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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
リトルウィッチ・デュオ編

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第192話 スパイス・テイクオフ!

 三月になったので、旅立ちます!

 フライトプランも迷宮省に提出した。


「近くまで民間航空機で行くことはできますが?」


「相手がやばーいので自力で飛んでいきまーす!」


 そんなやり取りをしたのだった。

 我家のベランダに立ち、メタモルフォーゼする。

 そろそろ春の兆しが見えてきた頃合いだ。


 オーストリアでどれだけ滞在するかは分からないが……。

 まあどうにかなるでしょー。


 変身したから思考もスパイスになったぞー。


「……あれ? スパイスのノーマルモードも何気にパワーアップしてない?」


『ふっふっふー。主様がついにフライトをマスターされたということで、メタモルフォーゼの内容をいじっておきました。具体的には、エプロンドレスの裾や袖に、白なら黒、黒なら白のラインが入ってるんですねー! こだわりましたよー!』


「おしゃれなマイナーチェンジだ! だけど明らかなパワーアップ感もある……。最初の形態に近い姿のパワーアップ、燃えるねー」


 仮に、スパイス2.0と名付けよう。


「そんではいってきます!」


「先輩、がんばってー!」


 マシロの応援を背に受けて、いざテイクオフ!!


 周囲に何の影響も与えないまま、スパイスの体がスーッと浮上する。

 このまま姿勢を飛行する感じに変えて……。

 直立状態でも全く問題なく飛べるんだけどねー。


 雰囲気というやつなのだ。


「端から見てるとすっごく不気味な動きッスねー! UFOみたい」


「ほぼ人間UFOになる魔法だね。多分飛行魔法の最上級のやつ」


 普通に会話しながら、加速するスパイスなのだった。

 音もなく、周囲の風景が後ろに流れた。

 物凄い勢いだ。


 一瞬で埼玉県秩父市に到着です!

 速すぎない!?


『冗談抜きで飛行魔法最強なので、加減を誤ると山に突っ込んで死にますからねー! 山は存在そのものが伝承を纏っているので、普通にフライト突撃も通用しません!』


「ひえ~! 気をつけないと! フロッピー、ナビお願い」


『了解しましたマスター。緯度、経度をお伝えします。目標の方角まではこちらです』


 フロッピーから光の矢印が出て、シュタイアーマルク州グラーツまでの方角を教えてくれる。

 ひとまず、こっちに向かってまっすぐ。

 あまり高度を上げすぎると大気圏を突破して宇宙に飛び出しちゃう危険も高いらしい。


『長い距離を移動する場合、まっすぐ飛ぶとどんどん高度が上がりますからね! フライトは重力から完全に切り離されるので、慎重さが要求されます!』


「こわー! 歴代の使用者には宇宙に飛び出して死んだ人いた?」


『何人かいますよー! 優秀な魔女でしたけど、制御を誤りましたね! 私はその魔女の生命力を全部魔力にして、頑張って帰ってきましたよ』


 フロータだけが返ってきたというわけだ。

 つまり、浮遊の魔導書の継承者は何度も断絶し、フロータを拾った人物を魔女に変えながら現代まで存在してきたことになる。


 フロータがフライトをなかなか教えてくれないわけだ。

 ひとまず小刻みに加速し、高度をチェックし……。


 うおーっ、ばびゅんと飛んだ瞬間にすごい距離を移動してる!!

 大きな山を回避しながら飛ぶ方針だから……。


 秩父から軽井沢に抜け、長野を伝って上越へ……。

 これだ。

 思った以上にコツコツ移動になりそうだなあ。


 速度は段違いだけど。

 瞬間移動か!? って感じの移動時間で、次は軽井沢上空に到達。

 おおー、寒い!!


 イグナイトがいなければ無理だった。

 あらゆる外的抵抗から守ってくれるという、フライト魔法の力場。

 温度はちょっと貫通してくるらしい。


『ん俺がぁ! 常にポカポカにしてやるからなぁ!』


「ありがたーい!」


 上越上空まで来ると、一面の雪だ。

 流石豪雪地帯!!


 空で停止しているスパイスを、地上の人たちが見つけて何かわあわあ言っている。

 念の為にあまり高く飛んでなかったからな。

 見つかりやすいかも!


 さて、ここからは日本海だ!

 何も気にしなくていいぞ!


 一気に加速した。

 うおーっ!

 周囲の風景が流れていく~!

 でも途中から海だからそこまで代わり映えしないな?


 空だけがガンガン変化していくのが分かる。

 嵐を一瞬で突っ切ったな?


『マスター! 減速する事を提案します!』


「おっけー! 急ブレーキ!!」


 調子よく飛んでいたところでフロッピーから声を掛けられ、スパイスは急減速した。

 そうしたらなんと、もう都市の上空じゃないか。

 うおーっ、ユーラシア大陸に到着してた!


『ウラジオストクです』


「ロシアだー!」


『思えば遠くまで来たもんですねー!』


「ほんとだよー」


 ここから山を回避しつつ、ひたすら光の矢が示す方向へ直進……。

 とんでもない旅だな、これ。


 しかもこの距離まで、我が家を出発してからまだ30分も経過してない。

 これは力に酔っちゃうの分かるわ……。

 で、酔って我を忘れた瞬間に破滅する魔法、フライト。


 こえー。

 ウラジオストクから中国のなんちゃら自治区まで抜け、そこから中国の上空を……。

 うおおお、なんだこれ!?

 中国の都市が廃墟っていうか、ダンジョンになってるんだけど!!


 モンスターが闊歩し、町の姿は刻一刻と変化を続ける。

 人影は全く無く、明らかに人間の住める環境じゃない。


 中国の情報が全く流れてこないから、どうなってるかは分からなかったんだが……。

 お隣りにある大国は、既にダンジョンにやられてしまっていたんじゃないか!


 やべー!

 スパイスはこの光景を写真で撮って、迷宮省に送ったのだった。


 でも、ここは目的地ではないのでどんどん進むぞー!


お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
清王朝のスタンスなら、何とかなったんだろうけど。
3月の時点で中国こんなにヤバかったんですねぇ……もみちゃん達が夏休みに向かうまで持ちこたえて欲しい……
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