾らでもやってやるわよぉーっ! お次はパワードリヴァイアサン? パワードベヒーモスがいいかしらぁーっ!?』
『主様、普通にハッタリですよ。自律行動してる魔導書が無限動力まで手を出せるわけないじゃないですか。核にしてる魔女を消費し尽くしたらエンストしますよー』
『こぉらフロータ!! 余計なこと言ってんじゃねぇーっ!!』
うおーっ!
パワードがドスの効いた声で怒鳴った!!
『ほほほ!! パワードが適当なことを言うからでしょー! それじゃあ、ここから仕留めるぞオラァ!!』
フロータの魔力が膨れ上がる!
※『決め技かぁー!?』『いったれー!!』『やれースパイスちゃん!!』『なんか分からんけど凄い攻撃したれー!!』
うんうん、こっちには同接パワーがある。
これだけで、パワードの超パワーに匹敵できるからね。
あとは魔導書たちの力を乗せて、上回るだけ!
「いっきまーす! ディメンジョンフィールド!!」
浮遊の魔法が生み出す、次元断層がパワードを包み込む!
『なんのーっ! こんなもの、力ずくでぶち破るわよぉーっ!!』
「だと思うからこれは相手を固定する技! 行くぞおらー! フライトで跳躍、加速! リバースでこちらへの衝撃を敵に反転! スパイラルでねじって威力をアップ!! ディメンジョンでつま先に世界を凝縮、このキックが当たると爆発だーっ!!」
『ななななな!? 何をするつもりなのぉーっ!? 流石に怖いんだけどぉーっ!!』
「ひっさーつっ!! インフィニティキーック!!」
周囲の光景をぐにゃぐにゃに捻じ曲げながら飛翔するスパイス!
その一撃が、ディメンジョンフィールドごとパワードに突き刺さった!
巻き起こる大爆発だ!
だけど、それはフィールドに包まれて外には漏れないぞ。
いや、あまりの威力でフィールドがドカンと拡張してるんだけど。
溢れ出した爆発は縦方向に!
夜の札幌を照らし出す光の柱だ!
で、爆発から反転しつつ、スパイスが降り立つ。
「決まった!」
『ウグワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!』
パワードの叫びが響いたのだった!
そして……。
金色の魔導書がパサッと落ちる。
あ、なんか白くなっていってる。
『真っ白に……燃え尽きたわぁ……。アタシの負けよぉ……』
スパイスはこれを拾い上げると、高らかに掲げるのだった!
「最後の魔導書、とったどー!!」
※『うおおおおおおおおお!!』『揃ったーっ!!』『ついに七冊がー!!』マルチョウ『こんな深夜だったが起きてきて大正解だった!』おさかな『ブラーヴォ! ブラーヴォ!』
こうしてスパイスの魔導書集めが終わったのだった!
いよいよ最終局面かあ?
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