第197話 対決！ 色彩の魔女の影！
カラフル・パース崩れモンスターたちが『もがーっ！』と襲いかかってくる！
一方、コメント欄は『うおおおおおおおお』と大盛りあがり。
※『リトルウィッチ・デュオ！？』『カッコカワイイ！！』『いつの間にそんなことに！』『スパイシーズもインパクト強い！』『一気に情報をワッと流さないでくれ！』
「いやー、フロータがスノーホワイトとザッコで話し合ってて決めたらしくて。企画力抜群だねー」
『ふっふっふ、任せて下さいよ！ 主様の企画と配信をずっと見ていましたからね……って話してる途中で来るなーっ！ スパイラル！ バラバラにしてくれる！！』
『ウグワーッ！！』
「うおーっ！ スパイスの顔でスパイラルを駆使してゴブリンの上半身と下半身をねじ切るバイオレンスアクション！！」
『ん行くぜえーっ！！ フレアアローを束ねてぇ！ フレアスピアーッ！！ どらぁぁぁ！！』
飛び上がったイグナイトが、炎の大槍を振り回す。
モンスターたちがそれでぶん殴られて、燃え上がったりふっとばされたり。
『ウグワーッ！！』『ウグワーッ！！』『ウグワーッ！！』
※『すげー！ スパイス軍団のアクションもおもしれー！』『スパイスちゃんが使える魔法までしか使えない？』
『そうでやんすねー。ほい、ハードショック！』
『ウグワーッ！』『ウグワーッ！』
メンタリスが攻撃してきたゴブリンたちの腕を取って、精神魔法で失神させる。
『タイダルウェイブで～す！』
『ウグワワーッ！！』『ウグワーッ！！』
ダンジョン入口が大変なことになっております。
「そんじゃあ、スパイスたちは奥に行っちゃおうか！」
「オッケーデスよー！ ゴーゴー！」
二人でふわりと飛び上がり、複雑に入り組んだダンジョンを空から攻略だ。
空が開けてるから、ある程度浮かび上がるとルートが俯瞰できる。
ふんふん、入口から枝分かれしてるけど、正解の道は一本だけ。
これだ！
「迷わないように、パンくずを落としていきマショウねー！ アイシクルランス！」
ウィンディが地上に巨大な氷柱を降らせる！
「それパンくず！？」
『ウグワーッ！』
「貫かれてるし」
「あのオブジェが森のパンくずみたいに目立ちマスからね！ 迷わないデスよ！」
「それはそうかも知れない」
※『ド派手なｗ！』『やっぱりこの娘もスパイスちゃんの同類だなあｗ』
『私もフロータに負けてはいられないからね！ 頑張るわよーっ！！』
吠えるスノーホワイト！
何度か迷って戻ってきて、ここで氷柱の目印が役立つ役立つ。
どんどん奥に突き進むけど、後ろからは魔導書たちが大騒ぎする音が近づいてくる。
順調に暴れてるなあ。
『あーっ、魔力切れ』
フロータの声が聞こえた。
みんな本に戻ってこっちにやってくるぞ！
入口近辺のモンスターは一掃したみたいだ。
「今後の課題は持久力だねー。魔導書だけだと持って五分かー」
『主様から分けられた魔力しかないですからね！ 一瞬だけの必殺技と考えていただけると！』
※『やはり本体が強い！』『強すぎる力には制限が掛かってるな』『やっぱリトルウィッチ・デュオよ』『語感良すぎ！』
大変ご好評いただいておりますスパイスとウィンディのコラボ！
まあ、ウィンディが一般人なので、実質スパイスの配信だけに出てくる激レアコラボということで。
今回はお楽しみいただきたい！
『ウボアー』
「なんかいマス！ ボスじゃないでショウか？」
「多分そう！ ピカピカ光るゲーミングおばあさんだ！」
そんなもの、色彩の魔女以外にありえない。
空中から攻撃だ……と思ったら、ゲーミングおばあさんは点滅しながらどんどん浮かび上がってくる。
「来るぞーっ！」
「イエーッ！ ブラストウィンド！」
猛烈な風をぶっ放すウィンディ！
これを、ゲーミングおばあさんがペラッペラに薄くなって回避した。
そんなんあり！？
『これ、色彩の魔女の影の一つね！ あいつの無数にある人格がこうやって分かれてきて、ダンジョンを作って悪さするんだわ。魔導書も遊んでるなこれー！ あの芸術家気取り、私嫌いなのよねー！！』
スノーホワイトの解説と個人的感想が！！
「おっしゃ、そんじゃあ……」
スパイスはゲーミングおばあさんにパーンチ！
『ウグワーッ！』
普通に効いた！
だけど、叩いたところからカラフルが侵食してくるぞー！
「からのー、ハードショック！ アンド……ドランク！！」
『ウグワーッ！！』
侵食してきた色がズボッと抜けた！
ふらふらするゲーミングおばあさん。
だけど今度は、その周りがカラフルに点滅し始めた。
色が世界を侵食して広がってくる～！！
「こういうパターンはどうするの？」
「ペンキは洗い流せばいいデスケド！」
『私の出番ですね～。シンプルな魔法でいいんですよ、シンプルな魔法で』
「あ、これね！ 洗い流す青！ 怒涛のごとく押し寄せて、あとはサッパリきれいきれい！ ウォッシャブルウォーター！」
これは本来なら、水で汚れとゴミを押し流すだけの初歩魔法の一つ。
だけど魔法っていうのは概念戦闘なので……。
ゲーミングおばあさんのカラフルが水で浮かべられ、押し流される！
『ウグワーッ！？』
おばあさんも流れていく！
「これ、対抗手段が無いと相当ヤバい相手だねー」
「ワタシがフィニッシュデース！ アチョー！ ウインディ・ストラーイク！！」
ウインディのリボンが翼のように広がり、風を受けて彼女を加速させる！
つま先に氷が集まり、槍みたいになった。
それがゲーミングおばあさん目掛けて突撃！
『ウグワーッ！！』
ゲーミングおばあさんを貫き、向こう側に着地するウィンディ。
彼女の背後で、ゲーミングおばあさんが物凄い量のペンキになって飛び散った。
スパイスはギリギリのところで、水の壁を作って回避したぞ！
後には何も残らない。
ダンジョン化がゆっくりと解けていく。
※『必殺技うおおおお』『幼女のキックで悪は粉砕！！』『俺も粉砕されたい』『スパイスちゃんも技を考えないと』
「スパイスは遠距離系だからなー。どうしようかなー」
でも、必殺技みたいなのをやっておくと、同接パワーが稼げる可能性はあるな。
グラーツ旅の中で考えておこうっと。
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