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TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~  作者: あけちともあき
つかの間の休息?編

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第182話 コーラル社長とまったり

 休息期間だと言うのに、ド派手なコラボをやって注目を集めてしまった。

 いかんいかん。

 本日はマシロが出勤なので、暇な俺はどうしようか。


 コーラル社長のところに行って一緒にお茶でも飲もう。

 そういうことにした。

 社長はスパイスの姿のほうがしっくりくるらしいので、メタモルフォーゼしておく。


「しゃちょうー。遊びに来たよー!」


「おうスパイスか! 入るが良いぞ。我は今……生意気な小僧に教育をだな……くおーっ!! この相撲取り、何度空中突進をしてくるのだーっ!!」


「格ゲーやってる!!」


「ぐわああああ負けたああああ悔しいいいいい」


 瓦礫を組み合わせて作ったテーブルの上に、テレビとゲーム機が鎮座している。

 で、悔しがる社長がテーブルを叩く度に、瓦礫に亀裂が走るのだ。

 壊れそうー!!


「誰と対戦してたんですかー?」


「うむ、我が色々指導してやっていたドラゴンよ。あやつがはなたれ小僧の頃から世話をしてやっているというのに、ウェスパースめ、格闘ゲームではやつに一日の長があるわ……!」


「あー、ランクも全然違うもんね。社長はこのプロレスラー使ってるんだねー」


「うむ、大きいことは強いことだからな」


「ウェスパースさんがこのお相撲さん?」


「うむ、こやつも太くて強そうではある」


 コーラル社長の強い基準、デカいとか太いとかだぞ!


「どれどれ、スパイスがやってみるよ」


「ほう、そなた、このゲームは強いのかや?」


「暇な時にちょこちょこやるよー。ゲーム配信とかもしてるし。でもプレイスタイルは簡単な方のニュービーだけどね! 使うのはこのネイティブアメリカンの女の子で……おりゃー!」


「うはは! あやつめ、いきなりプレイスタイルが変わったので焦っておるわ! よし、いけ! ころせー!! 一本取った! よっしゃああああああ」


 社長が大喜びしている!!

 こんなテンション高いの初めて見たかもしれない。

 恐るべし、ゲーム。


 で、結局三戦やったら、一戦目は取れたけど流石に二戦と三戦目を取られてしまった。

 相手はベテランだなー。

 格ゲーベテランのドラゴンだなー。


『ていうか、そんなにドラゴンってこっちにいっぱい来てるんですか?』


 フロータの質問に、コーラル社長が頷いた。


「おるぞ。世界中に我を含めて五体おる。なぜかこの国には二体もおるが。皆、現地の人間どもと協力して暮らしておるな。この世界は人間が強い故に、敵対するのは損なのだ。まあ、我ほどの存在ともなれば対抗できる人間などほぼおらぬが」


 社長はドラゴンの中でも別格らしい。

 まあ、きら星はづきが怖いようだけど。


「そうそう、社長で思い出したんだけど……。最近社長の苦手なはづきっちが歌を出しててさ」


「あー、あの聞くだけで魔の者に強烈なプレッシャーを掛けてくる曲か……。我は抵抗をやめたら、すんなり耳に入ってくるようになったぞ。恐ろしい人間だ」


 やっぱり聞いてましたか。


「地の大魔将一族がな、奴らの娘をイカルガエンターテイメントに送り込んだ」


「な、なんですってー」


「我が見るところ、あれは取り込まれるな」


「やっぱりー」


「ちなみに我もこの世界で色々見ているだけでは退屈になってな」


「ほうほう」


「配信者企業とやらのオーディションにエントリーしておいた」


「な、なんだってー!!」


 とんでもないことになっているぞ!!

 社長のフットワーク、軽すぎる!!


「あんまりびっくりしたので、落ち着くためにお茶を淹れてくるね」


「うむ! 我の紅茶は砂糖多めでな!」


 社長はカロリーが多いものを愛する。

 主に砂糖系。


「どこ行くの?」


「ライブダンジョンだな」


「業界最大手じゃん! 受かるかなあ……いや、受かるな」


 本物のドラゴンで、芸達者で最近ゲームまで覚え始めたドラゴンだぞ。

 そのうち、ステージに立って歌う社長が見られるようになるかも知れない……。


『ドラゴンが首輪をつけられるんですかー? 星渡りの竜とは思えないような行動ですけどー』


「おいバカフロータ挑発するな」


 だが、ここは社長、わっはっはと笑う。


「構わぬぞ! ふふふ、我はな、大変寿命が長い。故に様々な冒険をして遊んでも全く問題ないのだ。それに、配信者というものはどうやら強くなるらしいではないか。では、我が配信をしたらどうなる? より強大な存在になるのではないか? ふはははは、楽しみだ!」


 哄笑する社長なのだった。

 なお、社長は書類選考をサクッと当然のように通過した。

 倍率千倍とか行くやつだよね?


 後で応募フォームの写しを見せてもらったら、『異世界より来たドラゴン本人である』と書いてあった。

 なお、書類選考はクリアしたらしい。


 な、なんだってー!?


 与太話だと思わず、受け入れたライブダンジョンの懐の深さよ!!


 というか、こうなると社長、Dizさんの後輩になるのか。

 いや、まだ面接がある……。


 後日のこと。

 社長が当たり前みたいな顔で我が家にやってきて、


「我はライブダンジョン所属になったぞ」とか報告してきた。


「な、な、なんだってー!!」


「面接会場でちょっとブレスを吐いたり、虚空から武器を生み出してやったら採用になったわ! だが不思議なことに面接官どもは、我のこの口調と朗々と語る様を褒めておったな」


「あー、流石ライブダンジョンの面接の人、肝が据わってる。確かに社長、配信者向きだわ」


 完全に感心してしまうスパイスなのだった。

 ということで、春には社長がライブダンジョンの配信者、コーラルとしてデビューすることになった。

 何やら同期も四人いるらしいのだが……。


 最近イカルガに押されていたライブダンジョン、超大型新人をゲットしてしまったな……!


お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 確かにこれは大型新人ですわ…色んな意味での大型ですが(笑) しかしドラゴンの生き方、言葉で表すなら某芸人さんのネタの『暇を持て余した神々の遊び』状態ですねわりとww それでは今…
ガチの「大型」!
あれですなぁ、ファンタジー世界なんかでたまに見る「国を守護するドラゴン」とかこういうノリだったのかもしれませんねぇw
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