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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
おめでた発覚編

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第223話 新しい入居者がやって来た

 四月に入り、きら星はづきが二曲目を出し、ライブダンジョンの新メンバーも大好評。

 コーラル社長も毎日、自宅でゲーム配信などを行っている。

 ダンジョンは?


 それは昨日、そこそこの規模のダンジョンに単身で挑んで入口からドラゴンブレスで中身を焼き払うしょっぱい配信をやってしまったので、しばらくお休みらしい。


「おお、ダンジョンは儚い」


「社長、パワーはセーブしないとですよ。ドラゴンって一応超越種族なんですから、人間サイズのダンジョンなんかあっという間に終わりますし」


 なお、このしょっぱい配信は大いにバズった。

 社長の実力が知らしめられたらしく、あっという間に彼女の登録者数が十万人を超える。


 人間とは思えぬところにシンパシーを覚えるということで、異種族のリスナー……たつのおとしごもかなり多いらしい。


「本日は収益化配信だ。だが……金はあるから別にそこまで……」


「一応配信者なんですから、リスナーに感謝はしておくのが吉ですよ社長」


「そうか、そうだなあ……。本当に近くにスパイスがいて助かる。我だけでは空気の読めぬ超越者ムーブで終わってしまうからな……」


 そんな話を、社長の部屋でやるのだった。

 このマンション、スパイスと迷宮省が入ってる最上階以外、中身がくり抜かれてコーラル社長用の異空間みたいになってるからね。


 そうしたら、一階部分で呼び鈴が鳴った。


「おお、来たようだな」


 社長がソファから起き上がると、翼をはためかせて降りていく。

 俺もスパイスに変身し、フライトでついていった。


『誰でしょうねー』


「社長が仲良くしてる同期の子じゃない? 遊びに来たとか」


『ドラゴンが人間と遊ぶとか、すごい時代になりましたねえ!』


 フロータはこの状況が楽しいようだ。

 扉を開けると、小柄な女の人がいた。


 緊張した面持ちだったが、コーラル社長の顔を見たらホッとしたようだ。

 ドラゴンの顔を見てホッと!?


 彼女が社長と同時にデビューした、ライブダンジョンの新人さんなのだろう。

 

「よく来たなくおん。部屋は最上階に用意してある」


「来たよー、コーラル! ……あれ? この娘は? ……ひえーっ! 黒胡椒スパイスちゃん!!」


「はじめましてー!」


 なるほど、天使系配信者の、座天使くおんちゃんか。

 綺麗系と可愛い系が合わさったみたいな女の人で、髪を背中の半ばくらいの長さに伸ばしている。

 持ってきた荷物はちょっと大きめのボストンバッグで、それなりに重そうなんだけど……。


 軽々と持っているな。

 パワーがある系女子かも。


 確か初配信で、チンパンジー並の握力とか言ってたし!

 300kgかあ!


「もしかしてコーラルのマンション、スパイスちゃんも住んでるんですか?」


「そうだよー。はじめましてくおんちゃん! もともとスパイスが住んでたんだけど、家主がコーラル社長に入れ替わったんだよねー」


「ひえーっ、なんだってー!」


「ほう、人見知りするタイプのくおんがこれほど喋るとはな」


 スパイスとしては、引っ込み思案な人から言葉を引き出したりとかもね。配信者としての技術ですからね。


 くおんちゃんが部屋に案内されるのを見に行くスパイス。

 エレベーターを使って最上階まで。

 各階へのボタンが全て取り外されている。


「な、なんか異様じゃない?」


「これだけ見ると事故物件マンションみたいだよねー。実際に事故物件だったりもするんだけど、社長が住み着いて他のフロアを全部くり抜いて社長ルームにしちゃったんだよ」


「あ、なーるほど」


 どうやら社長の正体を知っているらしいくおんちゃん。

 納得してしまった。


 最上階に到着すると、ちょうど迷宮省ルームである隣室から、シノが出てきたところだった。

 社会人ルックだったんだけど、スパイスと社長に気づいたら、ドロンと音を立てていつもの狐幼女になった。


「おやー、社長はん珍しい。どうなさったんです? おや、新しい入居者?」


「あっあっ、は、は、はじめまして」


 おーっ、くおんちゃんが緊張している!!


「くおんちゃん、こちら迷宮省の協力業者のシノさん。陰陽師。何かあったら相談するといいよー。お隣さんだからね」


「あっはい! よ、よ、よろしくお願いします~」


 蚊の鳴くような声になったな!

 とにかく、このマンションは同業者しか住んでいない。

 配信者にはうってつけだと言えよう。


 くおんちゃんが入る部屋は、防音工事も行われ、配信者向けに特化するようだ。

 いいことだいいことだ。


「スパイスもいるからね。相談してね! 先輩配信者として相談に乗るからね! ただ、来るときにはこのザッコで連絡をね、入れてほしくてね……。スパイスはほら、中身がおじさんなので」


「は、はいぃ」


 配信者のガワを被らないと引っ込み思案らしいくおんちゃん、いきなりおじさんスパイスを見たらショックでぶっ倒れるんじゃないかと心配だからね……!!

 こうしてマンションに新たな住人が増えたのだった。


 ……と思ったら、その日の夜に若い女性が三人くらいわいわいやってきて、くおんちゃんの部屋に行くではないか。

 さらにコーラル社長もやって来た。


 同期五人で新居祝いのパーティか!! 

 次々にピザ屋やユーバーイーツも来るぞ!


 どうやらこのマンションでの生活も賑やかになりそうなのだった。

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
このマンション、楽しそう過ぎる!
そうかぁ… もしかすると、欧米の過去のドラゴンは東洋と違ってコミュ障とかKYドラゴンが多すぎて適応出来なかったのかもなあ。
配信者には嬉しい環境でしょうから他の社長の同期の子達も引っ越してきたりするんでしょうかねぇ?
感想一覧
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