第244話 勇者パーティ抜粋チーム!
勇者パーティは自由に組み替えてもいいことになっている。
毎回七人で動くんじゃ大変だからね。
ということでー。
今回はユーシャちゃんに実戦経験させまくろう! というコンセプト。
スパイスとシェリーとユーシャちゃん、そして特別ゲストが来てくれています!
「いよー、おじさんサタンって名前なのに出てきちゃっていいわけ? いいんだなーこれが。サタン・イラでーす」
「イラちゃんおひさー!」
「スパイスちゃんじゃーん。かなり腕上げたんだってー? 見てたよー」
スパイスとイラちゃんで、いえーいとハイタッチするのを、シェリーが「か、かわいい……」とぶるぶる震えながら見ているのだった。
ユーシャちゃんはイラちゃんを見て、「こ、この人もおじさん……!! 配信者界、あまりにも奥が深すぎる~」
うんうん、衝撃だよねえ。
さてこの配信。
目的地はとある廃ショッピングセンター。
ダンジョン化したそこは、ゾンビがもりもり出てくるようになってしまって、取り壊せなくなったんだとか。
重機が入ろうとすると、ダンジョンからゾンビがわらわら溢れ出てきて、オーエス! と重機を押し返すんだと。
ちょっと平和的なダンジョン……?
これなら練習台になるでしょ、ということで、今日はシェリーと二人でユーシャちゃんを連れてきているわけです。
『彼女が魔女だとすると、主様より新しい唯一の魔女ですねー!』
フロータ曰く、スパイスの唯一の後輩ということに!
それは色々教えてあげなくっちゃなあ。
「さ、行きましょ。でもスパイス、どうして部外者のイラを呼んだの?」
シェリーの質問に、スパイスはお答えします。
「それはねー、勇者パーティの配信は他の配信者と、かけ離れたものではないよーってお伝えしたくってですね」
馴染みのある配信者とコラボすることで、すぐそこで魔王との戦いが行われてるから、みんな応援してねみたいなメッセージが籠もっているわけだ。
「そんじゃスタート! どーも! こんちゃー! スパイスでーす!! 本日の勇者パーティ配信は、スパイスのチャンネルからお送りします! あ、シェリーも同時にやってるよ。向こうはイギリスのリスナーが対象だからねー」
※『こんちゃー!』『うおっ、イラちゃんいるじゃん!』『当たり前みたいな顔してスパイスちゃんの横に立ってる!』
そしてさらに隣のユーシャちゃん。
うんうん、スパイスたちと並ぶと、大人のお姉さんっていう感じだねえ。
「よほー。イラだよー。そんじゃあ、ひよっこ勇者のレッスンをやっていこー」
向こうでもシェリーの挨拶が終わったみたいで、Aフォンを引き連れてやって来る。
スパイスたちもシェリーの配信画面に向けて、手を振ったり飛び跳ねたりした。
おお、反応があるある。
おじさんが可愛いことにすごい衝撃を受けてるみたいだ。
※傲慢『憤怒!? 君は確か滅ぼされたはずでは……!!』
なんかイラちゃんの知り合いっぽい人がいる?
さてさて、ショッピングセンターに近づくと……。
『ウボアー』
「うわーっ、いきなりゾンビが溢れ出してきた! 数がいるぞー!」
だが!
今回は後衛パーティ。
近寄られる前に、魔法がばんばん飛んでいくのだ。
ゾンビがあっという間にばたばたと倒れていった。
「シェリーの呼び出したその半分魚になってる馬、射撃攻撃するんだー!?」
「ケルピーね。周囲に小さい泉を呼び出して、水を弾丸にして射出するの。ケルピーと話し合って、色々ミックスしてパワーアップさせたのよ」
うおーっ、そんなことができるのか、カード召喚!
ユーシャちゃんも、現代魔法ファイアボールをぶっ放し、アフームたんがこれを加速させる。
おおーっ、ただのファイアボールも速度が上がっただけでかなり印象変わるなあ。
ゾンビたちを巻き込んで飛んでいき、ドカーンッと爆発する。
『ウグワーッ』
ゾンビがやる気なさげな悲鳴をあげて消えていった。
とりあえず、外に出てきた分は終わり。
中に入ってみましょうー。
「ゾンビものの映画ってさー、こういう見通しの悪いところを歩いてさー、それであちこちから出てくるゾンビが怖いっつーかびっくりするじゃんねー」
『ウボアー』
「こんな風にさー」
『ウグワーッ』
先頭を歩くイラちゃん。
喋っている間に、棚を突き抜けてゾンビが腕を伸ばしてきたら、そこを指先でピンと弾いて燃え上がらせた。
炎の塊みたいになって、倒れるゾンビ。
「うわーっ、ベテランの風格ですねー」
ユーシャちゃんが感心すると、イラちゃんはちっちっちっと指を振った。
「イラはキャラを確立したからねえ。期待されるアクションをすると強くなるわけよ。ユーシャはまだそういうの少ないでしょー? お約束をね、擦っていくのが大事なのよー」
「いいこと言ってるー!」
「含蓄があるわねー」
スパイスとシェリーでうんうん頷く。
イラちゃんのいい話は、アフームたんが記録しているようだ。
眷属化してる気がするけど、基本的にはドローンだし、なんかAフォンに近い機能まで生えてきてるのね。
「よーし、じゃあ一旦作戦タイム! 周りのゾンビを一掃するぞ! ファイアストーム!!」
スパイスはイグナイトスパイスに変身し、周辺に炎の嵐を吹き荒れさせた。
ゾンビたちがウグワーッと倒れて、辺りが静かになる。
「スパイスが思うにー。ユーシャちゃんは魔法に頼ることが多いと思うんだよね。でもスタイル的には勇者……つまり近接戦も望まれてると思うので、このゴボウセイバーを擦っていくのが正しいと思う」
「な、なるほどー!」
「スパイスも武器でやってみるので、ユーシャちゃんもやってみよう!」
「おっし、私も武器のモンスター召喚しとくわ」
「イラも鎌でいくかー」
後衛パーティが一転!
前衛装備だ!
さあ、ユーシャちゃんの前衛戦闘スタイル、開発していくぞー!
お読みいただきありがとうございます。
面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。




