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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
勇者パーティ、スパイス!編

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第249話 後方軍師スパイス!

「タリサ、魔将においついた?」


「追いついた! 後ろに向かってどんどんモンスター吐き出すトラックだよこいつ!」


「どこからモンスターが出てくるかと思ったら、魔将が吐き出してたのかー。えっと、タリサが並走して攻撃開始したのを確認っと」


 スパイスは上空にて、ダンジョン全体を見渡しながら指揮をしていまーす。

 今回は連携が目的だからね。


「モリゼルコンビー! 追いつきそう? タリサの手数だと魔将に攻撃が届きづらいっぽい!」


「了解! 僕が牽制してみます!」


 モリトンの矢が飛ぶ。

 同接パワーが乗った矢は、唸りを上げながら一瞬で魔将まで到達。

 モンスターカーが生み出されるところに炸裂し、『ウグワーッ!』と爆発させた。


 一瞬だけ、モンスターカーが生まれるのが遅くなったところにゼルガーが猛追する。

 ランスで魔将トラックを、タリサとは逆方向から叩く!

 モリトンは曲射で、バンボディ(荷台)越しに出現するモンスターカーを攻撃し続けている。


 これで、出てくるモンスターが如実に減ったからっと……。


「ユーシャちゃん、シェリー、ここで一気に加速できると思うよー!」


「敵が減った! はーい! いっきまーす!!」


「スパイスが全体の俯瞰を伝えてくれるから、なんだか動きやすいわねこれ。ゴーゴー!」


 ホバーボードとタヌキバスが『ポンポコリーン!』と疾走して、魔将まで到達してくる。

 勇者パーティ勢揃いだ!


 カイワレ?

 カイワレは早く走る手段がないので、タヌキバスの中に座ってる。


※『スパイスちゃんの采配が生きてるなあ!』マルチョウ『的確な指示と情報提供だ! 戦場において、個々の判断に任せると非効率的だからなあ』『戦闘指揮系はチャラウェイもやってたねー』


 ほうほう、チャラちゃんが!

 彼は異種族を引き連れてダンジョン攻略したりするからねー。

 多芸な人なので、指揮をやってたと聞いて納得するのだ。


 おっと!

 トラック魔将の前方にタリサ、左にモリゼル、右にユーシャちゃんで後ろにシェリー。

 包囲が完了したな。


「これを包囲殲滅陣と名付けまあす!」


※『どこかで聞いたことがあるような……』『よくある名前……w』『殲滅と言うからには……』


「総攻撃ーっ!!」


 スパイスの指示のもと、勇者パーティが最大火力で攻撃を開始した!

 バック走タリサが正面から猛烈な射撃を行い、横合いからゼルガーが体当りし、モリトンはひたすらに曲射でモンスターカーを撃破。

 シェリーが呼び出したモンスターが、次々と魔将トラックの横に取り付いてガンガン殴りつけ、あるいは魔法で攻撃し……。


「うおーっ! いっきまーす!! ゴボウセイバー! ジャッジメントスラーッシュ! ファイア&フリーズエンド!!」


 タリサの攻撃で速度が落ちてきていた魔将相手に、炎と氷を纏って巨大化したゴボウセイバーが迫る!

 そして一刀両断!


『ウグワーッ!! 話に聞いていたよりも強いーっ!!』


 おや?

 魔将は何かご存知でしたか。

 だが、断末魔とともに消滅してしまったので確認する手段はなし!


 東名高速は解放され、スパイスたちは再びバスに集結なのだ!

 タヌキバスが元のバスに戻った。


 そのまま高速道路をブンブン走る。


 おお、後ろから渋滞が解消された車が、どんどんやって来る。


「みんなーおつかれー! いやー、今回スパイスは楽しちゃったなー」


「ううん! スパイスさんのお陰で助かったよー!! ありがとうございます!」


 ユーシャちゃんがスパイスの手を握ってブンブンした。


「なんか、どこに誰がいて、次に何をするべきかみたいなのがはっきり分かって! 今までで一番動きやすかったです!」


「そうだね! スパイスがどんどん戦いの情報を送ってくれるから、タリサも自分が何をしてるってすぐ分かるの。これすっごく助かったー!」


 フロッピーが協力してくれたおかげなのだ!

 あと、外部頭脳としてアフームたんも働いてくれている。


 地上の情報をアフームたんが走査してこっちに送信し、これを受け取ったフロッピーが即座に空陸の戦場図を作り上げて仲間たちのAフォンに転送する。

 で、Aフォンはみんなの視界の端に全図を展開し、これをちらっと横目で見ながらみんなが動くわけだ。

 タイミングとかの指示はスパイスの役割だねー。


「ファオ! 僕は何もしてなかったけどね! HAHAHAHAHA!」


「今回は強烈なダメージを与えてくる敵がいなかったからねー。カイワレはいざとなれば出撃要請するよー。その時はスパイスが手ずから必要な場所まで射出するから」


「ワオワオ! それは頼もしいね! ……射出……?」


 勘の鋭い男だねえ!


「俺達の役割が少々地味だったが、もう少し絵的に映えるようにしてくれると嬉しい。いや、無理を言っているのは承知だが」


「オッケーゼルガー! 実際、ゼルガーが相手の注意を集めて、モリトンが雑魚掃討をやってくれたお陰で作戦が成り立ってたからね! 今度は派手な解説とかつけるよ」


「ありがとうスパイス」


 モリトンがニッコリした。

 女性人気が急上昇中のモリゼルコンビなのだ。


 で、シェリーはちょっと難しい顔。


「今回はハイウェイっていう特殊な環境だったけど、他だともっと戦う場は狭くなる可能性があるでしょ? そこにカイワレと、スパイスも入るでしょ? ちゃんと指揮したりできそう?」


 おっ、心配してくれてる!


「スパイスはフロッピーがいるし、アフームたんも協力してくれるからねー。科学の力で乗り切るよ! リスナーが戦況解析用のアプリも開発してくれているので……」


 これにはみんなが驚く。

 ふふふ、持つべきものはリスナーなのだ!


 もともとシミュレーションゲーム用の補助アプリだったのを、ダンジョンでの集団戦用に作り変えたものらしい。

 プログラムが得意なランプというお肉どもがいて、彼が頑張ってくれた。

 マシロの同僚なんだよねー。


 てなわけで、魔王との戦いは配信者だけでなく、リスナーまで加わっての総力戦の様相を呈して参りました。

 こんなノリで、そろそろ季節は夏になるわけなのだ!

お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。

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― 新着の感想 ―
>カイワレは早く走る手段がないので、タヌキバスの中に座ってる。 流石はカイワレ!期待を裏切らない活躍しなさっぷりだぜ!
科学の力が連携にとても有用ですねぇ。魔導書は基本的に使ってる魔女一人の話で連携とか滅多にしなかったろうから、このあたりの分野は科学の申し子たるフロッピーちゃんとアフームたんに向いた分野なのかもですねぇ…
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