表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
力の魔導書編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

296/373

第296話 六冊の魔導書が我が家に!

『久しぶりに来たわよ。ここがスパイスのハウスね』


「真っ先に部屋に入っていったぞ」


 風と氷の魔導書スノーホワイト。

 堂々としたものである。


『ちょっとはわきまえというものをですねえ!』


『ん我が物ヅラが過ぎるぅ』


『あいつ魔導書で一番ハートが強いかもでやんすねえ』


『こらぁ~! ここは新たな主様のおうちですよぉ!』


『いやあ、六冊になると賑やかざんすねえ!』


 ウィンディから借り受けたスノーホワイト。

 一冊増えて魔導書がわいわい賑やかになったのもあるが、何よりもここで風と氷の魔法を確認できるのがありがたい。


「ふぃーっ、帰ってきたッス~! もう動けないッス~」


『おぉ、ん主の奥方よぉ! ゆっくり休んでろぉ! 新しい主たちは俺達が世話するからなぁ!』


『うんうん、お任せですよぉ~! 主様は多分異世界の方で、スノーホワイトを試すと思いますんで』


「うひー、魔導書のみんなありがとぉー!! ……って、ええーっ!? ショウゴさん、元気過ぎる!」


「スパイスのエネルギーが体内にみちみちている気がする……! お陰でまだまだ動けるよ。じゃ、行ってくる」


 旅の服を脱ぎ捨て、俺は魔導書四冊を連れて異世界へ。


『へえー。これが異世界なのね? あたしがいた世界とはちょっと違うのね』


 異世界都市の廃墟に降り立ったスノーホワイトが、くるくる回って辺りを確認している。

 そこへ、サポートのためにフロッピーが飛んでいった。


『スノーホワイトお姉様、補助させていただきます』


『あらフロッピー、気が利くわね。あたし、スパイスとの合わせは初めてだからありがたいわ。じゃ、お願いね』


 スノーホワイトが俺と向き合う。


『まず一つ。あたし、ウィンディに自分を最適化してあるわ。だからあんたとマッチングする際は、普通のやり方だと力を半分も発揮できなくなる。だからフロッピーが必要ってわけ』


「なるほど。魔法少女ウィンディのための魔導書だもんな」


『そういうこと。だけど悔しいことに、あたし一冊だと限度ってものがある。こないだの魔王みたいなのは無理ね。恐らく、最も古き魔女も無理。だからあたしは、ウィンディを守るためにこっちに来たってわけ』


 つまり、スノーホワイトは決戦まで付き合ってくれるつもりということだ。

 ありがたい!

 場合によっては、ユーシャちゃんのドローン、アフームたんの助けを借りねばならないところだった。

 オリジナルの魔導書が揃うならそれに越したことはない。


「ありがとう! じゃあ早速だが、やってみようか」


『いつでもいいわよ。フロッピー、チューニング頼むわよ!』


『はい! マスターとお姉様の魔力波長……合わせます!』


 俺の中に、スノーホワイトの持つ魔力が白と緑の渦になって流れ込んでくる。


「メタモルフォーゼ!」


 宣言と同時に、俺の体が光に包まれた。

 緑と白のアリスドレスがウィンディの姿だったが、どうやらスパイスは全然違うアプローチになるようだ。


 なんかこう、スカートじゃないぞこれは。

 スースーするような……。

 そして頭上で揺れる何かの感覚……。


 ま、まさかこれはー!!


『同調完了よ! ははーん、あんたの能力はこっち方面なのね』


「こっち方面とは一体!」


 声が完全にスパイスのものになってる。

 見下ろすと……。

 あっ、これはグリーンのバニールックではないか!!


 腕に真っ白なもこもこと、お尻にまんまるな尻尾がつているのが分かる。

 足は網タイツで、履いているのはグリーンのハイヒール!

 そして頭上には……。

 ウサギの耳!!


「あ、そっか! ウィンディがアリスだから、スパイスはラビットになるわけね! ということは、ラビットスパイスだ!」


『ミーのブライトスパイスに近いざんすが、こっちのがもうちょっと扇情的ざんすねー』


『ちょっとカラフリー! あたしの司るキュートな変身衣装を扇情的とか言わないでよね!!』


 いやあ、でもカラフリーの言う通り、なかなか刺激的じゃないかなー?

 スパイスボディはぺたーんなので、あんまバニー向けではないかもだけど。

 それがいいというお肉どもはたくさんいるのだ!


 今度配信で反応を確かめてみようっと!


 んで、試してみたい技が一つあるんだよねー。


「スノーホワイト、あれいける? ウィンディがやってた技!」


『あー、あれね。普通はあたしとマッチングしたばかりじゃ無理だけど、五冊を使いこなすあんたならできると思うわよ。イメージ、自分で構築なさい!』


「おっけー! 氷の魔法をスロットにセット! 風の補助魔法もセット! ほほーん、これ、足首を氷のブーツで強化してたんだ! そりゃあねえ、ただのキックだと足痛くなるからねえ」


『解析速度はや!! あんた本当に才能あんのね!!』


 フフフ!

 自分だけではなく、たくさんの配信者や魔の者たちと接触したことで、スパイスは多くの学びを得ているのだ!

 実際、物凄く成長してると思うよ。


 えー、眼の前にある立ち枯れた木を標的に……。


「照準セーット! 凍てつく柱よ、敵を縛り付けろ! アイシクルバインド!」


 地面から氷柱が逆向きに生える!

 これが何本も出てきて、標的の木を包みこんだ。


 そこでスパイスは風をまとって飛び上がる。

 おおっ、フライトとは違って、慣性を感じる飛翔だ。

 これこれ!


『フライトだと、速度は出ますけど重力もカットしてるんで、攻撃技への転用は別のやり方が必要なんですよねー』


 しみじみ呟くフロータの言葉を聞きながら、スパイスは空中で飛び蹴りモード!


「うおー! いっくぞー!! 技を作った人に敬意を表して、おんなじ名前で使う! ウィンディストラーイク!!」


 風を纏い、猛烈な勢いで突っ込むスパイス!

 その蹴りが、凍てついた樹木に突き刺さると……。

 パキーンと粉々に砕いた!


 樹木の逆側まで通過して、着地!

 スケートの要領で滑りながらくるりと回転するスパイス。


 背後で、樹木がパーンと破裂するところだった。


「おおー!! これ! これこれ! やってみたかったんだよね!」


『一発目から大技成功とか。あんたほんっとに天才タイプね! ま、ウィンディもやる気があったらこれくらい出来たと思うけど!』


 力を使いこなしてもらったスノーホワイト、まんざらでもなさそうなのだった。

お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こりゃ、お肉共が狂喜するな・・・
風と氷だからてっきりブリザード・スパイスだと思ってた・・・ 雪うさぎ、ってこと?
いち二次元幼女スキーの個人的な見解ではありますが……幼女のバニーは良いです。とても良いです。可愛らしさと微かな妖艶さを併せ持った最適解ですらあります。 もし私がお肉どもとして配信で見たとしたら凄い勢い…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ