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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
力の魔導書編

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第299話 パワードとの対決に向けて!

 大成功の内に終わった、ラビットスパイスのお披露目配信。

 まあ、近々スノーホワイトはウィンディに返すので、一時的なお祭りみたいなもんですよ。

 それで家に帰ってきたわけだが……。


「多分、パワードは札幌付近にいる……。何か、彼の行動原理は分からないか? 何をやったら寄ってきそうとか」


『強いのがいると寄ってきますねー。アタシより強いやつに会いに行くわよぉ! っていっつも言ってましたから』


「そんなキャラなんだ!?」


 かなりアクティブなタイプなんだろうな。

 中央アジアからロシアに掛けて大暴れして、海をわたって北海道に上陸するくらいだし。


「では、スパイスとして何か強いものを歓迎するイベントなどをして、パワードをおびき寄せるのが良さそうだ。サクサクと企画を立てて、札幌市の協力企業に提案するとか……」


 スパイスが所属するAギルドは、日本全国の様々な企業に協賛してもらっている。

 この中には札幌にある会社も当然存在するので、ここに手伝ってもらってパワードを呼び寄せるのだ。

 いや、だけどそれじゃあ悠長か?

 地元勢の配信者に協力してもらうのが現実的だろうか。


「札幌だから寒そう。2月だし」


「だったら魔導書勢揃いで行って欲しいッス!」


「な、なにぃー!」


 マシロの申し出に驚愕する俺。


「だってホムラとミナトのお世話が大変になるだろ」


「その間は実家に帰るッス。それにもう生後六ヶ月だし、離乳食も始まってるから楽になっていくッスよー」


 なるほど……。

 我が家は魔導書のお手伝いで、赤ちゃんの大変な時期をチートにくぐり抜けている。

 今後はマシロ実家のフォローも入れてもらい、常識的に育てることでスパイスの機動力を確保するか。


「じゃあ一応、ちゃんとしたところのベビーシッターさんもお願いしておこう。こういう時のために稼いでるんだから」


「わーい! お願いするッスー!」


 ということで。

 ここからはマシロと、俺が出張している間の育児計画について。


 多分一週間くらい出ることになるから、その間にベビーシッターをつけつつ、マシロ母にお手伝いを願い……。

 この話を義実家に共有。

 よし!

 快く承諾してくれた。


 しょっちゅう、うちのちびたちを義両親に抱っこしてもらっていた甲斐があったな。

 孫にちょこちょこスキンシップできて、情がもりもり湧いているとたくさん手助けしてくれる。


 これで赤ちゃん問題は解決!

 お陰で、俺はフルメンバーでパワード戦に挑める。


 少ない冊数で戦うつもりだったが、やはり万全を期すに越したことはないからな。


 次にパワードの目撃情報を調べた。

 ふむふむ……。

 札幌近辺に住んでいるフォロワーが、謎の幼女の目撃情報を呟いている。


 これはスパイスで正式に依頼を掛けよう。


『みんなー! お願いがあるんだ! 札幌市近辺に、最後の魔導書、力のパワードが出没している! 物凄く強い幼女がいたら書き込んで欲しい! たのむー! #パワード目撃!でよろー!』


 フォロワーたちからワーッと返答があった。

 すぐにアップされる写真、写真、写真!

 動画まである!


「ほうほう、金色のマフラーを巻いた、灰色の革ジャン姿の幼女が……。なにぃーっ! 革ジャンが変化してマントになった! 相手はヒグマか! ヒグマの突撃を左手でいなして、懐に入り込んでからの連打! ヒグマがよろけたところに、飛び上がってキック! とどめが……パワードの腕を象った巨大な輝く拳が空から降ってきて、ヒグマをプチッと! うひょー」


 思わず内なるスパイスが出てきて、驚愕の声を漏らしてしまった。

 これはなかなか……。

 今までの魔導書の中で、最も力押しという言葉が似合うやつだ。


 さすがパワード。


『本来のパワードの力は、あの光る拳ざんすね。力そのものを扱ってくるから、敵が強いほどパワードが発揮するパワーも上がっていくざんすよ。上限? 無いざんす』


「うおお、強敵なんじゃないか」


『力に力で対抗すると、パワード相手ではきついでやんすねえ……。まさしく、あっしやカラフリー、そしてフロータのような搦め手が重要でやんす』


『ん俺の場合、環境を変化させてやつの足を止めるなどが有効だろうなぁ!』


『そうですねえ。季節的に私の水は、スノーホワイトと組み合わせて戦場を作るのに使ったらどうでしょう~?』


『パワードはパワー馬鹿だけど、純粋に力を扱う魔導書だから応用力高いのよ! 応用させないようにすることが勝利の鍵だわ!』


『ということで主様、勝利の鍵は最後に私をどれだけ活用できるか、ですよー!』


 魔導書たちが寄ってきて、わいわいとアドバイスしてくれた。

 な、なるほどー!!


「全ての魔導書を使ってパワードとの戦場を作り、あとは魔法少女としての基礎能力……ノーマル状態のスパイスの仕上がりで戦うか……! これは大決戦になりそうだ」


 特に、パワードは人間社会に重大な迷惑を掛けているわけではない。

 彼がなんとなく悪だと思ったものを倒しているだけなので、怒らせなければ共存だってできるだろう。


 だが、問題はあの魔導書、魔女を核にしながら活動してるので、いつ内側にいる力の魔女が出てきて悪さをするか分からないんだよな。

 それに、パワードが勝手に自分の考えで世直しをすると、色々問題が発生することになる。

 人間社会は、こいつが悪だから倒してめでたしめでたし! みたいな単純な法則で動いてはいないからだ。


「俺が手に入れて、管理下に置かねば……。ばあちゃんの気持ちが分かってきたな……」


『主様は魔導書全部をフリーにさせつつ管理するっていう、前代未聞のやり方をしてますけどね』


 いや、ガチガチな管理の仕方を知らないだけなんだけどね!

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
さて… パワーをひっくり返すには、技しかないんだが。
さぁ、スパイスちゃんお得意の段取りが組み上がって来ましたねぇ……はてさてどうなることやら……
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