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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
魔女の子どもは双子編

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第274話 若者の事情は体にいい

 シェイクストライカーズの赤と黒。

 地元勢二人、市街から通ってくる仲間三人で構成された、高校生ユニットの配信者だ。

 スパイスもコーチングしてるし、ここらの地元密着配信者では多分最強じゃないかなーと思う。


 PickPockを積極的に使っていく配信スタイル。

 ハイライトシーンを動画にして、ゴキゲンな音楽と一緒に投稿することで、同世代やちょっと下の子達から絶大な支持を得ているのだ!


 だが~。

 それを足がかりにしてプロ配信者になる……というつもりはないみたいなのだった。


「どうもどうもー!」


「あっ! スパイスさん! お疲れ様です!!」


「スパイスさん、こんちはっす!」


 二人が立ち上がって会釈してきた。

 体育会系かな?


 市街からくる三人はちょっとラフだけど、ここの二人は割と礼儀正しいんだよね。


「お二人で何の話をしてたの? 卒業も近いもんねえ」


 おじさんがこんな話をしてくるのはなんかハラスメントめいているかも知れないが、スパイスの姿ならセーフになるのだ!

 言葉は何を発したかではなく、誰が発したか……!


「えっと、その、それは~」


 赤の女子がもじもじした。

 黒の男子がもじもじする。


 おいおいおい。

 純情か!


「そっかそっか、何も話さなくても分かるけど、でも若いうちは全部ぶちまけて年長者に相談することもできるぞー! 若いうちは恥のかき放題だ! 年を取ると恥をかいた時のダメージ大きくなるし、相談に乗ってくれる人減るからねー」


「な、なるほどー! 大人~」


「だ、だけど言えない理由とかさあ」


 ちらちらお互いを見合う二人!

 まあ、ここに突っ込むのは野暮かなー!


「スパイスも経験あるけどー、学生の頃に気になってた相手と卒業後に進路が違ってさ! 色々言えないこととかあったりして今でも後悔とかするからねー。なんでも言ってね! じゃあねー!」


「ど、どもです!」


「ありがとうございます! そっか、スパイスさんでも……」


 そうだぞ!!

 やったれやったれ!

 なお、スパイスは別に学生時代に未練はないぞ。

 あるとしたら、もっとサバゲー極めておけば良かったくらいのものだ。


 一緒にサバゲーをやっていこうぜ! と誓った相手と離れ離れになり、連絡が取れなくなってしまったという経験の話だったのだ。

 だが……ぼかしてしまえば、聞き手はどうとでも取れる!


 あとは若い二人に任せて……。

 向こうでマシロと合流するのだった。



「若いッスねー!」


「ねー! シェイクストライカーズは、高校卒業したら解散するみたいだから、なおさらなんだと思うよ。多分あの二人も進路がバラバラになっちゃうから、ここでなんか深刻な顔してたんじゃない?」


「そうッスねえ。両思いなのにねー」


 そんな話をしつつ、ベビーカーを押して移動するのだった。

 クリスマスが終われば新年が来て、新たな一年の始まりだ。


 世界にとっては、救世主きら星はづきがいなくなってしまうことになる。

 そのための対策がAギルドであったり、各国で進められているダンジョン関係の立法であったり。


 一人の英雄に頼るのは不安定だし、その英雄が卒業しまーすと宣言しちゃったら、もう人類は自分たちでなんとかするしかないからね!


 そんなわけで、ぐるりと回って自宅に帰ってきたのだ。

 こんな寒い中なのに、我が家の赤ちゃんたちは全然平気である。


 あっ、これはもしや……。


『ん俺だぁ!!』


「やっぱりイグナイトだったか」


 スパイスからショウゴに戻った俺である。

 ベビーカーの下を覗いてみたら、赤い魔導書が張り付いてポカポカにしていた。

 冬には本当にありがたい魔導書だなあ。


「今日は影で聞いてたッスけど……やっぱり若者の恋愛の話は健康にいいッスねー」


「おっ、二十代半ばなのにもう年寄り気分の奥さんがいるぞ」


「えーっ! 十代と二十代は全然違うッスよー!!」


「俺からするとマシロも全然若いのに」


「えっ、そうッスか? いや、でもなんかあたし、自分を若いって言われてもまだそこまで嬉しくないような……。お母さんはもっと喜ぶけど」


「年経ると分かってくる感覚ってのがあるんだ。なお、俺も別に若いって言われても嬉しくない」


「ショウゴさんはスパイスちゃんの姿があるから、いつでも若返られるじゃないッスか!」


 言われてみればそうだった……!!

 てなわけで、美味しい空気を吸った夫婦の帰宅だ。

 途中、ユーバーイーツが座天使さんの家にお届けに来てるところだった。

 ユーバーが去った後、置き配されている食べ物をスーッと扉から伸びた手が回収する。


 新手の怪異かな?

 運動不足が心配過ぎる。


 マシロがバタバタと奥に走っていく。

 そしてパンを片っ端から冷凍庫に放り込んでいる。


 衝動買いしたもんなー。

 俺は俺で、ベビーカーからちびどもを取り上げ、防寒具を取り外す。

 もこもこがむちむちに変身だ。


 そしてベビーベッドに設置した。


「ほぎゃー」


 おっと、ホムラが泣き出した!

 これは、外を移動している間におしめに致したな?


『んここは俺がぁ』


「待て待て。おしめ交換ができる時期というのは限られているんだ。たまには俺にやらせるんだ。父親特権だぞ」


『ぬおぉ主横暴だぞぉ』


 むきーっと抵抗するイグナイトを、紐でぐるぐる縛って転がしておいた。

 むーむー言って床の上で暴れている。

 いつもは冷静なイグナイトだが、ことホムラのことになるとムキになってしまうようだな!


 いいことだ、いいことだ。


『初めて生まれたところからお世話できる、生粋の主様ですからねえ~。気持ちはとっても分かります』


 こっちはミナトのお世話をするようになってから、すっかり落ち着いたマリンナ。

 しれっとミナトのおしめ交換を済ませているのだった。


 おしめがスッキリした我が家のちびたちは、すっかりニコニコ。

 お散歩の感想らしき、だー、とか、うー、とか赤ちゃん語を聞かせてくれた。

 いやあ、これを聞くだけで今日一日が、いい日だったと思えるなあ。

 

お読みいただきありがとうございます。

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うぉ〜、若者甘酸っぱ〜い!
そういうモンかあ…
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