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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
勇者パーティ、スパイス!編

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第259話 備えよ、勇者パーティ!

 やって来ましたXデー!

 きら星はづきの水着配信があり、彼女がカッとなってオーストラリアに飛んでそこを救い、そろそろ学生さんたちの夏休みも終わった頃合い。

 彼女の一大コンサートが始まったのだ!


「彼女は無茶苦茶な動きをしてるなー」


『化け物みたいな女ですよね!! なんか引退しそうな気配を感じるので早く引退してほしいですよ!!』


 きら星はづきについて語る時、ガタガタ震えるフロータである!

 そんなわけで、コンサート開始に合わせて都心に集まった勇者パーティ。

 これから国際展示場まで向かい、ここらへんで大魔将ジーヤの核の部分とやり合うぞ、という計画を立てた。


 他にも有力な配信者たちが全国から集まってきている。

 例えば、きら星はづきが中国で出会い、連れ帰ってきた二人。


 ホセ&パンチョだ!


「いや誰!?」


 タリサのツッコミに、ソンブレロを被ってギターを肩から下げたメキシカンな男が激しくビートを奏でる!

 それに合わせて、ホイッスル音とともに踊り狂うサッカーユニフォームの男!


 こんなんでも超一流の上澄み中の上澄み配信者で、ちゃっかりきら星はづきと並んで中国のジーヤ撃退に参加したという実力者。

 何故か今回は会場ではなく外にいる……。


「俺達に華がありすぎるからじゃないかな!」


「そうだな兄弟! 主役を奪ってしまうからな! はっはー! だがここは美しいセニョリータが多い! 俺はこっちで良かったと思うよ! あ、セニョリータがたくさんなのに俺が一人? 問題なし! 俺は! 一人で! イレブンだから!」


 パンチョがそう宣言すると、11人に分身した!

 うわーっ!


 勇者パーティの女子たちもこれには衝撃を受けている。


「こういうのに詳しそうなカラフリー、どんなもん?」


『ドッペルゲンガー現象ざんすねこれ! 擬似的に起こす魔法はあるざんすけど、自分の意志で分身して全員が独自に動き、しかもチームワークを発揮するのは前代未聞ざんすねー。こんな逸材どこにいたざんすか!? え!? スペイン!? なんで魔女は気づかなかったざんすか!?』


 カラフリーがツッコミに回っている!!

 それくらい、世界トップの配信者というのは凄いのだ。


 他にも、八咫烏とホワイトナイト、サポートチームもいるし。


「いやー、僕も中でコンサート見たかったんだけどねー」


「ヤタさんずっとはづきちゃん応援してるもんねー」


「うんうん、親友の妹だからね。僕の妹みたいなもんで」


「誰がお前の妹だ」


 横から、白黒のトレンチコートを纏った男が現れた。

 あっ!

 イカルガエンターテイメントの社長にして、元八咫烏の同僚、斑鳩!

 きら星はづきの兄でもあり、重度のシスコンであると有名だ。


「どーもどーも! お世話になってます。スパイスです~」


「ああ、君が協力者の……。個人勢なのに魔導書を駆使して企業勢を凌ぐ情報収集や業務遂行能力を持つという……。こちらこそ。弊社が世話になっている」


 握手するスパイスと斑鳩なのだった。

 これを見て、ユーシャちゃんたちがざわざわしている。


「なんか言葉の端々に腹の探り合いが……」


「大人の世界じゃない?」


「スパイス、やっぱり大人だったのね……」


 大人だよ!

 おっと、コンサート会場がワーッと賑やかになった!


 そろそろかな?

 そろそろかなー。


 勇者パーティ関係じゃない、有力配信者たちも身構える。

 魔力があってもなくても、なんかただならぬ雰囲気がこの辺り一帯に漂ってるのは分かるだろう。


 おめでたいコンサートだと言うのに空が一面にかき曇り、今にも雷鳴が轟きそう。

 真夏だと言うのに気温が一気に下がって、秋みたいだ。


『マスター、各地の仙人の方や魔法使いの方や陰陽師の方、それにお兄様お姉様みんなで作った魔王センサーに反応です。来ます』


「おっけーフロッピー! みんなー! 来るよー! 準備ー!!」


 スパイスの掛け声に、集まった全員が戦闘準備だ!

 というか、配信準備だ!!


 空が割れる!

 そこから、むちゃくちゃ巨大な半円状の触手付き隕石! って見た目のが出現した。

 隕石の先端に、逆さ向きにギャルが立っている!

 魔王だー!


 生で見ちゃったぞ。


 で、魔王はコンサート会場に吸い込まれていく……。

 それに付き従う、ローブを翼みたいに羽ばたかせるやつがいて、こっちがスパイスたちの狙い!


「おっしゃー! 吸い取るぞー! いっけー!」


 会場周辺に配置された術者の皆さんに連絡が行く!

 ローブを翼にしたやつ……ジーヤ本体を国際展示場まで移動させるのだ!


 おうおう、空で焦ってる焦ってる。


『なっ!? ひ、引っ張られる……!!』


 戸惑いの声をあげながら、ジーヤが国際展示場駅の前に落下した。


『配信者どもか……! 何をした……!!』


 立ち上がるジーヤ本体。

 でけー!

 5mくらいある!


「これはねー、スパイスの魔法と、仙人さんたちの力を得てねー。ちょっと失敗するように運をいじった感じ!」


 親切にスパイスが説明してあげると、ここでユーシャちゃんが歩み出た。


「私達は勇者パーティとサポートメンバー! ここで止めるよ、大魔将ジーヤ!」


『はっ! 貴様ら雑魚が、完全体となったわしを止めるなど片腹痛……むむっ! き、聞こえてくる! あの女の歌声が!』


 はづきちゃんの歌でデバフが掛かってるねー。


「そういうこと。癪だけど、今のタリサたちはとっても強いんだから」


「準備だゼルガー。僕らの力を示すときだぞ」


「無論!」


「シェリーの眷属も強化されてるみたい? はづきったらほんと便利ねえ」


「そんじゃあサポートの皆さんもいってみよー!」


 みんなからの遠距離一斉攻撃だ!

 これをバリアみたいなので防ぐジーヤ。

 ずるいぞー!!


『舐めるな、人族風情が! このわしは、マロン様に数千年付き従った大魔将ぞ!! さあ、報いを受けよ!!』


 反撃の赤い稲妻!

 地上に生まれた雷霆めいて、周囲一帯を薙ぎ払おうとする……ところにだね。


「ゼルガー!」


「おう! 行け、カイワレ射出!」


「オ~~~~~!?」


 全身タイツなヒーローが放り投げられた。

 ポテンと赤い稲妻の前に落っこちるカイワレ。


 すると、稲妻は全てカイワレに吸い込まれるように収束し……。

 バーンと炸裂したけどそれっきり。

 全部消えた。


 カイワレが「アーウチ!」と言いながらふっ飛ばされていき、勇者部開発の新装備、ブースターパックですぐ戦場復帰してきた。


「ワオ! とんでもない攻撃だったね……!! 上手く避けなかったら黒焦げだったよ!」


 配信コメントが総ツッコミだよ!!


※『直撃だっただろ!』『カイワレ、アンビリーバボー!』『このモヤシはどうなってるんだ!』


『なんだ……!? なんだ、貴様は……!!』


「へいリスナー! ここから僕のかっこいいアクションが待ってるぜ! 見逃しはノンノン!!」


 ジーヤの話を聞いてない!

 で、そこに他の配信者のみなさんもワーッと集まってきて攻撃だ!


 ホセがギターケースから無数の武器を展開してワンマンズアーミーになり、パンチョは11人になって一斉にサッカーボールを蹴りつけ、なんか見覚えがある地の魔将っぽいやつらもこっちに協力して魔法を使っている。

 大混乱だ大混乱だ!


 うわーっ、突然配置されたテーブルやハシゴみたいな大道具の上を、カンフーする人が転げ回りながらジーヤに攻撃している!

 頭上に出現した雀牌が、次々に役を作ってジーヤに炸裂する!


「ヒャッハー!! 行くぜ行くぜ行くぜー!」


「おう! チャラウェイに続けー!」「わしらドワーフの意地を見せるんじゃー!!」


 チャラちゃん&ドワーフ軍団も来ています!

 この大攻勢を受けて、流石にジーヤは完全に余裕が無くなったようだった。


『馬鹿どもめ……!! このわしが……! このわしが、お前らごときに……!!』


 巨大化していく~!

 国際展示場と同じくらいの高さになった!

 20mくらいじゃないかしら。


 そんな巨大化ジーヤに立ち向かう、八咫烏と斑鳩!

 かつての伝説的コンビの再結成ですって。


「あっついねー!」


※『スパイスちゃんの出番では?』『スパイスちゃんのいいとこ見てみたい!』マルチョウ『うちの職場近いんで頼むぞ……!』ランプ『現場近くで望遠鏡で見てます!!』


「オーケー、落ち着こうお肉ども! スパイスはあれだよ。じっくり準備してるからねー」


 配信者総攻撃の中、ちょっとどでかい魔法の準備が進行中なのだった。




お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
おお、いきなり佳境ですねぇ。 (思わずはづきっちの方の話確認しに行ってついつい読み込んでしまった勢)
うあ! 時間稼ぎになってるはずなのに、これだけですでに倒せそうな感すらある!
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