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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
つかの間の休息?編

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第186話 パンを捏ねて焼く冒険

 日を改めて、やって来ましたもみじちゃんの実家。

 彼女の配信チャンネルは、もみじパン工房。

 つまり、このパンを作る工房が本体とも言えるのだ!


「いらっしゃーい! おーっ、もうスパイスちゃんとイラちゃんの姿!」


「おじさんが二人来るより見た目がソフトだからねー」


「そうそう。傍から見ても安心できる絵面だもんなー」


 出来てて良かった、幼女変身。

 ということで、パン屋さんを訪れる。


 もみじちゃんのご両親から挨拶を受けた。

 こちらも名刺を差し出しておく。


「どうもどうもご丁寧に……」


「お嬢さんの企画力にはいつも助けられておりますー。本日は工房をお借りして収録と配信をさせていいただきますー」


「あ、これ、つまらないものですが」


 イラちゃんが手土産を渡した。

 これはスパイスと二人で買った、高級ジュースの詰め合わせなのだ。

 パン屋だから焼き物は避けてのチョイスだね。


 スパイスとイラちゃんの様子を見て、もみじちゃんが「はひー」と衝撃を受けていた。


「や、やっぱり二人は大人だったんですね……」


「そうだぞー。でももみじちゃんも気遣いレベルかなり高いから誇っていいぞー」


「うんうん、イラなんか昔はもっとひどかったからね。最近の若い子は凄いよ」


 おじさん発言をした後、工房へ移動するのだった。


「パン種はもう発酵してるんで、これを成型してマイ・パンの形にしたら、最終発酵させて焼く感じですー」


「おおーっ!」


「この間予習したところだなー」


「……でも、初心者がいきなりパンの形を作るのは失敗のもと! まずは成功体験を積んでもらいまあす!」


「おおーっ! もみじちゃんが鬼教官の顔に!!」


「こりゃあスパルタされちゃうぜー!」


 わいわい騒ぐスパイスとイラちゃん。

 真面目な顔をしてたもみじちゃんが、ぷぷーっと吹き出した。


「二人とも可愛すぎて真面目な顔できませんよー!」


「ごめんごめん!」


「思わずさー」


「っていうことで、今日はなかなか難しいんですけど、クロワッサンを三人で作っていきますー」


「うおー!」


「待ってましたー!」


「ここに取り出したるバター!」


「えっ!?」


「でっか」


 驚愕するスパイスとイラちゃん。

 ドン引きするくらいでかいバターの塊だ。

 これを全部練り込むんです?


「そうでーす! クロワッサンは半分バターで出来てるんですよー!」


 麺棒で伸ばされ、形を整えられたドデカバターが生地の上にドーンと載せられる。

 そして生地でバターを包んでから、トントントンという感じで馴染ませて……。


「じゃあ生地をこの麺棒で伸ばしていきまーす!! 打ち粉お願いしまーす!」


「おりゃー、ばんばん打ち粉だー!」


「土俵入りだー!」


「ぐーんと伸びたところで、カットするよー。こんな感じの三角にやっていこうー」


「おっしゃ任せろー! おりゃー!」


「これ台形じゃね? スパイスちゃんはなかなか大胆だな!」


「スパイスちゃんこれじゃあ超おっきなクロワッサンになるよー!」


「な、なんだってー!」


「スパイスちゃん、なりはちっちゃくても食べる量はガッツリだからな!」


 まあねー。

 ってことで、ここからは三人で三角形にカットした生地を、ぐるぐる巻いていく。


 おっ、おっおっ、なんかクロワッサンの形になってきた!


「クロワッサン作ってるって感じがしてきたなー! スパイスちゃんのはキングクロワッサンだな」


「中まで火が通らなそう……!!」


「大丈夫大丈夫ー。うちの窯を信じて! それじゃあ、生地がくるくるになったら、卵と牛乳を刷毛でたっくさん塗りまーす!」


「ここに来てさらにカロリー追加!!」


「パンってのはカロリーでできてるんだなあ。そりゃあうめえや」


 おじさん二人で感心しながら、卵と牛乳を塗りたくった。

 生地がテッカテカになったぞ。


 これを一時間ほど最終発酵させて……。

 その間にティータイム。


 もみじちゃんのお母さんがお茶とお菓子を用意してくれたぞ!


「これ、うちのもみじちゃんが練習で焼いたクロワッサンの残り生地を焼いたものなんですよー」


「えーっ、それとドライフルーツを合わせて!? おっしゃれー!」


「これは美味しいねー! 紅茶うまーい。アップルティーだ!」


 この、もみじママ謹製アップルティーも売ってるんだそうで。

 大人気商品らしい。

 紙コップに入れて飲めるわけね。


 イートインスペースは用意できないけど、店の前で食べたり飲んだりするのはOKなんだそうだ。

 おしゃれなお菓子もうまーい。


「あっ、お時間でーす! パン窯に入れますよー!」


「うおー!」


「やるぞー!」


 作り上げたパンを、窯の中にイン!

 生地をざっと眺めたもみじパパが、焼き時間を決めた。


「いつもよりちょっと長めみたい」


「スパイスクロワッサンがでっかいからかな」


「絶対そうだぜー」


 でも、思ったよりも焼き上がる時間が短い。

 物凄くいい匂いがしてきたぞ!

 そりゃあ、あれだけのバターと卵と牛乳を使った生地を、クロワッサンに焼き上げればね……!!


 窯が開く。

 こんがり焼き上がったクロワッサンが出現した。


「うおおおおおお」


「うおおおおおお」


 スパイスとイラちゃん大興奮。

 素の反応なんだけど、これをAフォンが激写。


『いい絵が撮れました』


 得意げなフロッピーの声が聞こえた。

 うん、こりゃあリスナー大喜びな動画が作れる気がするぞー。


 なお、クロワッサンはめちゃくちゃ美味かった!

 焼き立てはヤバい!!

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
カワイイ3人がワチャワチャよってたかってパンを作ってりゃそりゃいい絵になるよなぁ……w カ、カワイイが飽和してる……w
クロワッサンって、バターの塊だったんだ! 旨いわけだ。
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