第245話 開発せよ、必殺技!
説明しよう!
冒険配信者における必殺技とは! とは!
「見ててねー。必殺技は既存の攻撃の組み合わせなんだけど、それを上手いこと組み合わせてね……イグナイトいくぞー!」
『ぶるあああああ!! 任せろぉぉぉぉ!』
『うぼあ?』
ちょうどいいところにゾンビが!
これを……。
「フレイムチェーン!! なにげに新魔法だぞ。これで固定して……バーニングハンマー&ネイル!!」
※『うおおおおおお!!』『出た必殺技あああああ』『ゾンビ一匹に対してあまりにもオーバーキル!!』
そうなんだけど説明のためにね!
炎のチェーンで拘束されたゾンビを、炎で作り出した巨大な釘で打ち抜き、さらに炎のハンマーで地面まで貫通させる!
『ウグワーッ!!!』
ゾンビが十回超くらい消滅できるダメージを受けて、パカーンと砕け散った。
周囲のゾンビが『ウワーッ』『ヤバい』『ないわー』と怖がっている。
理性を失ったモンスターが理性を取り戻すくらいの技!
「これが必殺技だよ」
「かっこいー!!」
「ふ、ふーん、やるじゃない。っていうかスパイス、あなた一体どれだけの手札を持ってるのよ。いつもサポートばかりで、力を見せることが無いけど、たまにあなたの過去のアーカイブを見ると毎回違った戦い方をしてるし」
「むふふ、ひみつー」
「魔女らしい魔女だわ!」
「まあねー、スパイスちゃんはパワーアップしてっからねー。イラみたいにナチュラルな感じで戦うのとは違うスタイルだよねー」
ということで!
ユーシャちゃんもやってみよう、ということになった。
今回の配信は、練習配信でもあるのだ!
では、それっぽいゾンビを見つけて……。
「おっ、君いい体格してるねえー!」
『ウボアー! 勘弁してください』
「なんかゾンビ喋ってるんだけど!?」
「喋るとやりづらくなるよなー。スパイスちゃん、こっちの理性取り戻してないやつにしようぜー」
「それもそうだねー。じゃあイラちゃんが捕まえたゾンビを実験台に……。ユーシャちゃんやってみよう!」
「は、はい! ゴボウセイバー!!」
五芒星が刻まれた、白い剣を抜くユーシャちゃん。
ゴボウは皮を剥くと白くなるからね。
「必殺技をイメージして。ユーシャちゃんならどういうイメージ? 魔法は炎だけど、アフームたんは氷でしょ? だったらー」
「氷炎の……! これだー!」
思いついたね!
行ってみよう!
なお、ゾンビはイラちゃんが伸ばした黒い炎に束縛されている。
はやく倒さないと、黒い炎で勝手に倒されるぞ!
スパイスたちの基本攻撃力、かなり高くなっちゃってるからねー。
そっと壊れ物を扱うように接しないと、ゾンビとかはすぐに消えちゃう。
綿菓子くらい儚い。
そんなことを考えているスパイスの前で、ユーシャちゃんの周りに白と赤の光が集まり始めている。
氷と炎。
今はアフームたんの力の方が強いか。
使い魔になってる、大魔将ドローン。
ユーシャちゃんスキスキ勢だからコントロールできてるけど、明らかに本人よりも強いもんねえ。
『ユーシャちゃん! 光を剣に集めるですー!!』
「あいおー! 集まれ、氷と炎! 氷雪螺旋! 凍てつかせ、燃やし尽くし、粉々に砕く! ジャッジメント……スラーッシュ!!」
氷と炎が生み出す効果か、ユーシャちゃんがダッシュすると猛加速した!
明らかに足元は滑りながら速度出してる。
超電導ホバーだ!
で、ゾンビに到達して、ズバーンッ!!と一閃。
『ウグワーッ!!』
袈裟懸けに両断されて、ゾンビがバシューッと消滅した。
※『うおおおおおお』『うおおおおおお』『うおおおおおお』
「かーっこいいーっ!!」
スパイス的には百点満点だよー!!
いやあ、凄く勇者ーって感じの攻撃じゃない?
良かった!
とても良かったー。
「ふーん! やるじゃない! 日本のアニメとか特撮みたいで凄くユーシャにマッチしてると思うわ! ……あとはメイクとか衣装がね……」
「アバターの調整が必要ってことかぁ」
「今の純朴な感じも悪くないけどねー。スパイスちゃんみたいに、本気モードでお着替えみたいなのもいいぜー」
イラちゃんも本気モードになると、大罪形態みたいなのに変身するもんね。
なお、シェリーがここで本気モードを見せてくれたんだけど……。
腰のカードホルダーが飛び上がって、変形した。
変形!?
それを左腕に装着すると、ホルダーが展開。
大型のブレスレットみたいだったのが、左手前方にカードスリットが広がるガントレットみたいになった。
そこには既に、シェリーが選んだ召喚カードがセットされている。
「ドロー! フェノメノン・バックドラフト! コール! レッドバルログ! セットしたウェポンカードをオープン! デーモンサイズを装備させて……アタック!」
シェリーの眼の前に、巨大な炎の悪魔が出現する!
悪魔は背後から吹き付けてきた、強力な炎の嵐を受けて更に巨大化。
そして、どこからか出現した真っ黒な鎌を装備すると……。
『契約に応え、我が力を振るわん! ぬううううんっ!!』
一閃!
『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』『ウグワーッ!!』
ショッピングセンター内にいたゾンビが丸ごと倒されてしまったのだった。
うおーっ!
ダンジョン化が解けるー!!
「フロータ、あれはどんな感じ?」
『独自の魔法体系ですねー! 触媒を使った召喚魔法の系統ですけど、これをさらに独自の魔学で強化、応用、変化させています! 興味深いですねー! 主様、彼女とは仲良くするのおすすめですよ! 多分こういう頭おかしいのはマーリンの系統かなあ……?』
「フロータが褒めるとは! ほんとに凄いんだなあ」
流石、イギリストップの配信者だ。
レッドバルログと並び立つシェリーは大変絵になる。
で、モンスターはまたカードの中に消えてしまった。
召喚時間はほんの少しなのね。
それで魔力の消費を抑えているわけか。
ガントレットがまたカードホルダーに戻り、シェリーの腰に装備された。
「どう? これが必殺技よ」
かなり見直しちゃったなー!!
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