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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
勇者パーティ、スパイス!編

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第239話 勇者パーティー顔合わせ!

 さてさて。

 配信者って、一つのチャンネルでみんなを写していると、そこについた同接による応援パワーみたいなのが分散すると言われてるんだよね。

 なので、基本はそれぞれのチャンネルで配信しつつ、コラボ数人数はコントロールする感じ。


 だけど、勇者パーティは常時六人コラボみたいなものだ。

 同接が分散しない?

 そういう疑問は出てくると思います!


「なるほどねえ。これ、勇者パーティのタグで、今一番ホットですよーってのをアピールしながら同接を集中させる作戦なんだ」


 スパイスが、イカルガエンターテイメントからもらった企画書を読んでいると、横からシェリーが顔を突っ込んできた。


「ふーん、なるほどねえ。上手く出来てるじゃない! あのオーディションを突破したとなると、話題性は抜群だもんね! それに……競合を心配してるけど、日本のメンバーは二人だけでしょ? だったら同接を気にするのはあなたたちじゃない?」


「あー、言われてみれば!」


 あと、君は物理的距離が近いかなー?

 シェリーさん、スパイスは既婚成人男性ですよー。


 さてさて、ここは勇者パーティが集められた会議室みたいなところ。

 イカルガエンタの人から、一通りの説明を受けたところだ。


 タリサは前のめりで話を聞いてて、ふんふん頷いている。


「このイベントをステップにして、タリサはワールドワイドになりたいもんね!」


「タリサさんの目標が高いなあー」


「ユーシャはこの中だと一番の新人でしょ? じゃあ一番頑張らなくちゃ! バンバン頼ってよね!」


「頼もしい~!」


 タリサとユーシャちゃんはさっそく仲良くなっているようだ。

 年齢も近い感じだもんねえ。


 少年とケンタウロスコンビのモリトン&ゼルガーは、ちょいちょい孤高な雰囲気を漂わせている。

 孤立しないか心配だなー。


「ちょっと声掛けに行ってくる!」


「スパイスは世話焼きねー。いいわ。私も行く」


 シェリーも気になっていたらしい。

 二人で、「こんちゃー」「ハロー」と声を掛けに行った。


 そうすると、モリトンがびくっとして振り返る。

 あっ、これは……。

 孤独を愛するタイプではなく、人見知りだな……!?


「スパイスでーす。よろしくね! モリトンくんと、ゼルガーくん」


「私はシェリーよ。よろしくね。ふうん……。君はシャイなのね? そして君は本当に無口」


「よ、よ、よろしく」


 モリトンはどこにでもいる、ごく普通の少年といった外見。

 でも、顔は美形だねー。

 弓を使うための最低限のプロテクターみたいなのが彼の装備で、服装がちょっと派手な刺繍で覆われているのは、向こうの戦闘用の衣装なのかも知れない。


 ゼルガーは黒い馬の下半身を持つ、日焼けした肌のケンタウロス。

 レザージャケットを纏い、腕組みをして一人、目をつぶっており……。


「こんちゃー!」


「ハロー!」


「聞こえている!」


 流石にうるさかったらしくて、カッと目を見開いた。


「ゼルガーだ。スパイスとシェリーだな? モリトンをよろしく頼む」


 モリトンくんの保護者役か……?

 二人の馴れ初めが、おじさんは気になるなあ。

 こんな内気と無口のコンビで、ちゃんと配信できてるの?

 気になる~!


「問題ない。モリトンは配信になるととてもよく喋る」


「ゼ、ゼルガー! それは言わないでよー!」


「ハハハ」


 ウワーッ!

 美少年とムキムキのケンタウロス青年がイチャイチャしている!!

 なるほど、人気な理由が分かったぞ。


 シェリーもなんだか複雑そうな顔をしている。


「危うく新しい扉が開くところだったわ。私、ラブはキングスタイルが好みなの」


 王道を行くノーマルラブの人なのね!

 その後、タリサとユーシャちゃんとお喋りをしに……。


「ほほーん、タリサちゃんはあくまでベースはアフリカで、そこの民族紛争とかを止めて、アフリカっていう大きいアイデンティティで一つにしたいと……。でっけー!! 志がでっけー!! おじさん感動しちゃったなあ」


「んもー! スパイスがたくさん褒めてくれると気持ちよくなっちゃう~! ……おじさん? おじさんなんで?」


「お気づきになりましたか……」


 ニヤニヤするスパイスを手のひらで指し示し、ユーシャちゃんが説明してくれる。


「スパイスさんは男性なんですけど、いわゆるアバターを被って美少女化する……バ美肉という存在でして。それで名を馳せている方なんです」


「ひえーっ!! 男の人!? それで、こんなに完璧な小さい女の子になれるの!? 仕草も言葉遣いも、全部完璧じゃないのー!」


「あら、そう? メンタリティとか言葉の端々に出てくる意識とか、男性のものでしょ。ちょっと喋れば分かるわ」


 驚くタリサ。

 当然でしょって顔のシェリー。


 二人とも、魔導書たち曰く最新世代の魔女らしいけど、キャラが全然違うんだねえ。

 共通しているのは、陽の光の下で活動する、人に寄り添って生きる魔女だということ。


「人から離れることを選んだ魔女たちは、みんな怪物になったからねえ……。うんうん、嬉しいなー先輩目線だ」


『彼女たち、主様より魔女としては先輩ですよー』


 フロータの衝撃的発言!!


「えーっ、ほんとー!?」


『ですよー。ねえお二人とも。物心ついた頃から魔女の修行をしてたでしょう?』


「うんうん、タリサの家はシャーマンだったからね。久しぶりに才能がある娘が生まれたーって言うんで、英才教育されたよ!」


「私は、乳母が白魔女だったの。彼女にカード占いを教わって、それを独自に研究して、旅のデュエリストから習ったトレーディングカードゲームと融合させ、召喚魔法を完成させたのよ」


「うわおーっ、スパイス、未だに一番後輩だったのかー!」


 大いに盛り上がっているので、モリトンが興味を持ってちょこちょこ近づいてきた。

 君は君で、ゼルガーとのコンビネーションと弓の腕前という、フィジカルオンリーで勇者パーティに入ったんだ。

 誇れるぞー。


「それにしても……残り一人は誰なのかしらね? このメンバー、もう完成してるじゃない? なのに、ハヅキがわざわざ選んだという最初の一人。何者なのかしら」


 シェリーの言葉に、頷く全員。

 謎だ。


 タリサとモリトンとゼルガーで前、ユーシャが万能で、シェリーとスパイスが後衛でしょ?

 全部揃ってない?


『私の予測なのですが』


 ここでフロッピーがそろりと考えを口にした。


『あの圧倒的な魔王の攻撃を、受け止める担当が必要なのではないでしょうか。これができる配信者は、私のデータにある限りは世界に二名です。きら星はづきさんと……』


 はづきちゃんレベルの防御力のメンバー!?

 誰だそれはー!


『はづきさんとともに、サンフランシスコを救った英雄の一人、キャプテン・カイワレさんです』


 誰だそれはー!!


お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。

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― 新着の感想 ―
読者の皆さんカイワレ好きすぎ!!
更新お疲れ様です。 久しぶりのカイワレさんww ドラゴンボー○のカイワレマンと違って、条件が揃えばほぼ無敵の受けタンク(但し攻撃を防ぎ切るとは言っていない)になってくれますからね…スパイスちゃんたち…
スパイスちゃん、カイワレのことをご存知ないぞ!w
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